今日は、大みそか。今年は、本当にたいへんな年になってしまったが、来年は、いい年であることを願いたい。
私にとっての今年のビッグイベントは、インド、ネパールの仏蹟巡りだったが、ぴったりの本を、AMAZONの検索で見つけた。
あの薬師寺の高田好胤さんが、インドに巡礼した時の記録。20年以上も前だが。
地図・写真満載で、佛蹟入門者にも楽しめる内容になっている。
発行は、1990年。バブルが最高潮の頃で、この巡礼に参加した人は、100人を越えたらしい。
インドの佛蹟各地で、法要を行われており、相当気合の入った旅であったことがわかる。
これまで、散々佛蹟関連の本は、読んできたので、そんなに新味はないが、やはり高田さんの本ということで、日本の仏教と佛蹟との関わり、玄奘さんの旅と佛蹟との関わりに関するところは、重みがある。学者と僧侶の違うところだ。
改めて、玄奘さんの偉大さに、感服してしまう。
玄奘さんと、空海さんがいなかったら、今の日本は、全く違う世の中になっていただろう。
コーサンビー、アラハンバードについての記述が、他書にはないところだが、特に、アラハンバードは、ちょうど12年に一度のヒンドゥ教の大祭にぶつかったということで、ヒンドゥ教ど真中の体験も書かれている。
写真群もすばらしい。サンカーシャなどは、様子が今とずいぶん違う。祇園精舎では、関西大学の網干博士が発掘中だったそうで、その時の様子も載っている。網干博士は、高松塚を発見した博士だそうだ。その発掘成果は、今は、祇園精舎内の遺跡の説明板に記されている。ルンビニに行く時は、ご一行もずいぶん苦労されたという。私の時もイミグレのストで、予定が狂ってしまったが。佛蹟巡りの鬼門である。
高田さんによる本ということと、バランスよく佛蹟について、触れられているということで、仏教に関心のある人には、幅広くお勧めできる。
来年は、いい年になりますように。