かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

I・BU・KI

2020年07月31日 | Music
ようやく、この週末にも梅雨明けしそうとのこと。
遅すぎ。
もう少しで、残暑見舞いのシーズン。



本作は、CASIOPEA 3rdの、2016年の作品。
2018年のブルーノートでゲットした。

ほとばしる生命の音とあるが、まさに渾身の一作。
大高さんというオルガニストを入れ、新たな境地を開いたCasiopea 3rd。
2016年3月のビルボード東京でのライブDVD付で、その中のインタビューで、オルガンの特性(音が継続する)が、全体のサウンドに、厚みを加えたと言っている。
もちろん、往年のファンには、賛否両論あるのだろうが、迫力が増したことは、事実だろう。
それと、これは神保さんが言っているのだが、野呂さんのギターの音色は、独特で、真似できる人はいないとのコメント。
プロが聞いてもそう思うのだから、間違いない?
あの神保さんが、年齢もそう変わらない野呂さんを褒めまくっている。
神保さんに作曲を進めたのも野呂さんで、たまたま先日の日経にも買いえていた。
写真集まで付いて、大サービス。
 
ライブの曲とのダブリがなく、ベスト盤的な、選曲にもなった。
フュージョンファンにはお勧め!



ブルーノートでいただいたサイン。
サインをみんなで楽しそうにしている映像も収められている。
似顔絵付き、スペシャルバージョンは、誰が、ゲットしたかな?

8月に久しぶりにライブに行く予定なのだが、どうなるか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変貌する古事記・日本書記

2020年07月30日 | Books



本書は、本屋で見つけた。
及川さんの本は、前、日本神話はいかに描かれてきたかという本で巡り合った。
神話と言っても、後付けの話がほとんどということだが、本書は、タジマモリと、ヤマトタケルにポイントを絞って、元の話と、今理解されている内容が、どのような経緯で、異なってきたかを探る話。
風が吹けば桶屋が儲かる的な話だ。

タジマモリといってもあまりなじみがないが、垂仁天皇が、常世(とこよ)の国で非時香果を探させたが、見つけて戻ってきた時には、垂仁天皇は、崩御されていて、タジマモリも後を追ったという話。
壮大な記紀の中では小さな話に思えるが、タジマモリは、明治になって、お菓子の神様に祀り上げられた。
人間が神様に祭り上げられることは、ないことはないがなぜお菓子に?
そこには、非時香果が何かということから始まる。
それは何かの柑橘類だったと考えられるという。
当時、お菓子というものはなく、果物がそれに代わるものだった(因みに”果”と、”菓”の区別もなかったという)。
橘とタジマモリの発音が似ていることも要因となり、タジマモリは、垂仁天皇のために何かの果物を探しに行ったのではということになってきた。
そこで出てくるのは、乃木大将。
明治天皇のご崩御の際、殉死した。
そして、同じく殉死したタジマモリと共に、奉られる存在に。
そして、菓子大博覧会なる行事が催された際、お菓子の神にさらに奉られ、それが浸透していったということらしい。


全然知らない話だったが、神社もちゃんとあるということで、一度拝みにいきたい。

ヤマトタケルの話は、もっと極端だ。
そもそも草薙の剣の話も、古事記と日本書紀ではややニュアンスが異なっており(日本書紀では、注釈になっている)、著者の考察だと、もともと”クサ”は、臭いから来ており、”ナギ”は、蛇を意味し、八岐大蛇から出てきた剣の”クサナギ”に、草薙という漢字を当てたことから、草薙伝説が生まれたのではないかとの説を唱えられている。
ヤマトタケルも、もともとは、ヤマトタケだった可能性が高いという。
ヤマトの漢字も、”日本”という漢字と、”倭”「という漢字が用いられるが、当初”倭”だったものが、中国ではあまりいい意味ではないと分かってきて、”日本”という漢字が用いられるようになった。
伝言ゲームの果てに、ストーリーが変貌してきたらしい。
金沢の兼六園にヤマトタケル像があるが、これは、ヤマトタケルが東征の際、当地に立ち寄り、当地の人が軍勢に加わり、加賀(賀を加えた)という話が元になっているという。
しかし、記紀にその話は全くなく、後付けである可能性が高い。
本像は、西南戦争の際、当地から軍が出ており、その戦勝記念碑なのだが、ヤマトタケルの西征の話から、ヤマトタケルの像が作られたのではないかとの説も。
因みに、本像は、日本最古の銅像なのだそうだ。
こちらも、解釈が解釈を呼び、いつの間にか、全く違うストーリーになっているのではないか。
そして、元の話がわからなくなっている。

そもそも天皇制は、藤原家支配、摂関家支配、武士の世界の時は、庶民から遠い存在で、江戸後期から、明治維新にかけて、急に、クローズアップされてきた。
そして、これらの記紀の解釈の変貌も、この時代に激しさを増したようなのだ。

今伝わる記紀の話を真に受けると、とんてもない勘違いをしていることになるかもしれない。

面白い本だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

CASIOPEA 3rd & INSPIRITS

2020年07月29日 | Music


CASIOPEA 3rd と INSPIRITSのジョイントコンサートのBD。
と言っても、両方とも野呂さんのグループだから野呂祭りと言っていい。

4010とあるのは、CASIOPEA40周年、INSPIRITS10周年のこと。
ついでに、野呂さんは、還暦イヤーだった。
節目のコンサートで、観客も大盛り上がり。
2018年12月24日の、六本木EX。

