かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

チベット密教の本

2011年03月31日 | Books


チベット仏教の聖地を多く訪れる機会を得て(チベット、ブータン、ダージリン、九寨溝など)、衝動買いした本。
ノウハウ本だと思って買ったのに、意外としっかりした本でびっくりした。
1994年初版というから、ずいぶん息の長い本になっているのだが、専門的な内容の中に、初心者にも入りこめる内容になっていて、その長寿の理由もわかる。

密教という名が示すように、この世界は、摩訶不思議。日本に伝えられた密教は、最澄、空海が学んで、整理されたこと、または、学んだ内容のみなので、まだどうにかなるが、チベットには、インドからダイレクトに様々な教えが流入したから、ごちゃごちゃだ。
本書がそれを整理してくれる訳ではない。聖地シャンバラ伝説や、チベット医学など、理解できる範囲を越えている。

それでも、最後に、チベット密教の歴史、4大宗派の特徴、曼荼羅の神々などをまとめてくれている。
次回、チベット文化圏に行く機会があったら、事前に、読み直したいと思った次第。

信じる信じない、いいとか悪いとかではなくて、これだけの壮大な世界を作り上げた人間の力(仏の力?)に、まず感嘆してしまう。
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ROCK DAYS

2011年03月30日 | Books


本書は、2007年に、邦訳が出た。マイケルランドンさんという、ローリングストーン誌の創刊編集者の著わした本。
1964年から1974年の、まさにロックがどっちに転ぶか、成長するかわからなかった時期に、様々なアーティストと接する機会を得た。今は、すっかり確固たる地位を得たROCKだが、当時は、Establishにとっては、異端な音楽だった。

たまたま、ビートルズが、最初に訪米したころ、駆け出しの記者としてデビューしたそうだ。最初の記事は、ビートルズをこき下ろす内容だったそうだが、その記事が、彼の生き方を決定づける。
うらやましいという人もいるだろうが、当時、ROCKがどうなるか、誰もわからなかった。

ビートルズを通してROCKと出会った縁で、それからROCK三昧の10年を過ごすことになった。
温白い逸話が披露される。
ミックは、ビートルズのラブミードゥを聴いて、自分もやれると思ったという。

1967年は、ビートルズ、ディラン、ストーンズが、コンサート活動を停止した時代。
当時、ROCKは、コンサートと不可分と思われたため、たいへんなことだった。確かにそうだったんだろう。

主観がもろに入っていることを前提に、ビートルズ、ストーンズ、WHO、ジャニス、ディラン、ジミーなど、ROCKの神様達の素顔が垣間見れる。

マニアックなROCKファンに、お勧め。
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百寺巡礼その10 四国・九州

2011年03月29日 | Books


百寺巡礼シリーズも最終回。表紙をずっと載せてきたので、お気づきの方もあろうが、文庫本ではあるが、カバーのデザインがきれいだ。
カバー装画は、”王朝継ぎ紙研究会”とある。昔のお経や、和歌を書いた紙がすばらしいデザインの和紙であることがある。和紙の文化も日本の大事な文化だ。

四国・九州のお寺というと、まず思い出すのが、お遍路さんで有名な四国八十八箇所。本書では、一番の霊山寺と、七十五番の善通寺が取り上げられている。
昔、善通寺の近くの金刀比羅宮にお参りしたことはあるのだが(階段がきつかったのと、○金マークの団扇を土産で買ったので、しっかり覚えている)、善通寺はたぶん行っていないと思う。

お遍路さんは、ブームが続いていると思う。一月ぐらいゆっくり休めたら、全部回れるのだろうか。計算では、一日3寺ぐらい回れば、完遂できることになるのだが。

善通寺は、唐から帰国した空海が、親の佐伯氏から寄進を受けた寺地に長安の青龍寺を模して建立したという。日本で初の真言宗のお寺ということになる。
ほとんどの堂宇は、焼けて、今の建物は、ほとんどが江戸時代のものとのこと。ただ、規模は相当のもの。奥殿は、空海が生まれたところに建つという。法然が四国に流されていたのも、この善通寺。あの有名な満濃池も、善通寺の近くにある。

高野山とともに、空海の匂いが濃密に漂う一帯なのだ。
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十字軍物語 2

