山岳移動の無線局が、アマチュア無線からデジタル簡易無線(DCR)にどんどん移行し始めている、との情報を得て、当局も遅ればせながらDCR導入と相成りました。そして初めての移動運用。初回からその実力を垣間見ることとなりました。
移動地は、栗駒山系の秣岳。標高1424m。秋田県雄勝郡東成瀬村。登山者で混み合う栗駒山頂と違って、ここは別世界。この日もほとんど人に会うことはありませんでした。運用場所は、山頂から少し下った通称、岩のピーク。しろがね草原のほぼ中央に突き出た岩場を運用地としました。登山開始時は小雨でしたが、山頂に着くとみるみるガスが切れ、青空が広がってきました。
運用地の岩のピーク(前方)
運用場所から栗駒山(左奥)
しろがね草原
今回の装備は下記の通り。
・リグ アマチュア無線ID-51
デジタル簡易無線DPR-3
特小無線DJ-R20D
・アンテナ SBB-7(VU)
MA351-03M(DCR用モービルホイップ)
SRH-350DH(DCR用ハンディホイップ)
なお、当局のフリーライセンス用コールサインは、「せんだいSD550」。
デジ簡DPR-3に43cmのホイップを付けて「呼び出しチャンネル」をワッチ状態にしておき、まずは145MHzでCQを出してみました。秋田や仙台市内など各局に交信いただいている間にも、DCRメインから何度か交信が聞こえてきました。そちらの方が気になって仕方ありません。ということで、アマチュア無線は程々にして、DCRへ。
MA351-03M
カメラ三脚にモービルホイップを取り付けるいつもの装備がそのまま使えるのも良いところです。SBB7を外し、MA351-03Mを装着。0.5Wに設定して、メイン(呼び出しチャンネル)でCQを出したところ、さっそく「みやぎAC551」局から応答あり。DCRでCQを出すのは初めてで、応答いただいたこと自体にちょっとした感動がありました。大崎市岩出山固定局。双方メリット5。気を良くして特小での交信実験をお願いしましたが、残念ながら交信成立には至らず。目の前の尾根が障害になっているようです。
続いて、「いわてAA169/7」局。同じ栗駒山中におられるようで59-59。そして思わぬサプライズ。「はこだてGT44/8」局。函館市の横津岳移動。標高1166m。山頂なのかどうかは不明でしたが、メリット5で入感。12エレ八木を使用とのことで、たいへん強力かつ安定した信号でした。こちらからの信号もメリット5のレポートをいただきました。以前、栗駒山頂で8エリアと2mで交信できたことが1度だけあります。たった60cmのホイップで函館まで飛んでいくとは思いませんでした。さらに0.2Wに落として交信実験をお願いしたところ、メリット5変わらずのレポートをいただきました。距離約330km。見通し外。驚くべき伝搬ですね。山岳移動においては、0.2Wでも楽しめそうです。混信、ノイズ共になく、アマチュア無線以上にパワーに頼らずに済むのでは? そんな印象です。
横津岳ー秣岳
さて、本日、ふくしまFK123局は、蔵王熊野岳移動。スケジュール通り午前10時30分、430メインで連絡。430DVモード0.1Wで59-59の良好な伝搬を確認。ノイズがなく、復調さえされれば、メリット5で交信可能。続いて特小実験。L9チャネルでこちらから呼んでみると、ノイズはあるものの、了解度5。途中、聞き取れなくなる場面が1度だけありましたが、その後は、信号も上がって、55-55で交信成立。距離約95km。ふくしまFK123局のリグはIC-4088D。単三電池1本のIC--4300Lでは、こちらの信号を了解できなかったようで、リグの性能差が確認できたとのことでした。当局のリグDJ-R20DのSメーターは最大で1個点灯でした。さらにDCR実験。ふくしまFK123局のリグもDPR-3。アンテナはSRH-350DHとのこと。双方0.2Wでメリット5。アンテナマーク+2本。この状態で、30分以上、ロングにQSO。11時30分から東北DCRロールコールが始まるとのことで、交信実験終了。
Sメーター1個点灯
秣岳ー熊野岳
DCR(0.5W)、特小(10mW)にて、その後、次の局と交信いただきました。各局、ありがとうございました。
〈DCR〉
・とちぎJJ69/7局 福島県七ケ岳 M5-5 距離約225km 見通し外
・あきたAO899/7局 秋田県美郷町 黒森山展望台 M5-5 距離不明
・みやぎCF06/7局 仙台市太白区 イオン屋上 M5-5 距離不明
・みやぎBA102/7局 角田市 四方山 M5-5 距離約108km
秣岳ー七ケ岳 見通し外
〈特小〉
・みやぎBA102/7局 角田市 四方山 M5-5 距離約105km
・みやぎAZ17/7局 大崎市 加護坊山 M5-41 距離約52km
特小では、上記2局にふくしまFK123局を含め4局での交信となりました。特小でこのような交信ができたのは初めてです。
〈DPR-3の感想〉
0.2W、0.5W設定が可能なリグは今のところ、この機種のみです。山岳移動ではたいへん有効との印象を持ちました。実質約2時間、平均0.5Wで運用しましたが、バッテリーマークはすべて点灯、一つも減りませんでした。小さい、軽い、バッテリー長持ち。特小と違って、アンテナ交換できるのがDCRの最大の利点ですね。アンテナ次第でパワーはどうにでも補えます。たった60cmのモービルホイップでも、飛び受けとも手応えを感じることができました。
DCRの移動局が増えているというのは本当ですね。しかも、ほとんどが交信実験目的のアクティブ局。新しい出会いがあり、有意義な1日でした。
本日のアンテナ装備
次回~またよろしくお願い致します。
出張の際、また聞こえておりましたら
よろしくお願います。
明日もつながるとよいですね、
1Wでちばまでしっかり、たしかに33K総武線ちょくだから♪
また、ヨロシクお願いいたします♪
次回出張の際もよろしくお願いします。