kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体~女子マイル~

2013-06-05 | 陸上競技
男子のマイルとは全く逆の選択をしたのが女子のマイルです。女子マイル、出場することを止めました。これにはかなり多くの理由があります。

昨年の県体で女子のマイルが4分8秒で走りました。この時点で「インターハイまで狙える可能性があるのかも」という話になっていました。うちには200mに出場する選手が2人いました。その当時2人にはマイルと200m、どちらも狙う可能性があるという話はしていました。そのため少しだけマイルを意識した練習を冬期の間には取り入れていました(少しだけですが)。本当に力がついてきた選手であれば間違いなく400mを走れます。200mを中心とする選手であれば尚更です。

冬期練習中、短長を中心としている3年生女子の調子が上がりません。こちらが求めていることとは違う行動が多くありました。一人は「追込み練習が怖い」と常に口にしていました。そのためスピードが上がってきているにもかかわらず長い距離(150mくらいですが)の最初から突っ込むことができません。走るだけの練習になっていました。素直で本当に良い選手なのですがこういう部分の「弱さ」がありました。スピード的には62秒を切ってもおかしくないと思うレベルまできているのですがその走りができません。もう一人はハードルを中心にしている選手ですがこちらは自己コントロールがなかなかできない。悪気はないのですが色々とありました。そのためレース後半での失速が大きい。ここを克服できない限りはマイルで戦うのは厳しいと思っていました。

実際にシーズンに入り支部大会で1人が400mで68秒かかりました。この時点で「マイルに力を入れる必要があるのか」という考えに至りました。1人68秒で走れば他の者が全員60秒で走っても4分8秒です。厳しい。このタイムでは中国大会にすらいけないであろうと考えていました。支部大会でこの選手をマイルから外して1年生を投入。これが最後の「賭け」でした。1年生に賭けたのではなく3年生に今自分が置かれている状況を突きつける必要があると考えたからです。「このままではまずい」という鬼気迫る気持ちになってもらわないといけません。そうでなければマイルで中国を狙う意味はなくなってしまいます。

他校の先生方からは「女子のマイルに出るか?」と春先から何度も聞かれていました。中国大会出場を考えるとやはり気になる部分なのだと思います。普通に出場すれば中国大会までは進める可能性があります。6チームしか進めない中国です。この中途半端な状況で中国に出るというのは真剣に中国を狙っているチームにも失礼な部分があります。選手を中国大会に連れて行くためだけのマイルというのはやはり私としては・・・。気持ちの入ったレースができるようでなければ戦えないと考えていました。

同時にこのレベルで負担をかけると上の大会が狙える選手が可能性を失ってしまうという危険性もありました。特に200mではインターハイが狙える力があります。その部分で大きな負担をかけて3日目の200mに影響を及ぼすのはどうか?これまではマイル最優先で200mを棄権してきました。これは「200mでは勝負できない」というのが明らかだったからです。200mに出ても中国で終わり。マイルでインターハイを狙うのであれば3日目の200mは大きな負担になります。その部分を考えて200mの棄権を選択していました。

マイルを捨てるという選択肢、最後まで悩みました。3年生の気迫に賭けていたからです。最後は私の判断で欠場を決めました。4継で勝負というのを最大限に掲げたからです。これに関しては3年生の選手は不満があったかもしれません。この状態であればマイルは出場するだけで終わり。「中国大会出場」を最大目標にマイルを組むのであれば問題はないと思いますが、この状態では中国大会に出場したとしても予選で終わり。そういうチーム状況であれば出ます。県総体だけのことを考えれば出場することも選択できますが「想い」の部分の一致がなければここで出場することはチームにとってプラスになるとは考えられませんでした。

ここには詳しくは書きませんがそれ以外にも「雰囲気」の部分でもマイルを組む意味を考えさせられていました。男子のマイル出場とは違う部分です。もっと「一つのことに向けて」という雰囲気があれば無理をして出場する意味はあったと思います。

総合的な判断としてのマイル欠場でした。支部大会の時から投げかけてきての結果です。

4継で失敗をして3年生を中国に連れて行く手段がなくなりました。気持ちが入った走りができて大きく変わる可能性もあると思っていましたが、4継の2走の今後のことを考えるとここはマイルではなく200m。そう判断しました。厳しい選択だと思います。それでもやるしかないと思っています。選手に恨まれるかもしれませんがそこは決断だと思います。

ここは批判覚悟です。それでも「チーム」としてどこを生かすかということは考えないといけません。その判断が200mにつながったと考えています。チームの今後のためには必要不可欠な部分だと。

