医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

ターゲット

2016-07-31 05:01:53 | 薬局
着実に迫ってきている。

経済財政運営と改革の基本方針を「骨太の方針」と呼んでいる。
ここに書かれたことが着実に実現されてきつつある。
既に、いろいろ紹介してきたが、あまり触れていなかった部分が表に出始めてきたので注意が必要だ。
先ずは、2014年に「薬価調査、更には薬価改定が2年に1度となっている現状の下では、医薬品の取引価格が下落しているにもかかわらず、保険からの償還価格が一定期間据え置かれている」と示されている。
要は、医療費を抑制するために薬価を毎年実勢価格に基づき引き下げると言うものだ。
これに関しては製薬メーカーが大反対の姿勢で臨んでいた。
今年は通常の薬価改定の年だった。
来年は、本来なら消費増税の関係で薬価が引き下げられるはずだった。
そして再来年は通常改定と3年連続の薬価改定の予定だった。
これを境に毎年改定が現実化していた。
取りあえず消費増税が延期になり、2017年度の改定は流れてしまった。

しかし薬価の引き下げは医療費抑制の切り札だ。
「骨太の方針」を見せけだけでは終わらせない。
先ずは、高額な薬から始めるようだ。
27日の中医協ではがんに有効な「オプジーボ」と高脂血症薬の「レパーサ」がターゲットにあげられた。
ここから2年に1度の薬価改定の原則が見直される。

また、これを後押しするように、今年の「骨太の方針」にも「革新的医薬品等の使用の適正化推進」として盛り込まれていた。
使用することで高額な薬剤費がかかる薬には適正使用に向けたガイドラインを作る。
この適正使用とは何であろうか。
中医協でいろいろ難しい審議がされているようだが、既に閣議決定した「骨太の方針」に沿って動いている。

まだあまり機能していないが、4月からは「患者申出療養」もスタートしている。
厚生労働省からは「患者申出療養は、困難な病気と闘う患者の思いに応えるため、先進的な医療について、患者の申出を起点とし、安全性・有効性等を確認しつつ、身近な医療機関で迅速に受けられるようにするものです」とある。
これは苦肉の策である。
保険収載してしまうと「オプジーボ」と同じことになりかねない。
取りあえずオプジーボは国内製薬メーカーだから優先的に保険適用を認めて、他の海外で有用性が認められている薬は患者の自己負担で賄うって感じだ。
医薬品産業は国策である。

さて、これからますます高額な医薬品が薬価に収載される。
これは命に係わるのでだれも反対はしない。
しかし、それを賄う財源には限りがあり、既に枯渇状態に近い。
そうなるとどこかを削減するしかない。
削減するのは医療への貢献度が低い報酬となる。

今あなたがやっている行為は医療に貢献していますか。
もし貢献度が低いとなると、2018年度の診療報酬改定はそこが狙われる。

これから東京に戻る。
そして、7月も今日で終わる。
早い!




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2 コメント

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Unknown (ぱんや)
2016-07-31 11:35:31
復調されたようで、何よりです。
オプジーボは安全性の為の検討が優先のはずが、何だか、次回以降は中医協の薬価部会で協議する。
という事を見ると、薬価削減する前提で話が進むんでしょうね。
医師会さんは、薬価を削減した予算が診療報酬の技術点に置き換わる仕組みを保持しないと、
改定ごとの技術点が目減りすると危惧していますね。
薬剤師会も、今の議論の対象のオプジーボやレパーサが薬局で使う薬ではないからと静観していると
自分たちの報酬予算の割り当てがない。
ってことにならないですかね。
返信する
奪われる (駒形和哉)
2016-08-01 05:18:41
医療費の総枠は決まっています。
外来ではないからと言って“対岸の火事”ではありません。
同じ器の中の出来事です。
調剤報酬が医療に貢献しているというエビデンスを示さない限り、抑制のターゲットです。
国は「かかりつけ薬剤師指導料」の効果の「見える化」を望んでいます。
早急に、対応できるエビデンスをデーターとして示したいですね。

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