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花ごよみ

映画、本、写真など・

教場0: 刑事指導官・風間公親  長岡弘樹

2018-07-07 | 本 な、は行(作家)

教場0: 刑事指導官・風間公親

教場シリーズエピソードゼロ。
教場シリーズの3作目。
6篇の連作短編集。

第一話 仮面の軌跡
日中弓は借金の肩代わりに芦沢と交際。
大企業の御曹司から見初められ別れを告げる。
しかし秘密を暴露すると芦沢に言われ…。

第二話 三枚の画廊の絵
画廊を営む向坂善紀。
離婚のため息子匠吾の親権を手放す。
芸術的センスがある匠吾。
芸大進学を希望するが…。

第三話 ブロンズの墓穴
学校でのいじめのため
登校拒否になった小学三年生の研人。
いじめを認めない担任の諸田伸枝。
研人の母佐柄のとった行動は。

第四話 第四の終章
隣室の女優筧麻由佳に惹かれた佐久田。
麻由佳の部屋で俳優の元木伊知朗が自殺を図る。
佐久田に助けを求める麻由佳。

第五話 指輪のレクイエム
五十歳の仁谷は認知症の症状が進む
七十歳の妻、清香の介護に疲れていた。
覚悟はしていたが症状は予想よりも早く進む。
切ない物語。

第六話 毒のある骸
法医学教授の椎垣は、
遺体を司法解剖する際、
大けがを助教の宇部に負わせてしまう。
公になると、消えてしまう昇進。


警察学校の教官となる前の風間。
現役刑事で新人刑事を鍛える風間。
今回は指導役。

警察学校が舞台の教場と比較して、
陰湿さは軽減。

まず犯人が殺人事件を起こし、
次に風間のヒントによって
新人刑事が自ら解決という、
アリバイ崩し、倒叙ミステリーです。

各回に違う新人刑事が登場します。
短編なので読みやすかったです。


 




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たゆたえども沈まず  原田 マハ

2018-07-05 | 本 な、は行(作家)

たゆたえども沈まず

ヨーロッパの各地で起こった
印象派という
いままでの絵とは違う光の溢れる絵、
そんな絵が受けいられるようになった時代。

日本美術に反応を示したのは、
マネ、モネ、ドガ、ピサロ、
ルノワールなど革命的な印象派の画家達。

ゴッホの作品にも、
多大な影響をもたらした浮世絵。

日本美術へあこがれ
浮世絵に傾倒したゴッホが
代金代わりに描いた、
タンギー親父の肖像画
名作「タンギー爺さん」には
浮世絵画家、英泉の色面、
構図などが生かされています。

ゴッホの応援者であり、
浮世絵を広めた、パリ在住の画商、林忠正、
専務の加納重吉、
彼らとゴッホ、ゴッホの弟の
テオを主軸に描いた作品。

弟の画商、テオは、
ゴッホを認めない世界が
くやしかった。

テオの苦悩、熱意、
テオがどれだけ
孤独な画家、ゴッホを支えたかが
悲しいほど伝わってきます。
いつか必ず世に出るようにしてみせると…
また天才画家ゴッホの
壮絶な人生が読み取れます。

以前行ったゴッホ展がこの本を読んで甦ってきました。
ヒマワリ、糸杉や星月夜など
ゴッホの作品が目に浮かんできます。



コメント (2)
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魔力の胎動  東野圭吾

2018-05-18 | 本 な、は行(作家)

魔力の胎動

「ラプラスの魔女」の前日譚。
5章からなる連作短編集。

4章までは、鍼灸師・ナユタと羽原円華の物語。
ナユタの顧客の問題を、
円華の力を借りて
解決していくといった話。

今回は円華の能力を人助けに使っています。
ナユタも円華によって救われます。

最後の5章は『ラプラスの魔女』に
繋がっていく話で、
青江教授をはじめ「ラプラスの魔女」に
出てくる人物達が登場。

ミステリ色も薄く、
読みやすい文章で
サラッと読めましたが
読み終わった後、
あまり深く心には残らない物語でした。

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ノーマンズランド  誉田哲也

2018-04-30 | 本 な、は行(作家)

ノーマンズランド姫川玲子シリーズ。

姫川班メンバーが登場します。

もう結婚した菊田は
複雑な立ち位置。

ドラマでは丸山隆平演じた
湯田康平刑事が重苦しい物語を
和らげてくれます。

どうしてもこの小説は
ドラマの登場人物の
イメージで読んでしまいます。

今回、検事の武見が初登場。
次回には、またまた姫川は
恋に落ちるのかな。

拷問シーンは想像しないように
さっと飛ばし読みしました。
このシリーズは毎度、
リアル過ぎて読むのが
つらいシーンが登場します。

今回は捜査の過程で、
隠れた犯罪として
拉致事件が浮かび上がってきます。

大切な人を失った悲しさ、絶望。
一人一人はなにも出来ない。
どうしょうもない虚しさが
描かれていました。
   


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イノセント・デイズ   早見和真

2018-04-08 | 本 な、は行(作家)

イノセント・デイズ (新潮文庫)

