かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

インドの佛蹟 大唐西域記の旅

2011年12月31日 | Books


今日は、大みそか。今年は、本当にたいへんな年になってしまったが、来年は、いい年であることを願いたい。
私にとっての今年のビッグイベントは、インド、ネパールの仏蹟巡りだったが、ぴったりの本を、AMAZONの検索で見つけた。

あの薬師寺の高田好胤さんが、インドに巡礼した時の記録。20年以上も前だが。
地図・写真満載で、佛蹟入門者にも楽しめる内容になっている。

発行は、1990年。バブルが最高潮の頃で、この巡礼に参加した人は、100人を越えたらしい。
インドの佛蹟各地で、法要を行われており、相当気合の入った旅であったことがわかる。

これまで、散々佛蹟関連の本は、読んできたので、そんなに新味はないが、やはり高田さんの本ということで、日本の仏教と佛蹟との関わり、玄奘さんの旅と佛蹟との関わりに関するところは、重みがある。学者と僧侶の違うところだ。
改めて、玄奘さんの偉大さに、感服してしまう。
玄奘さんと、空海さんがいなかったら、今の日本は、全く違う世の中になっていただろう。

コーサンビー、アラハンバードについての記述が、他書にはないところだが、特に、アラハンバードは、ちょうど12年に一度のヒンドゥ教の大祭にぶつかったということで、ヒンドゥ教ど真中の体験も書かれている。

写真群もすばらしい。サンカーシャなどは、様子が今とずいぶん違う。祇園精舎では、関西大学の網干博士が発掘中だったそうで、その時の様子も載っている。網干博士は、高松塚を発見した博士だそうだ。その発掘成果は、今は、祇園精舎内の遺跡の説明板に記されている。ルンビニに行く時は、ご一行もずいぶん苦労されたという。私の時もイミグレのストで、予定が狂ってしまったが。佛蹟巡りの鬼門である。

高田さんによる本ということと、バランスよく佛蹟について、触れられているということで、仏教に関心のある人には、幅広くお勧めできる。

来年は、いい年になりますように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聖徳大使 七の暗号

2011年12月30日 | Books
今日も陽が出てる時は、まずまずだったが、陽が落ちると、急に、寒くなる。たいへんな年となってしまった今年も、残り2日となった。



本書は、2年前に出た本で、出てすぐ読んだから、もう結構前のことになる。
それから、本書に影響を受け、四天王寺に行ったり、諏訪大社に行ったり、朝護孫寺に行ったりもした。

聖徳太子が実在かどうかという議論があるが、今も定かではない。
ただ、本書を読んで改めて感じたのは、聖徳太子か、聖徳太子の名を借りた誰かが、今の日本の基礎を作り、日本への仏教浸透の基礎を作ったということだ。
今より、人口は、全然少なかったとは言え、何の通信手段もなかった当時に、これを成し遂げただけでも、凄いことだ。まさに、神業である。

本書は、それを、一つ一つ解き明かしていく書であり、推理小説としても、歴史ミステリーとしても、所縁の地区の観光案内としても、とても楽しめる本だと思う。

特に、信州、東北にも広がる、寺院、神社の地理的、歴史的考察は、興味深い。

例えば、物部守屋山に祀られた守屋を神道で鎮魂するのが諏訪大社で、仏教で鎮魂するのが善光寺であるとする。そして、その二つを結ぶ線上に、常楽寺の北向観音がぴたりと位置している。北向観音は、あの慈覚大師が創建したもので、善光寺の南向きと向き合っていることから命名されたものという。

善光寺本尊と飛鳥寺本尊、そして、後述する法隆寺本尊の共通の特徴は3つあるという。①一つの後輩に阿弥陀如来と脇待の勢至・観音菩薩が並んで立つ「一光三尊」のかたち。②阿弥陀如来が左手を下方にさげ、掌を前に向けた「施無畏印」で、第二、第三指を伸ばして他の指を折る「刀印」のかたちを持つ。③阿弥陀如来は、一般には、法衣は片方の肩にのみかかっているにもかかわらず、「通肩」といって、両肩に衣がかかっている。
②にある刀印は、中国のごく初期の仏像にも見られるもので、南朝、南梁あるいは、百済を経て、日本にもたらされたと考えられるという。

こんな感じで、興味深い説がたくさん披露されていて、それが、実在の寺社や、仏像に因むものであり、どこまで真実に近いは別にして、面白い本だった。
本書片手に、全国を行脚できだら、楽しいだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真理のことば・感興のことば

2011年12月29日 | Books

sun今日は、寒さも少し和らいで、過ごしやすい一日だった。大聡怩ノ精を出した人も多かったのではないか。
question2金正恩氏が、金正日氏の後継者になったが、どう見ても、長続きするとは思えない。昔、ロンドンで、ノーカット版で見たカリギュラを思い出した。



