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鉱物の部屋へのいざない

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菱形十二面体

2011-12-12 13:21:41 | 日記・エッセイ・コラム

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?イタリア産の鉄礬柘榴石(菱形十二面体)

今日の写真はイタリア産の鉄礬柘榴石です。柘榴石族も多面体的で大好きな鉱物です。写真の標本はきれいな菱形十二面体のかたちをしています。菱形十二面体は昨日の話題の立方八面体と双対多面体の関係です。双対多面体とはある立体の頂点と面を入れ替えた立体のことで、例えば正六面体と正八面体、正十二面体と正二十面体がそうです。

菱形十二面体は空間を埋め尽くすことができる空間充填立体でもあります。それは効率良く空間を使えるということで、かつて私はあるお豆腐屋さんへ宇宙へ運べるパッケージとして菱形十二面体のかたちの宇宙豆腐を提案したことがありました。残念ながら、それは採用されませんでした。

そのお豆腐屋さんへのプレゼンテーションの際、その模型を作り、菱形十二面体にはころっとした形の第一種と平たくなった第二種との二種類ある事を知りました。それらは面白いことに対角線の比が第一種は白銀比で第二種は黄金比になります。直感的に美しいかたちは数学的にも美しいのです。

また、第一種の投影図は正面、平面、側面がすべて正方形になっているという奇妙な投影図形を示します。このことは菱形十二面体が四次元の立方体にあたることを意味します。

数年前の京都ミネラルショーの講演会会場で京都大学の宮崎興二名誉教授と出会って、「高次元幾何学」という機関誌の最終号を送っていただき、私はその御礼として今日の写真のような鉄礬柘榴石の美しい結晶標本を送りました。宮崎先生からの御礼ハガキに四次元の立方体にあたると書いてあったことを思い出します。

菱形十二面体、私のいろんな思い出に繋がるかたちです。

コメント
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