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無理やり花見

 「花見をした。寒かった。でも、楽しかった」


 この写真だけを見れば、満開のようにも見えるが、咲いていたのはここだけ、大部分は蕾の状態で、全体から見れば二分咲き程度、しかも風が強く、決して花見日和などではなかった・・。それでも決行してしまったのは、塾が年度末の休みで日曜から3日間連休であり、しかも息子が帰省してきたという、まったくの個人的な理由からだが、やはりいささか無理があったようで、声をかけた割には参加者が少なかった。(当たり前か・・)
 だが、そんなことはどうでもいい。ただ私は酔っ払えれば十分だし、その上近しい人たちと楽しい時間が過ごせれば、もう何も言うことはない。昼過ぎから三々五々、毎年花見をする近所の小さな公園に集まって、持ち寄った食べ物や飲み物で、わいわいがやがや過ごしたのは、総勢20名ほど。誰もが防寒対策を怠らなかったのは当然だと言えば言える。


 あっという間に酔っ払った私は、子供たちとすぐそばを流れる川で遊んだ。私の子供の頃は、陶器工場から流れ出る廃液で茶色く濁っていた川が、今ではもう底まで見通せるほど透明になっている。環境設備が整ったのか、それとも陶器工場が減ったのか、そのどちらなのかもしれないが、この川の変化がわが町の消沈を象徴しているようで、寂しい気がしなくもない・・。



 川底や土手に白くて丸い薄っぺらな陶片が落ちている。私の子供の頃は、この川沿いにはいやになるほど落ちていて、それを拾っては汚れた川に向かって投げつけたものだ。川面をはじいて飛んでいく通称「せんべい」が何度跳ねるか、皆腕を競ったものだ。さすがに「せんべい」の数は少なくなったものの、よく探せば幾つか見つかる。昨日も酔っ払った勢いで、川の中に入り込んで「せんべい」を何枚か見つけ出した。(水は冷たすぎる!!)

 

 私の甥っ子ではまだまだ幼い。小学5年になり、野球クラブにも所属している従兄弟の子供は川面で何度も跳ね上げることができた。「すごい!!」ちょっとお世辞交じりにいってやったら、調子に乗って何度も繰り返す。こういうところが子供は可愛い。私の息子はビール片手に皆との会話に興じていて、川に下りてこようともしない。まあ、20歳も超えたからそれはそれでいいのだろうけど・・。

 今年は少々フライング気味ではあったが、来年も皆元気で花見ができたらいいなあ、今はそんな気持ちでいっぱいだ。
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