知ってか知らずか瑕疵担保責任はあるのか。
「瑕疵(かし)」とは、キズ、欠陥、不具合のこと。
売買契約時点で売主がその事実を知らず、通常の注意では発見できなかった瑕疵のことに対する責任である。
ある記事によると、5年ほど前にM&Aした会社に薬歴の未記載があったようだ。
その当時に勤務していた薬剤師から情報誌にリークがあったらしい。
情報誌が現開設者に問い合わせると、どうやら事実を認めたようだが、その時点の薬歴は紙で倉庫管理会社に保管され、すでに溶解処理済みで証拠は残っていない。
薬歴の保管義務は基本的に3年に基づくものである。
でも、最終記入から3年じゃないかと思う。
とりあえず真実は水に流された。
M&Aされた会社が薬歴に未記載があったかどうかが「瑕疵」になりそうだ。
しかし、証拠は何もない。
当時の薬剤師の懺悔だけである。
この真偽は、今ではわからない。
実は、薬歴の未記載については他でも聞こえてくる。
ある会社では2ヶ月分の薬歴が未記載だと社長が困っていた。
また、ある会社でも薬歴に未記載があり、その処理ができないために第三者に会社ごと売却してしまった。
廃業には追求が来ないとの目論見である。
他にも大なり小なり薬歴の未記載は現実問題としてありそうだ。
心当たりがある経営者は早急に対応して欲しい。
薬歴の未記載問題が発覚すると、レセコンメーカーに未記載薬歴を検索できるシステムがないかと問い合わせが多くなるそうだ。
何とも困った事態である。
さて、問題は、どうも薬歴が調剤薬局にとって不正請求の温床になりうるってことである。
「薬剤服用歴管理指導料」はほぼ全処方箋で算定されている。
薬局経営にとっては大きな存在である。
健康保険連合会が昨年の8月23日に出した「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」に書かれている「薬剤服用歴管理指導料は全処方箋の98%にルーチン的に算定されており、同指導が算定されている処方箋の24%は、処方薬が1剤のみだった」としている。
不要な薬歴算定があるのではないかと疑問を投げかけている。
医薬品医療機器等法が改正になり9月から服薬期間中のフォローが義務化される。
これは薬剤師法でも義務化となる。
服薬期間中のフォローを行うために必要なのが薬歴である。
その薬歴への記載も義務となる。
義務には報酬がつかない。
やって当たり前である。
これだけ不正が発覚すると報酬のお召し上げも無きにしも非ずである。
ただ激変緩和の観点から調剤基本料と一緒になる包括からかもしれない。
お盆だけにちょっと背筋が冷たくなる。
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