Hiro君の手作りジャズライブ・京都 Blog

寺崎純(p)を中心とする京都のプレーヤーと大阪、神戸を主戦場とするジャズメンとのブッキングを、行いたいと考えています。

Charlie Parker "She rote"

2015年01月24日 00時43分32秒 | ジャズ・クラリネット

そもそも、この曲を知ったのは、Eddie DanielsのCDをゲットしてから。多分、20年以上前のこと。何で知ったのか、何処で買ったのか、もう完全に忘れてしまったが、この曲を聴いて、Beatles”Please、 please、 me"以来のショックを受けた。北村英治氏に初めてお逢いした時の感動だった。

車の中で何度も何度も聴き、それでも,理解出来なかったこの曲。超アップテンポでの演奏が、モダンで,シンコペばっちりで、まあ、圧倒される。未だに。この曲を,この様にモダンに、一生の終わりまでに演奏出来る様になりたい!!と言うのが、実現不能の目標、夢!!とさえ考えていた。その割に、Charlie Parkerの演奏は、あまり知らず、Eddie の演奏が,実はtake 2だ、と言うのも、鈴木孝紀氏に2年くらい前に初めてきいた様な気がする。

Parkerの演奏が、BeBopなのは良く知っているが、テーマ自体が徹底的なBap。アドリブは、むしろABABで、元歌の”Beyond the blue horizon"(ネットに記載あり。アメリカ人の中ではそういう理解はあるようです。未確認だが、日本のジャズ評論家がライナーノートで書いていたそうな)。通りに演奏しているが、あの時代の香り。Eddie は、現代の息吹を込めた演奏、しかもクラリネットでこれだけモダンな演奏をするとはおったまげた物だが、超絶技巧のなせる技でしょうね。これだけのアドリブを、やりたい放題に演奏できるのは、日本では、鈴木孝紀氏か、土井徳浩氏くらいか?鈴木氏には、いずれこの曲一緒にやりたいが(なんちゃって)、土井氏は、未だ聴いたことが無いが、パップ、モダン、凄いらしい。多分、谷口英治氏も演奏しようと思えば、バッチリでしょうね。ビル・エバンスの難曲も,ほいほい吹いていた。そもそも、日本のEddieと言われていたそうな。今は、方向が違うし、和製Eddieを目指しているわけでも無い。でも、凄いテクの持ち主であることは知っています。

さて、"She rote" パーカー好きの人なら兎も角、知らない人は結構多いんじゃ?そもそも、題名にしても、良く解らない。Ornithologyは鳥類学、Birdlogyも、その口語的表現のような物。いずれも彼のニックネーム、”Bird”からの物とはおおよそ想像出来る。”Moose the Mouche”は、ヤクの売人の名前だとか。西海岸で利用していたそうな。”Relaxin' at Camaliro"これは、ロスで、ヤク切れでホテルで火事騒ぎを起こし、素っ裸でホテルを歩いていて、ヤク中で逮捕、病院に強制収容されたのだが、その時の病院の名前。その他、彼の曲には色んな名前が付いているが、大した意味は勿論無い。しかし、”She rote"は、適切な解説が何故か無い。ネットを調べても、パーカーに関する著作を読んでも、とんと出てこない。一時、随分調べてみて、”She rote"は”She wrote"の省略形。じゃあ、彼女は何を書いたの?と言えば、1940年代後半、出征した彼に、彼女が,さよなら、もうお別れよ、と書いた、と言うのが流行ったらしい(というのを、英語関連のサイトで見つけた)。まあ、あの時代、如何にもありそうな。これしか見つからなかったので、真実は、いずれにせよ不明なのだが、これしか無い。これ以上の適切な解釈には,未だにお目にかかれない。どうでも良い様な曲の付け方だが、”She rote"が,何故かあまり受けてないのは、イントロ、エンディングの臭さの為?それとも、曲名に親密性が無いため?

さて、元歌は、のんびりした曲だが、ABAB形式。結構流行ったらしい。それを、パーカーはコード進行はほぼ同じで、A8小節、B12小節、C4小節、D8小節、コード進行はABABのままで、B,Cのメロディーの長さを変えて変化を持たせている。これと同じ事は、”How high the Moon"のコード進行で、”Ornithology"と言う曲でもやっている。スタンダードでは、AABA、ABAB等の形式の曲が多く、”East of the Sun"では、最後に4小節付け足しで変化を持たせているものもある。循環といわれる物の中でも、”I got rhythm"では、2小節付け足し。アドリブは付け足し無しでやることが多い。

さて、Eddieは、この曲を、まずは超アップテンポで(♩=320)演奏。Parkerが♩=250位なので、とても早くなっている。アドリブは、シンコペーション、モダンなスケールなど、変幻自在の演奏で、現代の息吹を吹き込んでいる。EddieがクラリネットでBapの演奏を、あるいはモダンな演奏をするのに、リバーブを使っている、モダンなスケール、シンコペーション(そもそも、テーマにシンコペが入っている)、それのみならず、超アップテンポで演奏しているのは、クラリネットという、そもそもサックスに比べて,押しの弱い楽器であることをカバーするため、ってのもあるんじゃないか、と、まあ、勝手に思っている。鈴木氏は、Eddieの演奏を,クラリネットの本来のキャラを使っている、と言う様な意味のことを言ってましたが、他の曲を聴いても、当たっていますよね。

さて、どんな練習方法を採っているか、について、次回、書いてみます。

 

 

 

 

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