kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

安西先生・・・2

2017-10-31 | 陸上競技
わけのわからないことを書いています。まー気にせず。

前任校の時に「グランドでは競技のことだけを考える」という話をしてきました。本当に強くなりたいのであれば練習の一つ一つに対して「どうすればいいか」を考える。与えられたメニューをどれだけやったとしても「明確な目的意識」がなければ大きな伸びにはつながらないと思っています。

初めてインターハイ選手を輩出した。この前の2年間は本当に本当に陸上競技が楽しくて楽しくて。選手自身が「本当に強くなりたい」と思う。こちらが求めることに対して必ずやり遂げようとする。練習中に涙を流しながら取り組むこともあった。泣いたから強くなるとは思いません。そこに対してどれだけの「想い」が存在するか。あの2年間、今でも忘れられない。本当に強くなりたくて・・・。それが見ている側にもわかる。当時は県外の先生方からも「tokushoにインターハイに行ってもらいたい」と言っていただけるレベルでした。それだけ注目されていたのもあったでしょうが。

そこから数年後、リレーでインターハイに出場した。この時は「強い」と思ってました。当時、小さなエースに「先生が前最高だと言っていた時と比べてどちらが強いですか?」と聞かれたことがありました。即答で「今」と答えました。本当に強かった。が、それは全員ではない。数人が強かったと思います。大きなエースと小さなエースが一緒にいる。それは全国的に見ても多くはなかった。12秒14と12秒17。が、それでもリレーでは48秒26かかる。遅すぎる。大きな「温度差」があったと思います。この時、当期練習を終える前に雰囲気的に最悪でした。「自分たちは一生懸命にやっているのに先生は認めてくれない」という雰囲気。その時に小さなエースは「みんな、本気でインターハイに行く気があるんですかね?」と言っていました。こういう感覚なのだと思います。

「強い」という意味ではこの時のほうが圧倒的でした。が、それは「競技力」という部分に関してです。スプリントは間違いなくこの時のほうが上。当時は12秒台で走る選手は一人もいなかったのでは?私自身が技術的な指導がきちんとできたいない部分があったかもしれませんが。それでも取り組みの姿勢に関しては段違いでした。何が何でも強くなる。その想いが練習に対する姿勢にすべて出ていた。小さなエースがいた時はそこまでではない。足りないことの方が多かった。今の私なら当時の選手たちにもっともっと適した練習内容を提供できていたのではないかと思います。選手の「想い」に十分こたえてあげることができなかった。

小さなエースは本当に強かった。3年間でこれだけ成長した選手を見たことはありません。他の場面では足りない部分があったかもしれない。それでもこの子は「リレーでインターハイに行きたい」という想いを誰よりも強く持っていた。だから自分が強くならないといけないと思う。リレーでインターハイ出場を決めた後、「100m出たくないんですけど・・・」というくらいのレベル。個人種目も大切にしていましたが彼女にとっての「リレーでインターハイ」というのは高校生活の大半をかけた「最高の目標」だったのです。普段の様子とは全く違う姿。その姿を保護者に見続けてもらえたのは私個人としては本当にうれしかったですね。

本気でやる。そんな中で「先生に認めてもらいたい」という感覚でやっている間は絶対に強くならない。自分のためにやるのだから。大きなエースは当時まだ精神的に幼かった。レースで小さなエースに負けそうになった時に明らかに力を抜く。「勝ちたい」という気持ちはあったと思いますが、「負ける」ことから逃げていた。そうではない。その後、二人で織田記念に行くために二人きりで何日か練習をしました。取り組みの姿勢を含めて。結果、復活。最後は「自分自身がどうするか」だと改めて感じました。別に私が云々ではない。本人が「勝ちたい」という想いをもって本気になるかどうかです。

安西先生・・・。バスケがしたいです・・・。この言葉には様々な感情が含まていていると思います。私自身、「陸上競技がしたいです」と強く思います。心の底から訴えかけるほど強い「想い」です。それが存在するかどうかによって人生自体は大きく変わってくる。漫画の中の話です。が、これほど他者に訴えかけるものはない。

大きなエース、大学に進学して故障をして苦しんでいました。先日、本人から「12秒14が出ました」という報告がありました。高校ベストに並んだのです。苦しい時間を乗り越えてそれでも諦めず努力し続けてきた。昨年話した時には部屋に国体のユニフォームを飾っていると言っていました。もう一度、県代表として走りたいからその気持ちを忘れないようにしたい、と。こういう姿勢で取り組んでいければきっと強くなると思います。怪我をした時には絶望感もあったでしょう。それを乗り越えながらやってきた。だから今がある。

陸上競技がしたい。本当にそう思います。心から・・・。
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安西先生・・・

2017-10-31 | 陸上競技
更新滞りました。そこまでのエネルギーが自分の中に残っていませんでした。「陸上競技と関わる意味」を考えさせられていました。それぞれの人に立場がありモノの見方がある。だからこそ誰が正しくて誰が間違っているというのは言い切れないと思っています。ただ、「自分が何をしたいのか」という話だけなのかなと。

タイトル。まったく意味が分からない人も多くいると思います。ここ最近自分の中にずっとあった言葉。安西先生・・・。スラムダンクに出てくるバスケ部の指導者です。「安西先生・・・、バスケがしたいです・・・」と三井が涙を流しながら安西先生に訴えかける。この場面、色々と感じる部分がります。この場面だけではなくその背景に何があるのか。そこに至るまでの紆余曲折。中学時代のスーパースターが高校に入り怪我をしてしまい挫折する。それによりバスケ自体から距離を置くようになる。
全く違う世界で生きている。そこには「空虚感」を埋めようとしてもがく姿がある。最後に「自分の本当の想い」を口にする。そんな場面です。

心から「何がしたいのか」と考える。色々なことがある。それで何をするのか。ここは大きいと思います。別のことをやるというのも一つの手段。三井は「本当にやりたいこと」から目を背けるために非行行為に走る。一生懸命にバスケをやっている選手たちに対して「まぶしさ」を感じていたのかもしれません。本当は自分もやりたいのにできない。一歩踏み出せばできるのにその一歩が踏み出せない。

私ここ最近、自分自身の中で「陸上競技がしたい」とずっとずっと思っていました。自分が走ることはできない。が、目標に向かって一生懸命になる選手の後押しをしたい。それが「意味」だと考えてこれまで10年以上競技指導に携わってきました。が、本当の意味での「陸上競技がしたい」とは離れた中でやっている自分がいました。その葛藤。本当に「強くなりたい」と願う選手に出会う。これは稀なことなのかもしれません。それでも何人も出会ってきた。ありがたいことだと思います。

陸上競技はシンプルです。しっかりと目標を明確にして練習を積み重ねていくことで結果が出ます。出ないこともありますがそこに至るまでのプロセスの中で「得るモノ」が数えきれないくらいある。もちろん、普通にやっていても記録はそれなりに伸びていきます。運動をしていない者が練習をすれば体力が上がる。そうなれば結果的に記録は出るようになる。それは「本気で取り組む」かどうかではない。体力的に向上するのです。その「伸び幅」がどうなるかは最終的には「取り組み方」だと思っています。

書いていたらあまりにも長くなったので記事をかえます。興味のある方がどれだけいるのか分かりませんが・・・。
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