KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

涼風求めて四国カルストの高原へ!

2024年09月05日 | 四国の山


ここ2週間はあまり昇り降りのない場所を選んで散策してきたが、相変わらず

膝の調子は代り映えがしない。無理ができないのを察してか奥様たちから負担

の少ない四国カルストで花散策はどうですかと連絡が入った。四国カルストの

天狗ノ森なら高低差も250m位歩行距離もさほどでもない。ただ車での移動

距離と時間に今まで二の足を踏んでいた場所だった。

それでもYAMAPでアカリプタさんがアップしている活動日記にはたくさん

の花と四国らしからぬ雄大な風景写真が載っていて、奥様たちは花、私はカル

スト台地に魅了され、出かけることにした。

四国カルストはずいぶん昔に友人と二人で『四万十川源流』を訪ねて車で走っ

た際に、キャンプ場でテント泊して以来だった。その時は四万十市(旧中村

市)からスタートして四万十川に沿って遡上して行ったが、今回はGooglMap

で調べると、須崎市から西に国道を197号線を走って行くルートが出てきた

。そのルートを辿って確認していくと、途中で『白龍湖』なるポイントが目に

付いた。そのポイントをクリックして出てきた写真には、少し怪しげだが透明

度抜群の小さな湖の写真が何枚も出てきた。一応立ち寄り場所としてチェック

して家を出た。

高速を須崎で降りて津野町に向かう国道197号線へ右折する交差点の『道の

駅かわうその里すさき』でトイレ休憩。すると交差点に葬祭場の『〇〇家ご葬

儀会場』と書かれた看板が立っていた。その〇〇家の苗字見て、須崎市の近く

に居る大学時代の同級生を思い出した。その時は須崎市には〇〇と云う苗字が

多いのかな?と思っただけだった・・・・・が。

トイレ休憩を終えて197号線を西に走ると直ぐに道の両側にたくさんのビニ

ールハウスが並んでいた。後ろの座席で奥様たちが『何のビニールハウスだろ

うか?』と話しているがはっきりとした答えがでない。(帰って調べてみると

須崎市はミョウガの栽培は全国一の販売額になっているそうなので、ミョウガ

かな?)

国道は新荘川に沿って続いて行くが、途中津野町で北に国道439号線(ヨサ

ク)を今度は北川に沿って走って行く。すると途中のポイントにしていた大き

な目印が目に飛び込んできた。巨大な竜のオブジェと与作と名付けられた狸の

像。これらの像の横を通って中に入って行く。白龍湖は津野町で建設業を営む

野波さんが、『家族や地域の方の憩いの場所になれば』と私有地の天然の淵を

整備して作り上げた人工の湖だそうだ。




入り口で協力金を箱の中に入れて進んで行く。河原に続く砂利道を下って行く

と、眼下に写真で見た通りの透き通った小さな湖が見えた。



そのまま下って行き、矢印の道標に沿って歩いて行くと、湖のちょうど真ん中

にベルトコンベアの廃材で造られた橋が架かっていた。






石灰岩を多く含んだ地質と太陽の光の関係で水がより青く見えるそうだが、湖

の中を覗くと、結構ふくよかな鯉が気持ちよさそうに泳いでいた。





湖の深さはさほどではないが、それでも底まで透き通って見える。












仁淀ブルーのにこ淵は大勢の観光客で賑わっているけれど、この白龍湖はほと

んど知られていないのが不思議なくらいとても素敵な場所だった。またまだほ

とんど観光化されていないのがかえっていいのかもしれない。






白龍湖をあとにして国道をさらに北上。途中、郷内の集落から県道に入って次

第に標高をあげていく。クネクネした道になった途端に後ろの座席のあっちゃ

んが目を閉じ黙っている。いつものように車酔いが始まったか?

それでも20分ほどでなんとかやり過ごして『星ふるヴィレッジTENGU』の

駐車場に着いた。駐車場は施設が休みのせいか数台停まっているだけで閑散と

していた。






駐車場の奥にある天狗高原キャンプ場からスタートする。キャンプ場の真新し

い綺麗なトイレの横を通り、最後のコテージの脇を抜け展望休憩所のデッキを

過ぎると自然林の中の道になる。





林床は笹だったが、道の脇には小さな草花があちらこちらで咲いていた。

奥様たちは事前にアカリプタさんの活動日記にあげている花の写真を見て勉強

してきたと仰るが、その割には花の名前が全く出てこないので、ネットで調べ

る有様。









天狗ノ森の尾根に乗っかると左に折れて行った先に見晴らしのいい場所があっ

た。少し木々に遮られてはいるものの、天狗高原の緑の草原と白い岩肌の石灰

岩が見えた。




見晴台から引き返して尾根を道標に従って進んで行くと、今度は道の南北が開

けた場所に出た。少し岩場になった場所。前から歩いてきたご夫婦とすれ違い

ざまに少し話をする。道の脇の岩の上にヒョイと上がって北を見ると、遠くに

天空の赤鳥居のある中津山が見えた。振り向いて南を見るがこの辺りは全く土

地勘もなく見える峰々の山の名前が分からない。山頂近くが三角になった山は

不入山だろうか?








