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 中日新聞で、下記のとおり、最高裁が裁判員へ、量刑資料の提供をすることを決めたと報道されています。模擬裁判等に出てみると、模擬裁判員の方から要望が強いとの実感がありましたので、予想はされたことです。個人的には、量刑の安定性も全く無視することはできないので、ある程度参考資料が必要ではないかとも考えていました。このため、今回の決定には反対ではないのですが、この点は異論も多いでしょうね。(瑞祥)

裁判員に量刑目安資料 最高裁、データベースで提供

 最高裁は二〇〇九年から始まる裁判員裁判で刑を決める(量刑)際に市民から選ばれた裁判員に参考資料として類似事件の量刑例やその分布グラフなどを提供することを決め、専用のデータベースづくりを進めている。各地で開いた模擬裁判で、裁判員役の市民から目安となる資料を求める声が相次いでいた。

 最高裁刑事局は「従来の『相場』にとらわれないよう、大まかな傾向が分かるようにする。あとは国民の常識で判断してほしい」としている。

 刑事局によると、裁判官による現行の量刑では過去の類似事件の判決、求刑はもとより、犯行態様、計画性、凶器、被害の状況、被害者の処罰感情、被告の年齢・性別・前科、事件当時の精神状態、反省の有無などについて詳細なデータを参考にしている。

 裁判員への量刑資料の提供をめぐっては「刑にばらつきが出過ぎないためにも必要」という意見がある。その一方で「資料に引きずられると、市民の常識を反映させるという裁判員制度の趣旨を損ないかねない」との指摘があり、裁判官が参考にしているものよりも大まかなデータにとどめる方針。

 裁判員用のデータベースは来年四月までに完成させ、それ以降の裁判例を入力する。

 裁判員裁判が実施される全国の地裁本庁・支部計六十カ所の評議室に置かれた端末で使うほか、検察官や弁護人にも開示するという。



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