本書は、新聞の書評で見つけた。
高評価かつ我々の生きてきた時代と一致する本だったので、即ゲット。
時代が重なるだけではなく、書き振りが我々世代にぴったり(著者はずっと年上だが)で、心底楽しく読めた。
渋谷陽一氏は、当時から音楽評論家として有名だったが、ロッキング・オンに様々な方が関わっていたことを初めて知ったし、その方々の献身的な情熱に、頭が下がった。
好きでやっていたと言ってしまえばそれまでだが、それをビジネスになるまで、徹底して取り組み、周りを巻き込んでいった様子もよくわかる。
今、このパワーはたぶん失われている。モバイルゲームなどの世界にあるかもしれないが、デジタルの世界で、人だけでの立ち上げは、難しい。
アングラと呼ばれる世界で、今は有名となった(当時はアングラ)人の様子も描かれる。いい時代だったというか、先が見通せない時代だったというか。
ただ、彼らの行動が今の日本に与えた影響は、大きいし、変えたと言ってもいいかもしれない。
特に、世代の近い我々世代は。
ビートルズ関係の著作も多い松村雄策氏が、ロッキングオン創刊時のメンバーであることも、初めて知った。
彼らの、がむしゃらな献身に拍手。