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花ごよみ

映画、本、写真など・

ぼぎわんが、来る  澤村伊智

2018-09-11 | 本 さ、た行(作家)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

来たら、絶対に返事をしたり、
家に入れたりしてはいかん。
田舎に伝わる化け物「ぼぎわん」。

「ぼぎわん」という名前からして
不気味さが漂う化け物。

夫、妻、オカルトライターが語る
3章からなっていて、
各章によって視点が異なる構成。

1章と2章が表と裏なので
物語に膨らみを見せてくれます。

「ぼぎわん」に狙われる一家。
その一家を救うため、
尽力する超能力者姉妹。
姉妹は無敵ではないのが、
余計ハラハラ感が増します。
ぼぎわんとの戦いは迫力いっぱい。

「ぼぎわん」のイメージを思い浮かべると
かなり気味が悪いです。

映画「来る。」というタイトルで
映画化されました。

監督は中島哲也。
 
映画のタイトルは「来る」
出演は岡田准一、 黒木華、
小松菜奈、松たか子、妻夫木聡と
豪華メンバーです。

第22回日本ホラー小説大賞。

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青空と逃げる  辻村 深月

2018-08-17 | 本 さ、た行(作家)

青空と逃げる (単行本)

スキャンダルに遭い
俳優であった父親、拳が失踪。

大人の事情に巻き込まれてしまった子供。

父親の所在不明のまま、
東京~四万十~家島~別府~仙台と
拳の妻、早苗と息子・力、二人の逃避行。

どうしてこんなにしてまで
逃げ続けなければいけないのか?
よく理解できないこともありますが、
逃亡先で出会った、
優しい人達との交流によって、
母と子が次第に強くなっていく過程は
心に温かいものが残りました。

各逃避先での情景、雰囲気も
思い浮かべることができ
それなりに楽しめました。

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真犯人  翔田 寛

2018-07-14 | 本 さ、た行(作家)

真犯人

WOWOWで上川隆也主演でドラマ化され、
9月に放映ということで読みました。

その他小泉孝太郎や内田有紀も出演。

昭和49年に起きた誘拐殺人事件の犯人を、
41年かけ真相を見いだす。

地味に見えながらも、
熱い心を感じる刑事達。

平成27年、誘拐殺人により、
犠牲になった5歳児の父親が
被害者となる事件が発生。

犯人解明のためのラストチャンス。

時効直前に再調査のため
編成された特別捜査班、
でも真相解明までには至らず。

誘拐事件は時効間際の
昭和63年に未解決事件となる。

誘拐事件の解決が平成の事件の
手がかりになるとして
当時の捜査官であった人物を尋ねる。

綿密に描かれた警察の捜査。
41年前の事件と現在の事件の関係性を探る。

41年かけて判明した真犯人。
刑事の執念が見えます。

41年目に明らかになった真実。
特別捜査班の魅力ある刑事達により
読み応えのある物語になっています。


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崩れる脳を抱きしめて  知念 実希人

2018-07-08 | 本 さ、た行(作家)

崩れる脳を抱きしめて

碓氷は研修医としてやってきた岬病院で
脳に爆弾を抱えた患者「ユカリ」と出会う。
数ヶ月後にはこの世から消える運命のユカリと、
過去の心の傷を抱える研修医の碓氷。
二人は徐々に互いの心が通じ合うようになる。
碓氷の屈折した心が変化していきます。

限りある残りの日を生きなければならない。
切なさとむごさを背負いながら…。
悲しみで胸が痛みます。

ストーリーは表面的には
穏やかに進行して行きますが
病魔も平行して進んで行くので、
不安感でいっぱいになります。

そんな不安を置き去りにすることはできなくても
行き着いたラストは
穏やかな終わり方になっていました。

読みやすい文章で書かれていました。
途中まではタイトルに反して、
淡い恋愛小説の本かと
思いましたが、
後半は一気にミステリー色が増し、
終盤近くになって、
まさかの二転三転する展開に
騙されてしまいました。

彼女は妄想の人物だったのか?
読んでいても頭がこんがらがってきます。

ラブストーリーと
ミステリーを楽しめました。
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騙し絵の牙   塩田武士

2018-07-04 | 本 さ、た行(作家)

騙し絵の牙

主人公が編集者という
生き方を選んだ理由。

テーマは出版業界の内情、
小説を愛する男の葛藤などがテーマ。

主人公の速水は大泉洋を
イメージに書かれた小説。

舞台は出版社。
大泉洋の写真が度々出てくるので
どうしても大泉洋の演じる姿が
目に浮かんでくるという仕掛け。

本が売れなくなった昨今、
出版社の生き残りのため
編集者、速水がプライドをかけ
廃刊を阻止するため奔走する。

速水は魅力のある人物、
でも失った家族
なくした命への後悔、
家庭崩壊などは
大泉洋の持つイメージとは
少し異なる感じです。

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スマホを落としただけなのに  志駕 晃

2018-03-11 | 本 さ、た行(作家)

