kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

「生」と「死」について

2010-07-01 | 陸上競技
職場の同僚の身内が亡くなられました。葬儀には参列できないのでお通夜に行ってきました。いつもですが、人の「死」に触れることで様々なことを考えます。

生きている人間には必ず「死」が訪れます。その時期が早いか遅いかは別にして「生」を受けた者は全て「死」を迎える。古来から「死」というものをどのように受け入れるかというのはとても難しい問題です。「死」について考えるから、「恐れ」が生まれ宗教が誕生する。心のよりどころを作るために宗教にすがる。「死」を経験した人間がいないからこそ、「未知なるものへの恐怖」が生まれる。「死」を迎えそのことをきちんと報告することができる人間はいないのです。当然ですが。

人は「生」を受けているときにはそれが永遠に続くと勘違いします。時間を浪費してもとくに何も感じない。一生懸命生きても、だらだら生きても同じ「生」です。「生」を感じながら生きているという人間はそれほど多くないのではないでしょうか。大切にしなければいけない部分ですがほとんどの者がそこを意識することはありません。高校生はエネルギーが溢れていますから、「刹那的」な考えで行動します。「その瞬間が楽しければいい」という感じが強くあります。だから苦しいことをしたり、精一杯の努力をするのを避ける。そこまでしなくても「一瞬」が楽しいのですから問題はないのです。これまで高校生と関わってきて強く感じる部分です。
注意を受けても「何が悪いのか分からない」という子も多くいます。別に今問題はないから関係ない、自分がやりたいようにやって何が悪いのか?という意識が強い気がします。周りに迷惑をかけても自分が良ければそれで良い。本当はそこまで考えていないから、目の前に「楽しい」「面白い」があればすぐに飛びつく。先のことを考えていないからだと思います。授業中に携帯を使う、他のことをするというのは自分が本当にやるべき事を放棄して一時的な「楽しさ」を優先しているのです。その問題性には全く気がつかないのです。

部活動を一生懸命にやるというのは本当に一部になってきているのかもしれません。与えられた「生」を精一杯生きるという感覚はない。競技をするのではなく「サークル」的な活動に楽しさを感じる部分が大きいのだと思います。しかし、「生」を感じるためには「死」に触れる必要がある。最後を意識するからこそそれまでのプロセスが意味を持つのです。一瞬一瞬を大切にする感覚、自分の行動が周りに与える影響をしっかりと自覚し「今」やるべきことを全力で取り組むことを教えていくことが「今」私がやるべき事だと考えています。簡単なことではありません。上述の通り、ほとんどの者が「生」を意識しませんから、「今」やらなければいけないというのを理解できません。周りが遊んでいたら自分も遊ばないと「損」をした気分になるのです。本当に「損」をするのはどちらなのかは考えられないのです。「精一杯やる」経験をする、上手くいかずに挫折しそこからどのようにして立ち直るかを経験することで将来的に必ず「力」になります。生きているからこそ「苦しみ」があり「悲しさ」がある。そこから目をそらして何かをするというのは不可能なのです。今の高校生はそこを避ける傾向がある。これでは将来的に「苦しさ」「悲しさ」を経験したときに現実を受け入れられずに逃げてしまう危険性がある。だから目の前のことをしっかりと全力でやっていく必要があるのです。

「死」を迎えるともう何もできません。「想い」も消えてしまうのかもしれません。未知数の部分ですから私がその部分について書くことはできません。経験していませんから。でも、生きている時のことなら様々なことができます。「死」について考えることで自分が「生」を受けていることを感じられる。だからこそ「今」やるのです。人に嫌われようと「ダメなものはダメ」だときちんと伝えられる人間にならなければいけない。そう感じています。

誰にでも平等に与えられている「生」。その時間は長い・短いがあるかもしれませんが、生きている間に何をするかでその人の「価値」が決まってくると思います。価値観はざまざまです。刹那的な生き方をすることに「価値」を感じる人もいるのかもしれません。しかし、限られた時間をどのように使うか?生きている間にできることを全力でやるしかないのです。そう思います。私は私にできることを全力でやる。一人でも多くの高校生に「生」を感じてもらいたいと思います。将来のための投資の必要性を理解させていきたいですね。

堅い内容になりました。お許しを。
コメント
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