医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

旬の終わり

2024-05-12 05:30:09 | 薬局
今がいいからいいのではなく、これからがいいために何を準備するかが大事になる。

かつて医療機関が少ない時代があった。
その頃の薬局はまさに”医療の担い手”だったよう思う。
私も小さい頃はよく薬局に薬を買いに行ったものだ。
その他にも”富山の薬売り“が定期的にやって来た。
今は少なくなったが「配置販売業」である。
薬を救急箱に入れ替えてくれた。
使った分は支払う仕組みである。
景品にもらう紙の風船で遊んだのを覚えている。

この頃の薬局の人は街のちょっとしたお金持ちだったように思う。
私が大学に入った当時でも薬局の子たちは何となく余裕が感じられた。
その後、医療機関も増え、薬局の良かった時代が薄れていく。
そんな矢先に登場したのがドラッグストアじゃないだろうか。
当時の若手経営者がアメリカの薬局を見学して、これからの薬局の姿をイメージしたのがドラッグストアだった。
モデルはウォールグリーンかもしれない。

少し陰りが見え始めた街の薬局が、新しく求めたのが医薬分業による調剤薬局である。
処方箋は先駆的な薬剤師に息を吹き込んだ。
従来の薬局とは異なる処方箋に特化した薬局が“雨後の筍”のごとく、医療機関の横に出来て行った。
国の分業促進策に乗ってかなりの利益を稼げたのではないだろうか。
その利益を積極的に事業拡大に投資してきたのが大手調剤チェーンへと成長した。
経営者の経営的センスと変化に挑戦する勇気は凄いと思う。

ところが、そろそろそれも終わりに近づいてきたようだ。
医薬分業率は80%にまで迫り、市場は階段の踊り場にある。
そして、何と言っても高騰する医療費抑制のターゲットになりつつある。
今までのように”イケイケ、ドンドンとはいかない。
何となく、それなりにゆとりを感じて生活できるレベルの維持がいつまでも続かない。
それが、私がいつも言っている「チーズはどこへ消えた」である。

今まで通りのやり方では5年もつか持たないかと予想できる。
今のうちに先を見据えた仕掛けをしておくと10年は持ちこたえられる。
”茹でかえる“を思い出す。
自分たちはいいかもしれないが、家業を継いだ後継者の未来は厳しい。

今がいいからいいのではなく、これからがいいために何を準備するかが大事になる。
道は必ず拓ける。
道は未知だから拓かれる。
人の作った道は自分の道にはならない。
コメント
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