また書きます。
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県総体~マイル~

2013-06-05 | 陸上競技
今回の県総体、マイルへの出場は男子のみとしていました。これは1週間前に女子には伝えています。色々と思うとことがあるので。

男子のマイル、中国大会を狙っていました。理由はただ一つ、3年生の男子を中国大会の舞台で走らせてあげたいという想いからです。これは私からの話ではなく選手からの話でした。この冬、総体3日目の種目をどうするか考えていました。男子は200mと800mがあります。この種目を考えるかどうかという部分でした。しかし、選手の中から「マイルで中国大会に行きたい」という話が出てきました。個人で中国大会に進む可能性の高い3年生が2人いました。しかし、もう一人は個人での中国進出は厳しい。その中でどうすればいいか?ここが最大の課題でした。

4継で出場したとしてもこの3年生が走ることはないと思います。しかし、マイルであれば必ず走ることができる。そこで選手から「マイルで中国大会に行きたい」という話が出てきたのです。この申し出があった時本当に嬉しく思いました。一緒に練習してきた仲間のためにリレーで中国へ。この想いを大切にしたいと思いました。それなりに練習をしていたというレベルの選手であればこのような話の流れにはならないと思います。

この3年生、高校に入ってから陸上を始めました。姉がうちの陸上部で競技をしていたという影響も強くあったと思います。中学時代は駅伝に駆り出されて走っていたのですが、短い距離は苦手。その中でうちに入部してきました。当初400mに出場したら60秒以上かかりました。初めてのレースは姉のタイムに勝てていなかったと思います。それでも絶対に手を抜くことなく全力で練習に取り組んできました。補強にしても誰よりも一生懸命にやる。練習中やそれ以外の時間でも周りに気を配る。選手としての努力と人としての気配り両方ができる選手でした。それを近くで3年間見てきた仲間が「一緒に中国で走りたい」と考えている。この想いが本当に嬉しかったですね。

マイルの予選は通過。2日目の準決勝が本当の勝負でした。予選のタイムからすればかなり厳しい状況。3分31秒後半かかっていて30秒切りをしているチームが複数ありました。それでも「狙いたい」という気持ちは変わりません。厳しくてもみんなで一緒に狙う。それはその選手を「走らせたい」という想いからです。レースは1走の1年生がまずまずの位置で持ってきてくれました。その後、2走の400mで中国に進んだ選手が前との差を大きく詰めてくれました。この選手は誰よりも一緒にもう一人の3年生と一緒に練習をしてきました。だからこそ気持ちの入った走りができたのだと思います。大きく差を詰めました。3走は短距離エース。100mと幅が中心なので長い距離は一切走っていません。通常であれば400mのための練習を少しはするものだと思いますが全くです。それでも前半から全力で行きました。2走が詰めてくれていたのでそのままトップへ。正直涙が出ました。役員の仕事をしなければいけないのですが、一緒んそれを忘れてしまうくらいその部分に集中していました。3走が終了の時点でトップ。本当にすごいことです。これは「一緒に練習してきた仲間のために」という想いがあったのだと思います。

4走は3年生。走力的には落ちます。それは最初から分かっていたこと。ここで簡単に逃げれるとは思っていません。他のチームはエースがいます。その中で勝負をするのですから簡単なことではないのです。それでも決して気持ちでは負けていなかったと思います。簡単に先頭を譲ることなく粘り続けました。前半は間違いなくオーバースピードでしょう。持ちタイムとしても5秒以上違うのですから。それでもみんながつないできたバトンを最後まで持って帰るという強い気持ちがありました。この走りも今までで一番だったと思います。結果的に組の5位、3分29秒で決勝には進めず。この時点で「中国へ」という目標は終わりました。

走り終わった選手、2走は倒れこんで涙していました。それほどの「想い」があったのだと思います。うちの男子がそこまで感情を露わにするという事はありません。比較的おとなしい選手たちですから。それでも今回のマイルに賭ける「想い」というのはそれほど大きなものだったと思います。私も涙しました。

「結果」が全てです。行けなかったという事実は変わりません。しかし、「内面の変化」が大きかったというのはこのマイルで良くわかりました。本当に一生懸命に取り組んできたからこその涙でした。私自身、このような選手たちと一緒に競技ができていることを本当に嬉しく感じました。だからこそ自分自身の「力不足」がもどかしい。なんとかできればと思う部分が大きくありました。良いレースを見させてもらえました。心より感謝したいですね。

もうしばらく書きます。お許しを。
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