KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC登山部2020.07.22 雨乞いの滝

2020年07月24日 | 四国の山

ここのところWOC登山部は観光部に近い活動になっているが、

取りあえず毎週休まずどこかに出かけるのが第一のポリシー。

山は梅雨が明けるまで延期して、今週も懲りずに『日本の滝百選』シリーズと銘打ち、

三週連続で滝巡りに出かけてきた。先週の大樽の滝で、高知県にある

三ヵ所の百選の滝を制覇できたので、今週は徳島県に的を絞り、これも三カ所ある内のひとつ

神山町の雨乞いの滝に出かけてきた。残り二つの内のひとつ大釜の滝は何度か訪れた事があるので、

最後の轟九十九滝に行ければ徳島県の制覇となる。



いつもなら上川町へは山川町から国道193号線を走るのだが、今回は運転が楽な高速を利用して

石井町から神山町へと向かった。神山町の旧道で雨乞いの滝と書かれた小さな看板を見て

南へと左折したが、どうやら道を間違えたようで、

一旦旧道まで戻り火の見櫓のある所から山道へと入って行った。

こちらは途中には何ヵ所も案内看板も有りここからは迷うことなく駐車場に着いた。







駐車場からは先週の大樽の滝と同じように、沢沿いにコンクリートの遊歩道が続いている。

しかもうぐいす滝・不動滝・もみじ滝・観音滝と雨乞いの滝まで

連続して小さな滝が続いて、飽きることなく雨乞いの滝まで歩いて行ける。




遊歩道はこれも先週と同じように表面には苔がつき、濡れて滑りやすく

しかも所々で急な斜面になっていて、とても危なっかしい。


うぐいす滝は遊歩道から滝の近くまで降りることができる。滝の正面には形のいい

モミジの木の枝がかかっていて、秋の紅葉の季節にはとても絵になる雰囲気のある滝だった。







少しその先を歩くと道の山側には岩壁がそそり立ち次第に深山幽谷の雰囲気が漂ってきた。

前を歩くさりんちゃんは時々その岩壁に近づいて

なにやら探している。前回の笹倉湿原の時もそうだったが、どうやら水晶がないか探していたようだ。










その間も水量が多いせいで至るところで小さな滝になり、水が勢いよく流れ落ちている。







不動の滝は先ほどのうぐいす滝に比べると段差のある滝だった。

道の脇には不動尊と書かれて石仏が祀られていたが、どう見てもタヌキにしか見えない?。

キョウちゃんも連続する滝に見入って、度々立ち止まっては写真を撮っている。










次にコンクリートの遊歩道は突堤を右岸へと渡ると道は更に急になってきた。

所々で沢からの涼しい風が吹くものの、湿度が高いせいでそれこそ滝のように汗が流れ落ちてくる。







コンクリートの道が中央が階段状になり少しは歩きやすくなってくると観音滝に着いた。

さっきまでの滑らないようにと緊張していたのが随分と楽になる。










観音滝は遊歩道から滝の落ち口まで近づける。『あっちゃん、滑らんようにね!』と思いながら

眺めていたら自分が足を滑らせスマホやペットボトルを落としてしまった。







観音滝を過ぎると今日の目的地の雨乞いの滝に着いた。広場の横には東屋の休憩所があり、

広場の奥に進んで行くと先ずは雄滝が目に飛び込んできた。

さらに右奥に2段になった雌滝が谷あいの上から注ぎ込む陽に当たり眩しく光っている。










滝の両側の岩肌には一面の苔の緑、そして廻りの木々にも陽が当たり

まるで春の新緑のように若々しい色で輝いている。

三週連続で百選の滝を見て来たけれど、どれひとつ同じ表情の滝はなく、

それぞれに違った特徴があり滝見の旅もまんざらではない!

雌滝の左側には鎖が続いていて滝の上部に見える石仏まで登れるようだ。

その鎖場の上の方で地元の人か、鎖の周りの草刈りをしながら降りてきている。













雨乞いの滝を堪能した後は次の目的地の悲願寺へと向かう。

滝の広場の横から悲願寺までは四国のみちが続いている。




ただここからの道もいきなりの急登。しかも足元は滑りやすく横にある擬木の柵に

手を添えながら登って行く。その急登を登りきると北側の神山町が見える眺望が広がっていた。

先ほどの雨乞いの滝で涼んだあとなのに、また思いっきり汗が噴き出てきた。










更に折り返しの急登を登ると道は眼下に沢の流れを見ながら歩きやすい道になった。

道の谷側には石垣が続いているのを見ると、古くから悲願寺への参道になっていたのだろう。







案内では悲願寺までは滝から30分と書いたが、なかなか着かず、そろそろメンバーから

愚痴が出始めたので、『悲願が成就するのに楽な道ではいかんでしょう!』と言うと、

『何をお願いします!』と麺法師さんが言うのでしばらく考え込んだ。

すると麺法師さんが『私はサマージャンボ宝くじが当たるようお願いします』。

『当たったら皆さんに1,000万づつ差し上げますよ!』と言うので、メンバー全員が途端に盛り上がった。

『それじゃ~今日のメンバーだけにしときましょうね!』と姑息な発言をする私。







杉林の中の道になるとまた道は急登になり、せっかく盛り上がった話もいったん中断。

滝見のおまけ程度に考えて計画したのに、これはもうれっきとした登山になった。




やっとのことで前方に明るくなった場所と山門が見え始めた。







先ほどまでの山中の険しい道からは想像もつかないほど境内は明るく広々としている。

廻りには数本巨大な杉の木が立ち、山門の中には小ぶりな仁王を安置している所を見ると仁王門の様だ。







境内の奥には立派な常夜塔が建っている

この常夜塔は山中にあった古代灯台跡から明治初期に移設されたという。




早速拝殿にお参りをするが、麺法師さんはいつもより多いお賽銭を入れるという。

もちろんそれはサマーャンボ宝くじが当たる様にと願うため。その後ろでメンバー全員が揃って

『どうぞ宝くじがあたりますように!』とお参りをする。イッヒ・ヒー! (*´▽`*)





常夜塔には弘法大師が伝え残したと言う額が掛けられているが、

正面に「葆光(ほうこう)」向かって右側に「虚」左側に「空」

書かれているそうだが、左側の額を見て『麺法師さん!ほらって書いてありますよ!』と

私が言うと、ここでも麺法師さんが丁寧に手を合わせていた!(笑)




帰りの下りは時間もかからずトントンと下って行く。

すると麺法師さんは宝くじを30人近くでまとめ買いをしていることが判明した。

それじゃ麺法師さん自体の配分も随分と少なくなる計算。

『さっきの一人1,000万円は訂正します!』と麺法師さん。







登り鈍行、下りは急行で降りた後、雨乞いの滝で休憩をして駐車場まで下って行く。

ただここからが今日最大の難所。登りであれだけ慎重に登った苔むしたコンクリートの坂道を

更に慎重に一歩一歩と下って行く。普段あまり履いていないショートのトレッキングシューズは

経年で靴底が滑りやすく、余分に足に力を入れるため指先に痛みを感じ始めた。










何とかメンバー全員尻もちをつくことなく無事に駐車場に到着した。




さぁ~お腹が空いたので何処かのお店で食事にしよう!とGoogleで探したピザ屋へ向かうが、

今日は予約でいっぱいだと断られ、次にめし処萬や山びこに向かう。

国道からは倉庫にしか見えない建物は中に入ると新しく改装され、

名前からは想像つかないおしゃれな雰囲気のお店だった。ランチは日替わりでパスタと丼と定食があり、

私は日替わりのから揚げ定食を頼んだが、量が多くて満腹になった。

以前に食事をしたことのあるかま屋も含めて、神山町にはオサレ~な

お店が多く、平日でも徳島市内から来る人がいるのか、けっこう賑わっている。










まだ時間もあるので食事の後は車で焼山寺まで足を延ばすことにする。

狭い山道を登って行くと広い駐車場に着いた。駐車場からは奉納による石灯篭が境内まで続いている。

やっさんと私は藤井寺からへんろ道を歩いた事があり、

ひなちゃんとさりんちゃんは車で来たことがあるそうだが、

麺法師さんとキョウちゃんは初めてだそうだ。私は14年も前になるのでほとんど記憶がないが

この石灯篭の参道だけは記憶に残っている。




参道の途中からは東の眺望があり、遠くに風力発電のある大川原高原が見える。







境内はまだコロナのせいか人影は少なく、家族連れの兄弟の声だけが静かな境内で可愛く響いていた。










焼山寺でのお参りの後は最後の最後に奥の院のある焼山寺山を目指すことになる。

さすが登山部のだけあってメンバーは元気よく本堂の脇へと歩いて行くが、

今日はやはり靴のせいか大殿筋の辺りが痛み始めて足が進まない。




藤井寺からこの焼山寺に歩いた時も奥の院まで歩いたのだが、最後に随分と急な坂に

最年長で参加していた女性がメンバーから遅れていたので、それを見守る様に後ろから付いて行くと、

何度も先に行くようにと言われたが『私もしんどいので!』と言いながら、わざと疲れたふりをして歩いた。

すると後で、一緒に来ていたその女性の妹に『あの人、若いのに大したことないわね!』と

言っていたというのを聞いてがっかりした記憶が蘇ってきた。




この道には杉の木を始めたくさんの巨木が道の脇に立っている。







巨木の道を過ぎると今度は巨岩の道になってきた。コンクリートでできたような垂直な

岩壁を横目に見ながら歩くとその岩の正面に出た。大蛇封じ込めの岩と書かれた巨岩は、

弘法大師が開山した時、焼山寺山の台地に大蛇がいて、火を吐いて山を焼くなど

村人を困らせていることを聞いて、水輪の印を結んで退治に出かけた。

襲いかかる大蛇を虚空蔵菩薩の加護を得て退治、この岩に閉じ込めたと伝わる巨岩だ。

蛇がとにかく苦手な麺法師さんは『蛇さん出てこんでええからね』と言っている。







さらに途中には大師の杖を立てた杖立権現の小さな祠があった。

祠の前には奥の院の標識があり、疲れてきた麺法師さんがここを奥の院だと思って

『着いたよ~!』と言っているが、先を行くやっさんが『まだ先だよ!』と呼んでいるのでガッカリ。

山ではにせピークはよくあるがこれは『にせ奥の院だ!』と麺法師さんが愚痴った。







杖立権現から尾根に出ると南側に麓の神山町が見えた。

痩せ尾根を歩き登りきると正真正銘の弥山(蔵王)権現を祀った焼山寺奥の院に着いた。










ここは奥の院と同時に焼山寺山(938m)の山頂にもなっていて、

二本の可愛らしい山名札が立っている。

南の正面には旭ケ丸雲早山や砥石権現が見え、

西側に見えるとんがり山は東宮山だろうか?、その奥には霞んでいなければ剣山が見えるはずだ。










後で気づいたのだが集合写真でも欲深い(笑)5人は『宝くじがあたりますように!』と拝んでいる。

そうとは知らずにひなちゃんと私は吞気にピースサイン!




願掛けも無事終えて焼山寺へと下って行く。

今日は一日曇り空だったが蒸し暑く下りでも汗が噴き出てくる。

麺法師さんがテレビ番組で見た、吉野川は現在の阿波池田から東に紀伊水道に流れているが

300万年前は美馬市の辺りから北上し(現在の三頭越えの辺り)、瀬戸内海へと流れていたのが

断層活動で讃岐山脈が隆起し山地に遮られて現在の流れになったと話をしてくれた。

『阿波池田で90度に曲がって更に北に曲がっていたんですね?』と言うと、

あっちゃんが『吉野川が阿波池田で90度に曲がっている?』と不思議そうに聞いてくる。

『奥様、その場所は何度も車で通っていますよ!』と言うと、

悔しがって私が首に掛けていたタオルで首を絞めてきた!『奥様~~!!』 (@_@)










駐車場まで着いて万歩計を見ると19,000歩になっていて、メンバーに聞いてみると

他のほとんどの人が15,000歩になっていた。

『ハイハイ、私は足が短いんです』などと言いながら帰路についた。