スマホを落としただけなのに (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

タイトル通り
ただスマホを落としただけなのに
こんなひどい目にあうなんて。

ただスマホを落としただけなのに
この小説のような事態に
なってしまうなんて。

スマホ個人データー流出が
連続殺人事件に繋がっていきます。

実際あり得そうで怖いです。
気味悪さが残る物語でした。

データーが盗まれたのは彼氏のスマホ。
特定された個人、
ネットストーキング。
ネットセキュリティの危うさ、
個人情報の流出…
甘くみていると
ひどい目にあってしまいます。

犯人、ここまで頭がよかったら
もっと役立つことをすればいいのに。








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かがみの孤城  辻村深月

2018-01-17 | 本 さ、た行(作家)

かがみの孤城

パラレルワールドではなく
七人が同じ世界にいるが
七年ずつ自分たちの
現実がずれている。
七人が一人ずつ存在している世界。

時間を超越した、
鏡の中の不思議な孤城。

時間、世界がずれていて
それぞれが違う時代の住人。

居場所がなかったり不登校など
辛い事情を抱え込んだ、
似た境遇の7人。

世界の構成、登場人物も違う。
ゆえに互いに心通わせる仲間になっても
現実には助け合えないはずだったが…

伏線が回収されたラストは
感動的で素敵な終わり方でした。







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CRISIS 公安機動捜査隊特捜班   周木 律

2018-01-14 | 本 さ、た行(作家)

CRISIS 公安機動捜査隊特捜班 (角川文庫)

この本は金城一紀原案の設定を元にした
オリジナルストーリー。

ホテルを占拠したテロ組織に
公安機動捜査隊特捜班、
通称、特捜班の稲見や田丸達が
ホテルジャックに挑むという物語。

ドラマのメンバーたち、
小栗旬、西島秀俊、田中哲司等の
雰囲気が伝わる作品です。

特捜班のメンバーは
それぞれの個性がよく出ていて
ドラマの世界観は小説も同じでした。

この小説がドラマ化されるとしたら、
高石は誰が演じるのかな。
もし映像化されるなら見てみたいです。

一応、予想できるストーリーですが
すっきりしない解決で
終わってしまいました。
ハラハラする展開で面白いものの、
やりきれなさが残る作品でした。






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真夏の雷管    佐々木譲

2017-11-03 | 本 さ、た行(作家)

真夏の雷管

舞台は真夏の札幌。

園芸店で爆薬材料の
硝酸アンモニウムが盗まれる事件が発生。

精密工具万引き事件の犯人の
少年が警察署から逃走。

二つの事件が交錯。
背後に見え隠れする人物の正体。

少年と爆弾魔との奇妙な友情の存在。

背景に浮かび上がる
ネグレクトの母親とJR北海道の体質。


『道警シリーズ』では
佐伯は鈴木一真
小島百合役は財前直見で
ドラマ化されています。

佐伯と小島百合、
個々に追っかけている事件が
一つになっていき、
事件の本髄に近づいていきます。

迫り来る爆破までのタイムリミット。
ラストに向かい
緊張感が生まれてきます。

佐伯をはじめとしたメンバーでの
チームワークがいい感じ。

読めるストーリー展開、
犯人像も明かされていましたが、
それなり楽しめました。

阻止されるのは想像できても
結構ハラハラします。





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ラストレシピ 麒麟の舌の記憶  田中 経一

2017-10-25 | 本 さ、た行(作家)

ラストレシピ 麒麟の舌の記憶 (幻冬舎文庫)

映画化されていて11月3日公開です。
映画化につられて読みました。

この作者「料理の鉄人」という番組の
ディレクターだったということです。
さすが料理にたいしての深い思いがあります。

関東軍の命令で軍の仕事といわれ
満洲国の地を踏んだ
過去の天才料理人、直太朗。

今の世に生きる「最期の料理請負人」という仕事の佐々木。
佐々木への依頼は幻のレシピの再現。

過去と現在の往復が
読みやすい文章で描かれています。
隠された幻のレシピの秘密が
解き明かされます。


はじめのうちはおもしろさが分からず
結構退屈でしたが、
読み進めるにつれて
だんだん引きこまれていきました。
終わりはじんときてしまいました。

そして意外な結末にびっくり、
映画を見るに当たっては
結末を知らなかった方がより
感動を覚えるかも。

すっきりとした
ラストでよかったです。

満州国の歴史上の人物や、
あの『日曜劇場 天皇の料理番』の
秋山徳蔵の名も出てきます。

大日本帝国食菜全席 という
全204種類のレシピに秘められた
愛と意地と覚悟
時代を隔てた料理人としての
生き方に心を揺さぶられました。
ラストにレシピのリストがあります。







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