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鉱物の部屋へのいざない

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虹色ガラス

2011-12-16 11:47:18 | 日記・エッセイ・コラム

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?高橋克典さん製作の香水瓶

特設ガラスコーナーも12月25日までで、あと10日間となりました。昨日の話題は球体でしたが、ガラスの話題でひとつ書き忘れておりました。

上の写真は虹色の発色が美しい球体香水瓶です。福岡の鎧坂ガラス工房の高橋克典さんが製作したものです。私は大好きな球体、さらにペルシャあたりの古代ガラスを彷彿とするかたち、さらに不思議に変化する色、それらに魅了されました。

私は2,3年前に九州大学総合研究博物館の鉱物標本展示室に行きました。焼酎二階堂のCMにも出てくるその標本室で、大型で雄大豪華な高壮吉標本を見ました。その標本を見た感動の余韻のまま、お近くの高橋さんのガラス工房も訪ねたのです。

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?高橋克典さん製作のコンポート

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?コンポートの下の部分

高橋克典さんの作品を初めて見たのは名古屋のびいどろ屋さんで5,6年前になります。上の写真は初めて買った高橋克典さん製作のガラス・コンポートです。その色・かたちに魅了されました。そのガラスはカラーチェンジガラスでアレキサンドライトのように太陽光の下ではラベンダーブルーに、蛍光灯の下ではライトブルーに、と光によって色が変化します。恐らく酸化ネオジウムを混入して作られたネオジウムガラスだと思われます。

次の写真はそのコンポートの柄の部分の拡大です。それはガラスというよりも氷を思わせる質感でひんやりとした感触が伝わってきます。それは溶けていくかのような錯覚も思わせます。長い時間の中ではガラスも溶けていくのでしょうが、その時間をぎゅっと短縮したような感覚がありました。

私は一瞬で高橋克典作品のファンになりました。高橋さんにお会いした後日、私は今度は名古屋の丸栄デパートで江副行昭さんにお会いしました。

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?江副行昭さん製作の銀彩変ガラスぐい?

江副さんと話をしていると、何と!江副さんは高橋克典さんのお師匠さんにあたる方だったのです。江副さんの作品はガラスでありながら土を混ぜてそれらを溶かして作るガラスで熔壌ガラスと言われます。高橋さんはお弟子さんであったのです。作風に同じものを感じたのはそのためでした。

江副さんの作品はガラスの域を出て、まるで現代の曜変天目のような領域に達しています。私は江副さんの作品からは和の雰囲気、高橋さんの作品からは洋の雰囲気を感じます。いずれの作風も構造色好きな私にとっては好ましいもので、お二人とも大切な作家さんとなりました。

高橋さんの工房では作品の数々はもとより、それらの製作現場も見せていただきました。まるで陶芸作家の釉薬のように思える数々の薬品が入った棚等、高橋ガラスの製作現場を見れた貴重な経験でした。そこでは工房そのものも自作だったと知り、作家のあるべき姿を見たような気がしました。

コメント
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