真理のことばは、ダンマパダと呼ばれ、法句経の名でも知られる。
感興のことばは、ウダーナヴァルガと呼ばれ、経というよりは、ふと口にした言葉を集めたものというところか。
ダンマパダは、パーリ語で書かれた経典の内、一番有名なもので、ダンマは法、パダは、言葉の意味。本書が出たのは、1978年になっているが、最初の翻訳がなされたのは、大正時代というから、相当前だ。

比較的読みやすく、内容も、聞いたことがあるものが多い。
ただ、この真理のことばにしても、パーリ語とそれを中国語に訳したもの、サンスクリット語と、それを中国語や、チベット語に訳したものといろいろあるそうで、それらを読み比べながら、本来の意味を探る努力を続けているのだそうだ。

もちろん、専門的な部分もあるが、この程度であれば、読んでみてもいいのではないか。
感興のことばは、教えというより、名言集といった方が近いかもしれない。わかりやすい言葉で書かれており、座右の銘にできるようなフレーズが満載である。



真理のことばについては、NHKでの番組が9月にあった。すごくやさしく秩序だてて教えてくれる番組だったが、元の本の方は、そんなには、まだ秩序だってはいない。

仏教の原点に触れてみたい人には、このレベルがいいのではないか。それでも、本格的に読もうとしたら、たいへんだけど。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブッダのことば

2011年12月28日 | Books



本書は、1984年が初版だが、カバーには、初訳より、26年とあるから、私が、生まれたころに訳された本らしい。
スッタニパータという、仏教のごく初期の仏典を訳したものだ。原始仏教と呼ばれている。
訳文は、いっそう読みやすくなりと書かれているが、やはり素人には難解。
本書の半分が注釈になっているが、いちいち注釈をめくっていたら、前に進まないので、とりあえず、ずっと通しで読んでみるのだが、散文的というか、ばらばらというか、詩的というか、まとまりがなく、全体像をつかむのは難しい。

五章構成だが、最初がいきなり蛇の章。それから、小なる章、大いなる章、八つの詩句の章、彼岸の道に至る章と続く五章からなる。
ただよく見ると、将来の仏典につながるフレーズも、散りばめられている。
先日の瀬戸内寂聴さんの話にも出てきた"犀の角のようにただ独り歩め”という言葉も出て来る。
注釈には、犀の角が一つしかないように、求道者は、他の人々からの毀誉褒貶にわずらわされることなく、ただひとりでも、自分の確信にしたがって、暮らすようにせよの意とある。

仏教が、最初は、そんなに秩序だったものでなく、散文的な教えの羅列から、時代を経て、整理されていったものであることがわかる。

同じく注釈には、経典の成立の略図がついている。

ゴータマブッダの説法
1、韻文または、簡潔な文句でまとめられた。
2、散文で説明された(アショカ王の時代)。
3、経典としてまとめられた。
4、三蔵(経・律・論)の成立。→5、現存パーリ語三蔵
4、三蔵(経・律・論)の成立。→5、サンスクリットに翻訳された→漢訳された。
4、三蔵(経・律・論)の成立。→6、大乗経典の成立→漢訳された。
4、三蔵(経・律・論)の成立。→6、大乗経典の成立→チベット訳された。

我々は、漢訳されたものから仏教を学んだのであるが、明治になって、他の語で伝えられた仏教に出会うことになった。実は、それは、我々が学んだ仏教よりも、古いものであった訳だ。

それがわかっただけでも、読んだ意味があったのかもしれないが、普通のレベルの人は、もう少し後の時代の、こなれたものを読むべきだろう。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

総天然色ウルトラQ 下巻

2011年12月27日 | Books


総天然色ウルトラQ(下巻)の、BDは、まだ発売されていないが、オフィシャル本の方は、一足早く発売された。
こちらも、なかなか充実した内容になっている。

個人的に言えば、何と言っても"カネゴン"。小学生の時の私のあだ名だった。このあだ名がいやで、先生に相談したところ、"キンテツ"というあだ名を先生につけてもらった。こちらの方が、先日亡くなられた西本監督率いる阪急と死闘を演じた、こちらも名将三原監督率いる近鉄バッファローズに因んだあだ名だった。まぁ、古き良き時代。先生と、生徒の関係も今とはずいぶん違っていた。

話がそれたが、それほど秀逸なキャラクターであったことは間違いない。デザインといい、その機能といい、カネゴンを生み出した風潮を風刺したストーリーといい。

その他にも、ラゴン、ケムール星人、パゴス等、すばらしい怪獣達が次々登場する。ただ、後半は、怪獣が出ず、心霊現象や、社会問題をテーマにした、硬派というか、子供にはちょっと難解な、時には怖い、不思議な番組に展開していった。
1/8計画は、人口急増対策だった。今は、人口減少が問題になっているから、8/1計画?
パゴスの色は、もっと派手でもよかった?ゴメスのように。
最終回の”あけてくれ!”など、まさに異色作。突如終わった感じだった。
怪獣作りに疲れ果てたか。怪獣作りが間に合わなくなったらしい。
いろいろチャチャをいれたくなるが、それも楽し。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする