医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

はりぼて

2013-05-23 06:21:38 | 薬局
とりあえずの結果が出てきた。

2012年度の国内医療用医薬品市場(薬価ベース)は、前年度比0.3%増の9兆5,601億円でほぼ横ばい状態で推移している。(IMSジャパン)
気になる製品別売上ランキングではブロプレス(-11.5%)で1位、ディオバン(-11.2%)が2位、プラビックス(15.9%)、アリセプト(-30.9%)と続く。
それにしても売り上げ減にもかかわらず上位を維持できている事が凄い。
裏を返すと画期的な新製品がないと言うことなのか。

こんな低迷状態にもかかわらず、大手医薬品4社の売上は2%ほどのアップで終わっている。
全体が0.3%に比べて2%前後の伸びは、ますます大手4社への寡占化が進んでいると見える。
何と言っても売上規模が大きいので大手4社合計の2%は1,650億円にもなる。
これだけの売上があると大手10社の仲間入りをしそうだ。
で、この営業利益であるが約1%とかなり寂しい結果となっている。
頑張っているのは東邦HDが1.39%で、苦戦しているのがスズケンの0.6%となっている。
事業は適正利益の確保が大切だ。
価格だけの商売からの脱却を考えると…偉い!
さらに驚くのは次期通期売上予想が出ているが、いずれも売上を3.5~4.0%アップを掲げている。
ますます全国4社体制が浮き彫りになりそうだ。
他も頑張って欲しい。
ただし、皆と同じ戦略では鉄砲玉が多い方が勝つ。
時代に合った戦略が大切になる。
どうもどこも相変わらずの営業パターンが変わらない。
売れる仕組みのマーケティングが見えてこない。
必要とあればお声をかけて欲しい。

さて、この対極にあるのが大手調剤薬局だ。
こちらの売上は相変わらず好調で6~12%程度のアップで推移している。
この時代にこの増加率は素晴らしい。
にもかかわらず、営業利益は大幅に下がっている。
中には30%近い下げ幅もある。
この仕掛けには価格の未妥結がある。

このままでは薬価調査も信憑性が無くなる。
もちろん調剤報酬に影響する医療経済実態調査もゆがんでしまう。
この事態をどう解決するのか。まさに異常だ!

また、大手調剤チェーンの今期予想は、前期の負け分を取り戻すかのように、大幅な利益予想を立てている。
前期の医薬品の価格未妥結が良い状態で決着し、その分が利益に上乗せになると予想してのことだろうか。
いつものことだが“そうは問屋は卸しちゃう”なのか。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いい商品・サービスが売れるわけではない (小林久人)
2013-05-23 13:34:50
売り方=マーケティングが必要な時代だ。と最近学びました。
もの・サービスが氾濫している今、まさにそういった売り方を学ぶ・取り入れることが重要になってきているのですね。
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異業界に学ぶ (山猿)
2013-05-23 14:38:10
各業界(医薬卸・食品卸・家電小売・その他もろもろ)の寡占化が進む中にあって、調剤薬局はNO1でも2%占有、ABC分析でフラットなパレードを描きますね。義歯ラボが同じような状況でNO1が1%の占有です。
徐々に跡継ぎの無い先のキャピタルゲインを求めてのオセロゲームが始まると私は予測しています。
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何でも (駒形和哉)
2013-05-24 05:56:53
集中化、集約化する事は望みません。
小さくても存在感がある仕事にしたいですね。
個がチャレンジ出来るチャンスがある世の中がワクワク、ドキドキさせます。
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全くもって (小林久人)
2013-05-24 07:19:14
同感です!
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