2つのグループのメンバーをいろいろ入れ替えての3時間。
特に、野呂さんと、神保さんは、両方に属しているから、出ずっぱり。
ボリュームも凄いが、演奏も充実。
序盤、野呂さんのギターがトラブって慌てる場面もあったが、総じてベストパフォーマンスを繰り広げた。
やはり、40年の歴史は、重い。
凄いドラマーが、特別ゲストと言っていたのが、野呂さんだったのには、笑った。
大真面目に、神保さんとの、ツインドラムをこなした。
息もぴったり。

野呂さんの、各メンバーへのインタビューが、得点映像についているが、野呂さんがインタビュアーだから、悪口を言うはずがない。
野呂さんを称賛する声が続くが、音楽にはストイック、人間的には、尊敬すべき人格者ということらしい。
曲は、ほとんど野呂さんが書き、メンバーが集合し、3テイクぐらいて仕上げるという。
あれだけの曲を、さっとこなすのは、メンバーの力量だ。

そう言えば、その後、ブルーノートに行った時、このBDを編集するのに、半年かかったと言っていた。
まさに、渾身の1枚。

神保さんの記事が、日経に連載されている。
野呂さんがいなければ、サラリーマンになるつもりだったとある。
人生、何が起こるかわからない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「中国の形成」

2020年07月28日 | Books



本書は、岩波新書の中国の歴史シリーズの完結編。
まだ、出たばかり。

めちゃ、面白かったし、勉強になった。

中国の歴史というと、壮大すぎて、つい興味のある古代の方(秦、漢、三国、隋、唐等)に目が行ってしまうのだが、本書は、清から現代につながる400年を、ポイントを絞って、一気に解説してくれる。

清というと、混乱の明の時代から、安定的な時代、特に国域では最大の時代が、到来したものと思っていたが、とんでもない。
明の混乱から、清による統一が完成するまで、かなりの時間がかかっているし、統一といっても、地域によって異なるいろんな形態での統治であり、かなり緩い、中央統治であった。
そのため、中華民族の比率がどんどん上がり、中央と、地方との絆はどんどん希薄になり、ふたたび混乱に陥る。
皇帝が実質支配できていたのは、中央のみで、その他は、秘密結社が支配する社会ができあがった。

タイミングが悪いことに、欧米が産業革命以降、急速に経済が発展したのに比して、中国は、相手を信用しない気質があり、資本が集中せず、産業化が進まず、国内は乱れ、各地域が、欧米と独自に交渉するようになり、それに歯止めをかけようとしたのが、西大后、李鴻章の時代だが、時すでに遅し。
日清戦争にも敗れ、国民党の時代、国共合作の時代(抗日戦争)、共産党の時代と、現代へ続く流れになる。
そして今の習近平は、過去の栄光を取り戻そうと、内部粛清を行った上で、過去の最大の国域を前提とした世界戦略を強引に推し進めようとしている。

本書は、最後に、そもそも中国とは何なのかを問う。
その時々で、支配民族も異なり、国域も異なり、時代時代で全く違う中国があった。
つまり、今の中国と、昔の中国は、別物であり、将来の中国も別物であるということ。
中国から様々な文化を受け継ぎ、特に漢字という、日本人にとって、もっとも重要なツールをいただきながら、その本家本元の真の姿がつかめない。
その状況は、過去も現在も変わっていない。

中国を知るには、まずこの5巻から初めてもいいのではと思わせるほどの、良書だと思うが。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビートルズと日本

2020年07月27日 | The Beatles



本書は、やはり先月出たばかり。
大村さんのビートルズシリーズ第三弾。
本書が出てから一度、ネットイベントがあったが、その前にも、数度トークイベントに参加している。
普段は、システム関係のお仕事とお聞きしたが、図書館に通い詰めて、集めた資料で、分厚い本を3冊も書かれた。
驚異としか言いようがない。

新聞、テレビと来て、今回は、週刊誌。
切りがないので、主要17誌(プレイボーイはまだなかった)の、1966年の記事に絞って徹底調査。
週刊誌のコピーと大村さんの解説が、並行して掲載されている。
記事の方は、かなり小さいが、虫眼鏡を使えばかろうじて読める大きさ。
解説だけでも、充分内容は、伝わる。

一言で、言って、抱腹絶倒。
今も昔も、週刊誌は、いい加減な記事が多いが、ビートルズという海外の得体の知れない何かを悪戦苦闘して記事にしていた様子がよくわかる。
基本的な間違いも多いが、妄想からの作り話的なものも多い。
警備員に記者が紛れこんでいて捕まった話は、本当らしいが。
ただ、その中に真実が隠れているのではないかと、買ってしまうのが週刊誌。
買わせてしまえば、こっちのものだ。
当時、写真に掲載されたファンはの取材もされていて、当時の空気のなまの声も。

まさに、来日騒動と呼ぶにふさわしいエピソードの数々。
大村さんならではの偉業に拍手。
もちろん、マニア向け。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする