一昨日の29日は「肉の日」だったようで、暦日に語呂合わせで商機に結び付けるのが上手なこの国の人々です。
WEB友が「29(肉)の日」に焼肉としゃれて(?)、羊肉の美味も味わったとのこと、なんともうらやましいかぎりです。
「ジンギスカン料理」は、北国の看板料理で、観光で訪れた人々が決まって食するご馳走です。
明治の開拓以降、牧場の普及とともに羊の飼育が盛んになり、この地では普通に食されてきました。
近年は本州方面でも「ジンギスカン鍋」として認知されてきたようです。
「ジンギスカン料理」の材料の羊肉は主に「1年未満の仔羊の肩部のラム肉」を使います。
生後2年以上の羊の肉は「マトン」と言って、ラム肉よりも格下になります。
このところ、この「ラム肉」の価格が異常に高騰しています。
道内の主要スーパーでの小売価格が、昨夏に比べ「7割」もアップしていて、アウトドアの季節を迎えても「ジンギスカン鍋」を囲む回数が減りそうな気配です。
この国で消費される「羊肉」の7割が豪州からの輸入に頼っています。
価格高騰の理由は
① 豪州ドル高による
② 羊肉の鍋料理の人気が高まる中国の大量買い付け
③ 豪州からの輸出国のトップが中国で、その量は10年前の4倍になっていて、013年のラム肉輸出量は4万トンにもなり、7位の日本の実に5倍にもなる。
豪州の肉評議会の会長によれば長年安定した取引をしてきた日本とは、友好関係を保ちたいが、大きな潮流の中で「価格高騰は仕方がない」とのこと。
ひるがえって思うことは、この国の「食料自給率」のことです。「自給率の高低にさほどの意味は無い」と言う説もあるようですが・・・・
この「羊肉」の高騰の例を見てもわかるように、これからの中国、インド、南米各国、アフリカ諸国、中東の面々の人口が膨れ上がり、いまより豊かな生活を志向してきたとき、まちがいなく世界的に「食料の逼迫」が生じます。
さらに近年の世界的な「天変地異」による災害は、どこの国も「食料の輸出」どころではなくなってきます。
(いますでにアメリカの干ばつによる飼料不足が深刻です)
「フードアクション・ニッポン」という団体があります。
その団体の資料を見ますと昭和40年代(1965~1974年)に約70%もあったこの国の食料自給率ですが、平成24年(2012年)には39%にまで落ちています。
これを平成32年(2020年)までに50%にまで持って行く努力をしようと呼びかけています。
ですが、この国の政府が、いま問題になっているTPPに加盟して、他国が出す条件を?むとしたら、50%の自給率は夢のまたゆめで終わってしまうのは明らかです。
食べるものが無くなり「餓狼が跋扈」する街・・・・などと妄想はしたくありませんが・・・・
「29(肉)の日」の<ジンギスカン料理>から連想した一文ではありますが、暗い話になってしまいました。