この辺りから石灰岩の露岩が目立つようになってきた。長年の水による溶解や

風化で、岩の形は複雑になっている。







しばらく歩いて行くと天狗ノ森の山頂に着いた。三等三角点 栂山 1484.87

m。ここで一旦行動食を口に入れたあと、折り返して途中にあった分岐まで戻

る。




道の脇からは石灰岩の露天掘りとしては日本一の産出量を誇る鳥形山の鉱山が

見えた。この鉱山、航空写真で見てみると東西はこちらの四国カルスト並みの

距離があるのが分かる。そして南北の幅はかなりの幅で、とてつもない広さだ

というのがよく分る。






分岐からは東に天狗ノ森の山頂の下を通って下って行くようになるが、地形図

では山頂から東で破線が続いていて、この道は表記されていない。ただその割

にはしっかりとした登山道になっていた。しばらくは道の所々で異形の石灰岩

の露岩がある。






東に向かっていた道が西に振ると樹林帯の中の道になり、周りの景色も変わっ

てきた。林床の笹原の中に続く道はきれいに整備され、山頂までの尾根の道と

はまた違ったとてもいい雰囲気の道だった。










道は地形図にも載っているセラピーロードに合流した後、西に向かって駐車場

まで続いている。途中でロープの張られた場所があり、『ひょっとして?』と

思って見てみると、活動日記にも載っていたキレンゲショウマの咲く場所だっ

た。

残念なことにすでに花は終わっていたが、道の反対側に一輪だけ残ってなんと

か咲いていた。




さらにその先では四国のみちの道標が目に付くようになり、足元はヒノキのチ

ップが敷かれていた。全国に30カ所ある『森林セラピー基地』の中で標高が

1,300mという最も高い位置にあるセラピーロード。木漏れ日の差す中気持ち

よく歩いて行く。




尾根の分岐からセラピーロードに出て、そこから45分ほどでキャンプ場まで

戻ってきた。スタート時点と比べると駐車場の車の台数は増え、若い人たちが

南に広がる景色を写真に撮ったりしていた。車の横でザックを下ろして昼食に

する。

昨日会社の帰りにマルナカによって、さてさて何も食べようかと考えて、塩塚

高原であっちゃんがインスタントの焼きそばを買ってきたのを思い出した。今

回も高原。高原つながりで焼きそばもありだと思って買ってきたら、横であっ

ちゃんがザックから取り出したのが同じ『一平ちゃん夜店の焼きそば』だっ

た。その横でルリちゃんは冷やしたうどんを食べている。







昼食の後は車で移動して先ずは天狗高原、そして五段高原を走って行く。

緑の草原に白い石灰岩が転がる中を、黒い牛たちが草を食んでいる牧歌的な

風景が続いていく。道の所々で脇に車を停めて観光客がこの景色を写真に収

めて楽しんでいる。







今日二つ目の三角点となる五段城の山頂へは、GoogleMapでちょうど『四国

カルスト』とポイントの付いた場所から登って行く。

路肩が広くなった場所に車を停めて、道の北側の鉄条網と鉄条網の間に尾根

道が続いている。





道沿いにはシコクフウロがそこかしこに咲いていた。そしてあちこちに油断

すると踏んずけそうになる大きな大きな黒い糞。ただその形からして牛さん

のではなさそうだが、果たして誰の?







山頂にはゆっくり歩いて15分ほどで着いた。大きな山頂標の文字は消えかか

っていたが、その前で『ハイ、ポーズ!』  二等三角点 丸山 1455.66m








本当は雲一つない青空を期待していたが、雲が日差しを遮ってくれてかえって

ほとんど汗をかくことなく涼しく歩けてこれはこれで良かった。







車を停めた場所まで戻り、近くに居た牛さんを見物しに歩いて行く。牛さんは

人なれしているのか、すぐ横まで近づいても逃げようとせず、少し腰のあたり

を触るとしっぽを振って叩かれた。





今日の目標の三角点とYAMAPの山頂ポイント二つをゲットした後は、次の

奥様たちの目標はソフトクリームのゲット。車を高原の中さらに西に走らせて

姫鶴荘の横のキッチンカーで目標達成!








帰り道は少しだけ遠回りして、今度は私のリクエストの梼原町の隈研吾の建築

物見学。雲の上の図書館と雲の上のギャラリーで日本建築の木組みの美しさを

再確認した。









その後最後に気になった所へ寄り道するのを奥様たちの了解を得て車を走らせ

た。朝須崎市で葬儀社の案内板で思い出した、市の隣町にある同級生のお店だ。

須崎市からすぐ5分ほどで着いたお店は、以前来た時と比べると店舗は縮小し

ていて、中に入って『〇〇さんいらっしゃいますか?』と店員さんに声をかけ

た。すると店の奥から出てきた同級生。『ちょうど良かった今葬式から帰って

きたところや』と。『誰の?』と聞くと『親父の葬式だった』と答えた。

『そうか朝見た葬儀社の案内看板は同級生の親父の葬式だったんだ』

いつもは明るく元気はつらつな子だったが、やはり少しお疲れ気味の様子だっ

た。しばらく店内を案内してもらい、奥様たちは買い物を済ませて店を出た。


家から片道3時間30分、やはりけっこう遠かった四国カルスト。いつもに比

べると山歩きの時間は短かったが、途中や帰り道にあちこち寄り道をしたの

で、家に着く頃は既に陽が落ち夕闇が迫っていた。久しぶりにたっぷりと遊ん

だ一日だった。



今日見た花たち