誰かが足りない
予約をするのも困難な、
人気のレストラン「ハライ」。
10月31日の午後6時、
同時刻にそのレストランに来ていた6組の客。
「ハライ」に予約、そして来店し、
食事をすることに至った
6組の彼らの物語を6編の短編として
綴られています。
認知症の不安に戸惑う老婦人。
現実を見ることを避け
ビデオから覗く世界しか、
受けいられない青年。
失敗の匂いを感じ、
人の辛い運命を知ってしまう女性。
それぞれ違う立場ながら
心になんらかの問題を宿している彼等。
「誰かが足りない」という、
心の欠落感を持ち合わせ、
不安を感じながらも、
前進しようとする彼等。
誰かが足りなくても、
過去の光景がなくても、
歩みは遅くても、
希望をもって前へ進み出す。
足りないと思うより、
足りないながらも、
心の充足を得ようと…
彼等は「ハライ」の、
おいしい料理を食べ、
その後は少しでも前向きに
生きることができそうな気がします。
「ハライ」への予約するということが
今の状況から一歩、
未来に向かって踏み出すことへの
スタートラインのような感じになっていました。
いい方向へと軌道修正するきっかけになるような。
優しさを感じる文章で書かれた、
読後感のいい
読みやすい小説でした。
良かったですよね。
みんな何かしらの絶望や不安を抱えていて、それでも誰かが何らかの形で手を差し伸べてくれるその優しさが良かったです。
私もハライに行ってオムレツやコンソメスープを食したいと思いました。
TBありがとうございました。
いい物語でしたね。
優しさが感じられ
心がほんのり温かくなります。
ハライの食事ほんとおいしそうですね。