医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

かすれる存在

2024-07-12 04:07:26 | 薬局
「CM2の後で」と言うことで鬼が笑う話だ。

前回に続き薬機法改正の元になる厚生科学審議会での内容はまだ2つある。
1つは「医薬品の販売区分及び販売方法の見直し」である。
ここには4つの検討課題が出されている。

先ずは「零売」に関する規制である。
「医療用医薬品は、医師の診断を経て」となっており、「処方箋医薬品以外の医療用医薬品についても処方箋に基づく販売が原則」としている。
どうも納得がいかない。
それならなぜ「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」の区分があるのか。
この背景は語られていない。
そして、この件に関して当事者の薬剤師組織団体は認めていいのだろうか。
そもそも「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」とは医師の診断を必要としないことが前提じゃないだろうか。
医師が診断して処方箋を発行せず口頭で処方を指示することなどない。
処方箋を伴わない医療用医薬品はどうやって患者の手に届くのか。

ここに「やむを得ない場合のみ」薬局における販売を認めるとしている。
この「やむを得ない場合」があり得ない。
事例として、処方されている薬が不測の事態で手元にない。
“災害か“
「社会情勢の影響による物流の停滞・混乱や疾病の流行拡大」などでは薬局での零売が認められるようだ。
この場合は誰がGOサインを出すのだろうか。
まぁいいけど。
と言うことで基本的に零売は”近くて遠い存在になりにけり”である。

次は要指導医薬品の販売方法についてだ。
要指導医薬品はスイッチOTC化されて3年経過で一般用医薬品に移行される。
一般用医薬品に移行されるとインターネット販売が可能となる。
それを踏まえて要指導医薬品であっても薬剤師の判断で、オンライン服薬指導による情報提供での販売を認める。
そうなると要指導医薬品自体の意味合いが無くなる。
さらに、3年経過後であっても適正使用の観点から要指導医薬品に留めることが出来る。
何を考えているのか意味不明だ。
要指導医薬品とは何なんだ。

時代は大きく変わろうとしている。
OTC医薬品が気軽に求めやすくなってきた。
べらぼうに高価なのに。
医薬品販売への薬剤師の関わりも従来よりも弱くなりつつあるような気がする。
薬剤師の裁量で販売できる零売が実質上無くなり、誰だか本物かどうかの確認も出来ない中でのオンライン販売が拡大する。

私が憧れていた薬剤師の姿がかすれてきた気がする。

さらに「CM3の後で」もある。
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