2011年03月28日 | Books


十字軍物語の第二巻が出た。
面白い!
塩野七生が止まらない(東京ガスの宣伝の捩り)といった感じだ。

第一巻では、十字軍が、第一次遠征で、イェルサレムを解放したが、第二巻では、第二次遠征が失敗し、イスラムが、逆にイェルサレムを解放する物語。

ジハードというと、アルカイダのためによくないイメージがあるが、本書を読むと、どっちもどっち。いや、イスラムの方がまともではないかという印象さえ受ける。
イェルサレム奪回を果たした、サラディンの戦法によるところが大きい。言い過ぎかもしれないが、三国志の諸葛孔明みたいなところもある。イェルサレム解放後も、キリスト教徒の巡礼は、認めたという。
一方、キリスト教側の、やり方がひどすぎる。この時期、しっかりした指導者にも恵まれなかった。

この時期、テンプル騎士団、病院騎士団(聖ヨハネ騎士団)が、活躍する。イェルサレムを第一次十字軍が解放した後、イェルサレムへの巡礼者を守るのに活躍した。洋画を見ていると、時々テンプル騎士団が出てくるが、これがスタートだったのだ。イスラム教徒に対しては、かなり過激だったらしい。今のイスラムにおけるアルカイダのようなものか。テンプル騎士団は、そのほとんどがフランス人だっという。宗教感もあるが、お国の事情も大きく影響している。

最近の中東情勢の動きの中で、シリアのダマスカスがよく出るが、イスラム教徒にとって、バグダッドを建設するまでは、ダマスカスがイスラム世界の首都だった。サラディンが、1187年にジハードを宣言したのも、このダマスカスだ。

サラディンの前に、イスラム側のトップは、ヌラディン。戦略を練るために、地図を見ていた時に、地図に、覆いかぶさるように亡くなったという。歴史では、病死となっているが、塩野流解釈では憤死となる。サラディンの台頭に対する怒りによる憤死だ。
マキャベリは、成功するリーダーに必要な条件として、力量、幸運、時代が必要としている資質をあげているが、サラディンは、まさにその条件を満たしていた。

ハッシッシを吸う男たちも登場する。その時代に生まれたカネで動くイスラム系の暗殺集団だ。アサシンの語源になっている。テンプル騎士団が一度壊滅したそうだが、今でも消滅したことは実証できない。過去の話とは言い切れないのだ。

塩野さんファン、戦記もの好きの方に、強くお勧めできる。

今回のリビアへの空爆で、また十字軍発言が出たが、ヨーロッパに住んでいないと、わかりにくいのが正直本音だ。例えば、イラクの時あれだけ渋ったフランスは、今回は、積極的。十字軍の歴史、シーア、スンニの歴史などが、体でわかってないとなかなか理解できない。学がないと言ってしまえばそれまでだが。
アメリカが今回及び腰なのは、イラク、アフガンで、懲りているという単純な理由なのだろうが。中国が反対しているのは、リビアにお金をずいぶん注ぎ込んでしまっているのが理由だろうか。
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白州正子 神と仏、自然のへの祈り

2011年03月27日 | Culture・Arts


今日は、世田谷美術館で開かれている白州正子さんに因んだ展覧会に行ってきた。
白州さんに因んだという共通点はあるものの、多彩な展示で、とってもユニークな展示会になっている。
日本の文化、歴史、風俗、宗教を、白州さんが、偏見を持たずに、理屈を抜きにした直感的な感覚により、日本の美を追求した結果、このような多彩な展示になったのだろう。

白州さんが、行って、見て、本に著した絵、像、お面などと、その白州さんの書が並んで展示されていて、それらを見て、白州さんがどう感じたかがわかるようになっている。白州さんが、実際所有していたものも展示されている。

中には、見損なったと白州さんが書いている仏像などまで展示されていて、企画者の遊び心も感じられる。これだけ、自由な発想で、独自の感覚で、日本の美を追求した人も少ないのではないか。普段見る機会がない名もない仏像や、絵なども展示されていて、日本の美の奥深さを堪能できる。

図録も、一枚一枚が額に入れて飾れるような画集風になっていて、ユニーク。
日本の美を探求している人は、訪れてみてはいかが?



サボテンの成長が止まらない。添え木もないのに、すくすく伸びる。



花も節目節目に咲いているが、普通の花とは違うようで、そのメカニズムは不明。
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