?スペイン ナバフン鉱山産の黄鉄鉱(立方八面体結晶)
今日の話題は立方八面体です。昨日の話題であった正八面体の各頂点を辺の中心まで切り落とした立体です。上の写真はあのシャープなキューブ状の黄鉄鉱を産出するスペイン ナバフン鉱山産の黄鉄鉱です。シャープさはないものの立方八面体の形状をしております。
立方八面体はバックミンスター・フラーがベクトル平衡体と呼んだかたちです。バックミンスター・フラーは20世紀の偉人ですが、多面体の世界では有名なものの、一般的に知名度は低いと言えます。「あたけぼね」の阿竹さんは自ら日本のバックミンスター・フラーと呼んでいるくらいにバックミンスター・フラーの研究では第一人者だと思います。
立方八面体は正三角形と正方形の2種類の正多角形で構成される立体で、準正多面体と言われる種類の多面体です。正多面体がプラトン立体と言われるのに対して、準正多面体はアルキメデス立体と言われます。
立方八面体の黄鉄鉱は珍しいと思います。黄鉄鉱は正四面体を除く四つのプラトン立体の形状になります。正六面体の立方体はもちろん、正八面体、正十二面体、正二十面体の形状になります。正二十面体の黄鉄鉱は尾小屋鉱山からも取れました。実際は三角二十面体と言うのですが、五角形状に三角形が並んでいるかたちは美しいです。
そう言えば、Web上の東京大学総合研究博物館データベースに和田維四郎コレクションが出ているのですが、黄鉄鉱で検索すると75番目(番号3-281)に島根県の鵜峠鉱山産の黄鉄鉱の写真が出ています。そこには三角十二面体結晶と書いてありましたが、三角二十面体結晶の間違いだと思います。正十二面体の一面は正五角形となりますので、明らかに間違いです。
不思議なことが今起きました。ちょうどこのブログを書いている時にお客さんがあり、磨き水晶の正八面体が売れました。今日のブログはこの辺で止めます。