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鉱物の部屋へのいざない

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キンバーライト

2011-12-19 11:32:53 | 日記・エッセイ・コラム

一昨日、2回目の来店となるお客さんTさんがいらっしゃっいました。Tさんはクリノクロアの母岩に付いているきれいな菱形十二面体結晶の鉄礬柘榴石を購入されました。さらにダイヤモンド原石の棚を覗かれ、母岩付きはありませんか?と申されました。

今、お店にはダイヤモンドの原石はいくつか置いてありますが、残念ながら母岩付きのダイヤモンドはありません。ダイヤモンドの母岩はキンバーライトです。是非とも置いておきたい岩石です。

キンバーライトにはひとつ思い出があります。

私は以前、名古屋の朝日カルチャーで静岡大学の道林克禎准教授の「石が語る」という講座を続けて受講しておりました。その最初の講座のテーマがキンバーライトだったのです。

キンバーライトはダイヤモンドの採れる南アフリカ共和国の州都キンバリーの地名にちなむのですが、道林先生はオーストラリアにもキンバリーという地名があり、そこにもダイヤモンド鉱山があります、とお話しされました。

私は素朴な疑問としてその偶然性はなぜなのか?さらにキンバリーとはどういう意味なのか?を知りたいと思い質問しました。その場では、先生はご存じなく、両方とも植民地だったという話をされました。

それで調べた結果は、オーストラリアのキンバリーはもともと南アフリカ共和国のキンバリーに景観が似通っていたためにつけられたものであり、のちにダイヤモンド鉱山が発見され、さらなる類似点となったらしいのです。

「似ているものはその本質も共有している」というあの相似律です。

南アフリカ共和国の州都キンバリーは1871年のダイヤモンドラッシュ当時のイギリス植民地担当大臣ジョン・ウッドハウス・キンバリーの名に因むのです。キンバリーの意味は単なる人名だったのですが、やはりオーストラリアのキンバリーも植民地でした。

さらにオーストラリアのキンバリーでは1881年に金が発見されるようになったらしく、ダイヤモンドに続き今度は金です。南アフリカ共和国も金の産地です。

またもや「似ているものはその本質も共有している」相似律です。

そういえば名古屋では金原さんという名字の方が何人かいらっしゃいましたが、何か関係があるのでしょうか?

コメント
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