ある女性死刑囚の物語。
不幸から逃れられない主人公、幸乃。

幸せから見放され
幸せを望む気力もなくしてしまった
幸乃の人生。

幸乃の周囲の人達の回想によって
幸乃の生い立ち、
関わったエピソードなどが
明らかになっていきます。

救いのない展開。
彼女は救われたのか。

なんかモヤモヤした気分で
読み終えた物語でした。

WOWOWドラマ化でされています。

主演は竹内結子、ドラマでも
同じ終わり方をするのかな。

光の見える終わり方にして欲しかった。
でもこれが幸乃の
願った光としたら…
切なすぎます。





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マスカレードナイト  東野圭吾

2018-01-24 | 本 な、は行(作家)

マスカレード・ナイト

マスカレードホテルシリーズ3作目。

大晦日に犯人がホテル・コルテシアに
現れるとの密告。
新田がフロントクラークとして潜入。
山岸はコンシェルジュとして彼をサポート。

仮装パーティに紛れこもうとする犯人。
仮面を被る犯人。
犯人はどこに潜んでいるのか?
様々な怪しげな登場人物、
一体犯人はその中の誰なのか?

新田、山岸、二人の活躍が
謎を解き事件を解決。
新田・山岸コンビ、
それに能勢さんもいい感じです

ラストまで気が抜けない展開。
絡み合う伏線の回収。

それに読みやすい文章と
予期しない物語の終結。
楽しく読むことができました。







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宿命と真実の炎  貫井 徳郎

2017-12-28 | 本 な、は行(作家)

宿命と真実の炎

人間の心を捨てても
一緒にいたかった誠也とレイ。

警察への復讐を誓う二人。
先にこの二人の犯罪ということが
明かされてしまうが、
動機と、二人がどういう人物かは不明。

所轄刑事の高城理那と、
警察を退職した西條が捜査。


ページが進むに連れ
真実に向って一つずつ
解き明かされて行きます。

切なさが漂う犯人の重く暗い過去。

動機には疑問が残りました。
そこまでするかな?
ラストはえーっそんなと言う感じ。

読み終えてからも
すっきりしない気持ちが残りましたが
読み応えのある重厚な物語でした。

本を読んだ後に
この作品は「後悔と真実の色」の
続編ということを知りました。

一作目を読んでいなくても
全く問題はなかったです。






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神さまたちのいた街で  早見 和真

2017-12-27 | 本 な、は行(作家)

神さまたちのいた街で

帯に書かれていた通り
父親の不幸な事故をきっかけに
両親が別々の宗教を信じ
家族が当たり前では
なくなってしまったという話。

両親がのめり込んだ宗教のために
巻き込まれ混乱に陥る兄妹。

子供に対して暴力、信仰の強要、
それを自覚しない親。
振り回される子供。


やりきれない気分になってしまいました。
この本での宗教は
心の癒やしにはなりません。

傷つきながらも、
なんとかくじけない心を持続し、
家族のバランスを保ちたいと願い
ピエロを演じる征人。
ほんとにこんな小学生いるのかな?

強くならなければ、
生きていけなくなるような
環境だから?

相談相手の親友、龍之介をはじめ
ちょっと信じられないほど
大人っぽい小学生たち。

軽い気持ちで読み始めたのに
思いの外、重いテーマ。
決着はなんかあやふや。

なにはともあれいい親友が
そばにいてよかったです。



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壁の男   貫井 徳郎

2017-07-22 | 本 な、は行(作家)

壁の男

町中の家の壁に描かれた、
子供が描いたような絵。

そんな絵を描き続ける、
伊苅(いかり)と言う名の男。

ノンフィクションライターの「私」が取材。
絵を描き続ける理由を探る。


舞台は地方の集落。
故郷に戻ってきた伊苅重吾。

その街で壁や塀に、
決して上手くはない絵を
描き続けるある男の人生が、
その絵に興味を持った
ライターによって明らかにされる。

初めは絵を描くだけの、
変わった男の退屈な物語のような雰囲気で
途中でもう止めようかなと思いましたが
男の今まで生きてきた背景が
分かって行くに連れ
引きこまれていきました。

妻との出会い。結婚。
養護施設出身の若い夫婦、
そしてその娘。
悲しく暗い過去の人生に
気が滅入ってしまいました。

どこかしっくりいかなかったストーリーも
ラストはなるほどと納得できましたが
それにしてもあまりにも
不幸の影に取り憑かれた過去に
やりきれなさを感じました。





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プラージュ   誉田 哲也

2017-05-21 | 本 な、は行(作家)

プラージュ

舞台はワケありな人たちが住むシェアハウス。

住人達の抱える重い事情。
一度失った信用はいつまでもつきまとい
社会復帰を困難にさせる。

訳ありでも協力し合う住人。
過去の事件を追う記者の謎など
ミステリー感もあってうまく
まとまっていました。

星野源主演、WOWOWで
ドラマ化というのを知り読みましたが
この物語って星野源演じる貴生が
主人公ではないような。

貴生が一番軽い存在のように思いました。

プラージュのオーナーの潤子さんの
心の広さが
過去に汚点を残した人達の
救いになっています。

協力し合う訳ありの住人たち、
プラージュを拠点に再生を見いだします。

登場人物は多くても
各章ごとそれぞれの、
ハウスの住人たちが
語るように描かれていて
読みやすい物語でした。






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