9番目の音を探して

今日は、仕事始め。
とは言っても、明日からの会社も多いようだが。
節制はしていたつもりなのだが、やはり仕事をしていないと、太る。
また、元に戻していかなければ。



大江千里さんが、ジャズ転向した際、ずいぶん苦労された話は知っていたが、先日のコンサートの際、本としてまとめられていることを知り、早速ゲット。

面白かった。
予想より、ちょっと長かったが、平易な文章で、すぐ読める。
話の重複もなく、相当文才もおありのようだ。

47歳に、突如、ポップの道から、ジャズの道へ転向。
そこは、外から見てるのと全く違う世界だった。
しかし、大江さんの持前のバイタリティと、協調性で、4年後の、レコードデビューまでたどり着く。

それにしても、厳しい世界。
世界中から、腕に覚えのある人が集まってくるのだから、ぼんやりしているとすぐ取り残されてしまう。
授業を取るのも、先生を選ぶのも、試験を受けるのも、友達を作るのも、全て能動的に動かないと、前に進めない。
当然卒業までたどり着けない。
英語力はそこそこあってどうにかなったようだが、英語力のない人は、そこも関門。

勉強分野も、理論から、歴史から、演奏から、様々。
時々、有名ミュージシャンが講演に来ると、教室に入れないぐらい生徒があふれて、講演者は質問責めになるそうだ。
グループを作って、腕を磨きながらの小遣い稼ぎも。
レコードデビュー前にも、結構人気が出たりもした。

ただ、ポップ・ミュージックと、ジャズでは、リズムも、コード進行も、根本から違うから、ちょっと油断すると、ポップ・ミュージックに戻ってしまう。

友人との交友録、様々な人にお世話になった話も、心温まる。
ドライブで、アメリカ大陸横断も。
行ったことがある場所も、ちらほら出て来て楽しい。

これらの経験を積んだ上での先日のコンサートと思うと、味わいも一塩だ。
大江さんファンだけではなく、ジャズ入門者全般にお勧めできる。
本書を読んで、ますますジャズが好きになった。