日本古代の歴史シリーズも第三巻まで来た。
大宝律令から、平城京に都があった時代を扱っている。
この時代の本は、何冊か読んだが、内容が正しいはともかく、続日本紀が残されているので、時系列的に出来事が追え、いわゆる歴史の時代が始まったと感じられる時代。
本書は、かなり網羅的かつオーソドックスかつ最新情報も交え、ひじょうに詳しいが、読みやすい内容になっている。
それにしても、この100年足らずの間によくこれだけのことが起こったなと驚く。1300年前のことだ。
当時日本のとして認識されいた北限は、宮城県多賀城あたり。南は、沖縄の北あたりと思われるという(沖縄は微妙)。北は蝦夷と呼ばれていた。夷は中国から来た蔑称と理解はしていたが、蝦は、ひげを生やした(海老のよう)という意味たという。
本書を読むと、ずっと蝦夷にはてこずっていたことがわかる。結局、鎌倉幕府成立までてこずったということか。
楽天も、最後まで、手こずらせなければ。
平城京の中も、天皇家と、貴族の間で、魑魅魍魎がうごめく陰謀の世界であった。まだ、天皇家が権力を握ってから日が浅く、まだ統治の方法、継承の仕方が、手さぐりだった。
そんな中で、唐の律令制度が、導入され、それなりにワークしたというのもまた凄いことだ。日本人の受容性の凄さと、原始的な権力争いが、共存していた時代だった。