プリズム
図書館から借りてきた2冊の本、
(プラチナデーターとプリズム)
どちらも解離性同一性障害がテーマ。
偶然にも同じ題材を扱った物語を、
2冊続けて読むことになってしまいました。
聡子という名の既婚女性が主人公。
彼女は岩本家に家庭教師として通うことになる。
ある日、その屋敷の庭で、ある青年に出会う。
出会うごとに変化する、
その青年の人格にとまどう聡子。
彼の過去と明かされた秘密を知りながらも
次第にその青年に惹かれていく。
でもその青年は実在しない人物だった。
私の前にいるあなたは一体誰?
聡子が会ってしまった青年は
「解離性同一性障害」という名の
病気を持っていた。
聡子は「解離性同一性障害」の、
多重人格の中の一つの
交代人格を持つ青年、
卓也に惹かれていきます。
幼い頃のひどい虐待が原因で、
解離性同一性障害になってしまった広志、
そこから分離した人格を持つ卓也。
存在しない人物である卓也に恋した聡子。
幻に恋してしまったような…
広志という人物からプリズムを通過して
一人、一人違う性格を持つ人格が
彼自身を乗っ取り
くるくる変化していくのです。
村田卓也、岩本広志、宮本純也、
タケシ、精一…
聡子は今、誰が現れているのか
分かるようになります。
この複数の姓と名前って、
広志が勝手に名付けたのかな?
ちょっと不思議に思いました。
広志に対して早く治癒して欲しいと、
思いながら読んでいました。
それなのに…
卓也と離れたくないという理由で、
広志の人格統合を拒否し
卓也との刹那的な愛に生きようとする
身勝手で自意識過剰気味の
聡子の行動には共感できませんでした。