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先週の「兄弟喧嘩をなくすには」の投稿に批判のコメントを複数いただいた。
確かに「知恵がない」という表現は良くなかったと感じられる。
ただ、この投稿の主眼は、結びの一文「しかし、いっそのこと、兄弟姉妹に4分の1の法定相続分を認めた民法の規定は廃止してもよいのではないだろうか。」にあった。
つまり、民法900条3号「配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。」という規定は(関連して兄弟姉妹の相続権について規定する民法889条の規定も)、そろそろ改正を考えてはどうか、ということである。
このような規定を合理的と考えて、法教育などで周知すべきという方向の意見ではない(一般論としては、法の周知が大切なことには、もちろん異論がない)。
被相続人に、兄弟姉妹しかいない場合であればともかく、配偶者もいる場合に、兄弟姉妹にも4分の1の法定相続分があるということは、現代では相当な違和感を生じつつあるのではないだろうか。「配偶者に全部相続させる」との遺言書を残す(兄弟姉妹には遺留分までは無いので、これだけで対策としては必要十分である。)ことによって紛争を予防しなかった被相続人の中には、想定外だった人が多いだろうと推察している。そうであったとしても、無理もないのではないか。
皆さんは、この点についてはどのように感じられているだろうか。
(チェックメイト)

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コメント
 
 
 
民法889条の規定について (相続人)
2008-05-01 07:39:11
遺された配偶者の生活が第一に考えられるべきであるということについては、異論はないのです。
被相続人の遺される財産の多寡によって、違ってくるかもしれませんが、残された配偶者もいずれ相続が開始し、その兄弟姉妹たちが相続人になります。
その場合、先に亡くなった配偶者の血族相続人には何も遺されなかったことを考えたとき、それでも、構わないということでしょうか。
例えば、チェックメイトさん(男性でしょうか。)が、もし、子供がないとして、仲のよい自分の兄弟姉妹たちには何も遺さず、将来、妻の兄弟姉妹たち(疎遠であったとして、)に全て行ってしまうということについては、どのようにお考えになるのでしょうか。
自分の死後も、遺された妻と、自分の兄弟姉妹たちとが、親戚付合いを上手くやっていって欲しいと思うのが普通だと思うのですが。
先祖から受け継いだ財産もあるとして、それら全てが姻族へ行ってしまうのです。
後に一人残された妻(専業主婦であった場合など)が、財産の管理を最後まで上手くできるとは限らないのです。
人それぞれ考え方が違うと思いますが、その規定そのものを廃止するというのは、いかがなものでしょうか。

祭祀の承継問題もあると思います。これについても、何か一言、お願いします。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-05-01 18:07:26
>相続人さん

チェックメイトさんは兄弟姉妹の法定相続分を定めた規定を廃止したらどうかと言っているのだから、配偶者の兄弟も同様に相続人にならないのです。
「後に一人残された妻が、財産の管理を最後まで上手くできるとは限らない」っていうのは、余計なお世話でしょう。

で、私自身は、兄弟の遺産を当てにすべきじゃないという考え方は理解できますが、4分の1程度で遺留分もないからいいのではとも思えます。
まあ、実務上は、兄弟間の争いや甥姪の代襲相続といった面倒なことが多いから、なくした方が相続紛争が少なくなることは間違いないですね。
 
 
 
法定相続人 (相続人)
2008-05-01 22:40:04
>Unknownさん

「兄弟の遺産を当てにすべきじゃない」という考え方

「当て」にするとか、しない、という考え方自体が、おかしいのじゃないですか。
妻が亡夫の遺産を当てにすべきじゃない、という考え方はないでしょう。
妻や夫が、その配偶者の遺産を相続できるのは当然の権利なのです。
兄弟姉妹であっても、同様でしょう。
兄弟姉妹が相続人になるのは、子がなく、親も既に亡くなっている場合に限られるのですから、何故、兄弟姉妹にそれ程、反感を持たれるのでしょうか。
上手くやっていく方法を考えるのが、人間の知恵というものでしょう。

実務上、面倒臭いので、法定相続人の範囲(民法889条)から兄弟姉妹をなくしてしまえばよい、とまで言っておられるわけではないのでしょう?

まぁ、これは、立場や境遇によって、相当の見解の開きがある問題なんでしょうね。
 
 
 
Unknown (血族相続人)
2008-07-28 06:33:16
>いっそのこと、兄弟姉妹に4分の1の法定相続分を認めた民法の規定は廃止してもよいのではないだろうか。
>被相続人に、兄弟姉妹しかいない場合であればともかく、配偶者もいる場合に、兄弟姉妹にも4分の1の法定相続分があるということは、現代では相当な違和感を生じつつあるのではないだろうか。
(チェックメイト)

チェックメイトさんの言われるように、両規定が廃止されると、その配偶者が亡くなった後や、独身者に兄弟姉妹がいても、国庫に帰属ということになってしまいますね。
それを国民は納得するでしょうか。

自由主義社会であるアメリカなど諸外国では、血族相続人の範囲自体、もっと広いのではなかったでしょうか。
どのようになっているか、情報をお寄せください。
 
 
 
Unknown (血族相続人)
2008-07-28 06:43:57
>民法900条3号「配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。」という規定は(関連して兄弟姉妹の相続権について規定する民法889条の規定も)、そろそろ改正を考えてはどうか。
(チェックメイトさん)

両規定というのは、上記民法900条3号と民法889条(兄弟姉妹の相続権)の規定のことです。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2008-08-11 19:58:06
>被相続人に、兄弟姉妹しかいない場合であればともかく、配偶者もいる場合に、兄弟姉妹にも4分の1の法定相続分があるということは、現代では相当な違和感を生じつつあるのではないだろうか。

当てずっぽうな発言ではなく、しっかりした根拠があっての発言であるなら、その根拠たる数値などをお示しいただきたい。
裁判官の発言ですから、影響は相当大きいのです。

>「配偶者に全部相続させる」との遺言書を残す(兄弟姉妹には遺留分までは無いので、これだけで対策としては必要十分である。)ことによって紛争を予防しなかった被相続人の中には、想定外だった人が多いだろうと推察している。

「配偶者に全部相続させる」だけが、遺言の在りようではない筈であり、「共同均分相続の理念」に沿った配分の仕方を具体的に書いた遺言の方が、紛争の予防という観点からは、より効果的であるし、配偶者のみならず被相続人も、平安の心で居られる筈です。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2011-09-17 13:13:58
法律学しか勉強していないカスにはわからんのだよ。
基本的に配偶者の相続配分は50%以上と極めて大きいことから、婚姻期間を考慮するのが筋なんだよ。
 
 
 
配偶者は、妻の場合と夫の場合がある。 (共同相続人)
2011-11-16 00:56:32
配偶者はそれ相応に優遇されている筈。
子がないのですから、いずれ、被相続人にとっては、姻族に全てが渡ってしまう、ことを想定されての発言でしょうか。
被相続人が、そこまで、想定していると思われますか。
 
 
 
誰もが被相続人になり得る。 (相続人ですが)
2014-12-05 18:37:08
相続は遺産の有る無しに拘わらないことでしょう。
弁護士や裁判官などの職業人は、これといった遺産を持たない大半の庶民は相手にしないのでしょうか。
 
 
 
Unknown (はるな)
2014-12-15 10:46:22
遺産がなければ、相続でもめることもなくよって弁護士及び裁判官の出る幕もない
 
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