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花粉対策

 暖かくなってきたのは嬉しいが、そのとたんに花粉が飛び始めたのには閉口してしまう。口は閉じていても、鼻孔は防げない、どうしたって空気を吸い込む。するとその中に混ざった花粉が鼻の粘膜を刺激し、「はっくしょーーん!!」大音声とともに舞い散る飛沫、ついでに鼻水まで垂らしながら、「ティッシュ、ティッシュ!」と焦りまくる・・・、こんなことが日常となる季節になってしまった。
 いい加減花粉に慣れろよ、と己の順応性のなさにあきれてしまうが、そういう問題でもないのだろう。簡単に順応できるくらいなら、誰も困らないし、連日花粉症対策などと新聞やTⅤでやかましくしないだろう。どれだけ対策を練るかによって花粉症の症状の軽重が決まるようだが、毎年私は大した対策をとってこなかった。マスクは紐が耳を締めつけて痛いし、自分の花粉症を宣伝するようで嫌だった。タオル片手に生活したことは何度もあるが、それも大袈裟な気がしていつも途中から手放してしまう。私とて、何か目覚しい花粉症対策があれば飛びつきたい気持ちは十分あるが、なかなかそんなものにはお目にかかれず、仕方なく毎年同じようなことを繰り返している。
 ところが、今年になって同じように花粉症に苦しめられている妻が一風変わったものを手に入れた。これだ。

 

 バイオインターナショナルの「ノーズマスクピット」という製品。簡単に言えば「鼻栓状のマスク」。白い部分を鼻孔の中に入れておくと、花粉から鼻を守ってくれて、花粉症には最適のマスクだという触れ込みだ。
 「従来の顔を覆うマスクと違い、口元をマスクで覆う事がありませんので、普段どおりに会話ができ、化粧崩れや息苦しさ、圧迫感などもありません。さらに仕事中や食事中などもノーズマスクピットマスクを装着したままでノーズマスクピットマスクが花粉から鼻を守ってくれます」
 花粉などの10micron粒子を99.9%カットしてくれると言うのだから効果は期待できそうだ。だが、やはりこんなものを鼻に入れて大丈夫か?と少しばかり抵抗感があるのは否めない。少し前から愛用している妻に装着感を聞くと、「別に悪くないよ」と言うが、俄かには信じられない。だが、朝からずっとくしゃみはしっぱなし、鼻水はたれ放題、というまさに最悪のある日、藁にもすがる思いで、妻から一つもらって装着してみた。こんな風に・・。


 確かに妻の言うとおりだ。想像していたような違和感はまるでない。痛くもないし痒くもない。鼻の中に何か入っているなどという感覚もないし、他人からも変なものを鼻の中に入れてるとは思われないだろう。これはかなりの優れものだ。あとはしっかり花粉を防御してくれれば何も言うことはない。
 だが、そうは問屋が卸さなかった・・。
 装着して1時間くらいはくしゃみも止まり、鼻水も出てこなくなったように感じた。これで私も花粉症を克服できるかも・・、などと気を許したのがいけなかったかもしれない。塾で授業をしていたら、突然鼻の中がむずむずしてきて思わず大きなくしゃみが出てしまった。その瞬間、なんとその瞬間、鼻栓マスクが勢いよく飛び出して、弧を描いて机の上に落ちてしまった。それを見ていた生徒がクスクス笑い始めた。私は慌てて鼻栓マスクを拾い上げたが、その時はもう遅かった。教室中が大笑いの渦に巻き込まれてしまった・・。何てかっこ悪い・・。
 この醜態に懲りた私は、それ以来二度と鼻栓マスクをしていないが、心の中には釈然としないものが残っている。私の装着方法が悪かったのだろうか、それとも私の鼻の穴が大きくて普通の鼻栓マスクでは用を成さないということなのだろうか・・。いずれにしても、せっかくの新製品も私には無用の長物となってしまいそうだ。
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