医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

真犯人は石か?

2024-05-16 04:55:28 | 薬局
自分たちのやり方のまずさを棚に上げて、人のせいにして欲しくはない。

あるメディアに財務省の社会保障に関する担当者がインタビューに応じていた。
それによるとセルフメディケーションの推進は「薬局・薬剤師の果たす役割は大きい」としている。
その前に国が出来る仕組みの見直しがあるだろう。

4月16日に開催されて財政制度等審議会・財政制度分科会において、財務省から日本の外来薬剤費や外来受診回数が諸外国と比べて高い水準にあるとの意見があった。
これを踏まえてスイッチOTC化を進めてセルフメディケーションを推進する余地がある。
そこに薬局・薬剤師の果たす役割が大きいとしている。
その理屈はよくわかる。
問題は、そうならない医療制度の仕組みにあるのではないだろうか。
薬局・薬剤師がセルフメディケーションの担い手になりたくてもなれない現実がある。
それは医師への忖度の何ものでもない。

そもそも外来薬剤費の高い水準は薬の使い過ぎによる。
日本の医療は足し算で、患者の訴えに応じて薬が増える。
薬が増えることに対するリスクをあまり考えていない。
それを阻止する役割が薬剤師であるが、“処方箋ちょうだい薬局”としては余計なことは言わない仕組みになっている。
後発医薬品の使用についても医師の裁量が優先される。
10月から導入される「選定療養」においても、医師が後発医薬品使用に支障があると判断すると先発医薬品でも保険適用となる。
その支障の根拠は明確ではない。

外来受診回数の高水準でも、診療所では患者の状態が安定していても長期処方を出さない。
長期処方にすると患者の受診回数が減り収入も減るからだ。
いくら待ってもリフィル処方箋など出るわけがない。
長期処方にしない理由に「患者の状態が気になる」などとあるが、リフィル処方箋には2回目、3回目に投薬時に服薬状況を確認して「服薬情報等提供料」として報告する。
これで十分じゃないかと思うが、診療所のお金が絡むとそうはいかない。
ここも薬剤師の報告がないなどとなってしまう。
ある病院の調査ではリフィル処方箋に対するトレーシングレポートの受取率が32.9%とあった。
これでは何を言われても薬剤師の負けになる。

そもそもスイッチOTC薬の価格が高すぎる。
これも医師会への忖度があるのではないだろうか。
あまり安く提供すると受診抑制になるので、ある程度の価格を維持させているような気がする。
いつも思うが零売でもいいじゃないか。

最近の審議会や検討会では薬局・薬剤師のいい話がない。
未だに「薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会」みたいなのがあるってことは、機能が弱体化しているってことだろうか。

いやだ、いやだ・・・。
コメント
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