本書は、本屋で見っけ。
日本の明治維新前の対外戦争に絞って分析、論評した本だ。
結構興味深いし、現代史に通じるところも多い。
そもそも、日本は侵略された歴史が少ない一方、侵略した歴史も多くはない。
もちろんWW2は別格だが、それ以前の話。
であるから、戦術や外交交渉など稚拙な対応がちぐはぐな行動につながっている。
特に、古代の朝鮮との抗争は、当時としては、規模も期間も相当なものだった。
ただ、同根だったこともあり、何の成果も挙げられていない。
荒らしまわって、何の成果も挙げられなかったどころか、負の成果を残した。
一方、平和ボケした平安時代の刀夷の話は、思い起こされることすらなくなってきている。
そして、元寇。
当時の鎌倉幕府の稚拙な対応は今も語られる。
本書は、長く準備されたものというが、武力を背景にした外交がいかに困難なものであるかを示してくれる。
たぶん、WW2以降、アメリカは、それを乗り越えたと思ったのかもしれない。
しかし、朝鮮半島、ベトナムで、それがワークしないことを体験した。
今の日朝関係の背景、そして、最近また台頭してきた、孤立主義とかブロック経済を考える上で、貴重な見方ではないかと思う。
まさに、温故知新。