かぶれの世界(新)

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安倍首相の1年

2007-09-12 23:36:40 | 国際・政治

倍首相の突然の辞任表明には誰もが驚いたと思う。立花隆氏は早い段階で安倍氏の健康問題を指摘、早期退陣を予測していた。しかし、正直言うと私は「為にする記事」という印象を受けていた。今回、立花氏は独自の情報網で確かな根拠があったのかと改めて感じた。

健康悪化が苦境に立ち向かう気力を失わせたのだろうと思う。私は支持率の低さよりは安倍政権を評価していたが、施政方針演説の後というタイミングでの辞意表明は幾らなんでも間が悪すぎる。それ程追い詰められ健康悪化の中で判断力をなくしたということか。

安倍政権は小泉改革の続行内閣として誕生した。日中関係改善など大きな貢献があった。しかし、結局のところ国民の共感を得るセンスに欠け手法を誤った。彼自身が不祥事を起すとか政策を間違えたとは思えないのにこのような終り方をしたのは不幸であったと思わざるを得ない。 

安倍首相の失敗は年金問題や不祥事に対する最初の反応がいつも不可解で、後から野党やメディアやの非難を受けて軌道修正を繰り返す中で信頼を失っていったことである。

ポピュリズムの傾向が強いメディアがこれを助長した側面も多いにあると考える。しかしそれは承知のはずだ。年金問題が表面化した初めから現政権に大逆風が吹くと予想したが、当初の対応は余りに稚拙だった。その後連続した不祥事の対応は悲惨としか言いようが無かった。

政策でなくそういう感覚の無さが表に出てきた最初の変調は郵政改革造反組の復党だった。衆院選の結果を受け継いだ安倍政権のバックボ-ンがぐらつき始めた最初の出来事だった。そこから命がけで政権を守ろうという根拠の足元が徐々に揺らぎ始めたように私には感じる。

代間闘争ではないか、というのが例によって私の大胆で勝手な思いつきだ。つまり「老青」の水面下の戦いで「青」が一敗地にまみれたというのが、今回の政変の印象である。世代間の戦いは小選挙区に変化し新しい世代の議員が当選し始めた2000年頃から始まったと思う。

最初は民主党から始まった。若手党首となった岡田、前原両氏は優れた政策を打ち出し大いに期待された。彼等が退陣に追い込まれた経過を見ると、党内の老政治家から適切な助言を得られず追い詰められていったという印象を持っている。

勿論、彼等が聞く耳を持ってなかったということもあるだろうが。今回の安倍首相退陣も同じような経過を辿った側面があるという気がする。その世代は若干世間知らずの右よりの人達で自民・民主両党にいる。自民党の小泉チルドレンや民主党の前原グループといわれる人達だ。

既に次の政権を目指して自民党内で権力闘争が始まった。自民党の次期総裁が次期政権となるはずだ。次の衆院選で勝てる人というのが判断基準になるのは間違いない。誰が総裁になっても国会のネジレが解決するわけではなく舵取りは難しい。

短命の選挙管理内閣となる可能性が強いという専門家の声が多い。参院選の後遺症で従来の自民党に先祖帰りする可能性が強いが、新人から中堅の改革派の数は無視できず意外な結果となることも十分予想される。

この2週間の総裁選ドラマに国民の目が注がれ、メディアの焦点が移り皮肉なことに自民党の大宣伝になるだろう。総裁選ドラマの出来栄えが、自民党が支持を回復できるか否か決定的役割を果たすだろう。民主党がモーメンタムを保つためにどうするか、かなり難しい課題だ。■

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