参院で否決後2ヵ月弱という異例の速さで郵政民営化法案が可決された。衆院選から1ヵ月たち新聞テレビから週刊誌、最後に11月号月刊誌まで含めて主な評価が出揃った。自民圧勝の要因として小泉劇場の「風」が吹いたという論評が非常に多い。また圧倒的多数を得た小泉政権の危うさを「独裁・ファッショ」と警鐘を鳴らしている評価が目に付く。
選挙結果を否定的に論評しているこれらマスコミや言論界の多くは衆院選の前から小泉政権を批判していた人達で、選挙結果表現された民意を間違った選択をしたと主張している。前向きな姿勢を全く感じないのは情けない。産経新聞系の月刊誌はプラス面を一切見ようとしないこれ等の人達の選挙前後の発言を比較して、「人格破壊」とまで酷評しているのも分からないではない。
先日の朝日新聞の記事は郵政民営化の是非を問う選挙であったが、結果はその他の争点についても勢力分布が変化したことを報じていて興味深い。それは郵政民営化に反対したかなりの部分の議員は同時に道路族だっただけでなく、彼らは又教科書問題で強硬派の有力文教族や対北朝鮮強硬派でもあった。これ等所謂族議員の力がかなり殺がれ今後の政策にかなり影響が出そうである。余程のことがないと従来派閥の領袖や有力議員の影響力がすっかり弱まってしまった。彼らが首相候補にカムバックすることはもうなさそうだ。既に道路族が絶対反対してきた道路財源の一般会計組み入れが抵抗無く議論されるようになった。その点ではやはり自民党は決定的に変わったと言える。
これは本質的な変化であるように見える。派閥と族議員は政策決定プロセスに強い影響力を行使して官僚と利害調整を図ってきたが、選挙後は党の力が弱まりより内閣の方針に基づいた政策が作られるようになりそうである。しかし一方で官僚は選挙の洗礼を受けたわけではない。田中直毅氏によれば冷戦下で政権交代が現実味を帯びた時代に、政権選択が拙速な行政変革にならないようにした官僚の仕組みが今日まで続き改革を阻んでいるという。当座は小泉首相の豪腕頼みになるのもやむをえないだろう。
官僚の抵抗を弱め透明な政策決定プロセスにして改革をスピードアップするためには、民主党が主張するよう局長クラス以上は政治任命にすべきである。民主党は前原党首を選び、労組などの支持団体の既得権益に不利であっても政策を優先し、自民党と改革を競う体質改善を宣言した。私は非常に賢い方針転換をしたと思う。これで自民が民意に反した動きをするなら、国民は少なくとも今までより安心して政権交代させることが出来るはずだ。メディアはこの方向が定着しより前進させていくよう論陣を張っていくべきである。■
選挙結果を否定的に論評しているこれらマスコミや言論界の多くは衆院選の前から小泉政権を批判していた人達で、選挙結果表現された民意を間違った選択をしたと主張している。前向きな姿勢を全く感じないのは情けない。産経新聞系の月刊誌はプラス面を一切見ようとしないこれ等の人達の選挙前後の発言を比較して、「人格破壊」とまで酷評しているのも分からないではない。
先日の朝日新聞の記事は郵政民営化の是非を問う選挙であったが、結果はその他の争点についても勢力分布が変化したことを報じていて興味深い。それは郵政民営化に反対したかなりの部分の議員は同時に道路族だっただけでなく、彼らは又教科書問題で強硬派の有力文教族や対北朝鮮強硬派でもあった。これ等所謂族議員の力がかなり殺がれ今後の政策にかなり影響が出そうである。余程のことがないと従来派閥の領袖や有力議員の影響力がすっかり弱まってしまった。彼らが首相候補にカムバックすることはもうなさそうだ。既に道路族が絶対反対してきた道路財源の一般会計組み入れが抵抗無く議論されるようになった。その点ではやはり自民党は決定的に変わったと言える。
これは本質的な変化であるように見える。派閥と族議員は政策決定プロセスに強い影響力を行使して官僚と利害調整を図ってきたが、選挙後は党の力が弱まりより内閣の方針に基づいた政策が作られるようになりそうである。しかし一方で官僚は選挙の洗礼を受けたわけではない。田中直毅氏によれば冷戦下で政権交代が現実味を帯びた時代に、政権選択が拙速な行政変革にならないようにした官僚の仕組みが今日まで続き改革を阻んでいるという。当座は小泉首相の豪腕頼みになるのもやむをえないだろう。
官僚の抵抗を弱め透明な政策決定プロセスにして改革をスピードアップするためには、民主党が主張するよう局長クラス以上は政治任命にすべきである。民主党は前原党首を選び、労組などの支持団体の既得権益に不利であっても政策を優先し、自民党と改革を競う体質改善を宣言した。私は非常に賢い方針転換をしたと思う。これで自民が民意に反した動きをするなら、国民は少なくとも今までより安心して政権交代させることが出来るはずだ。メディアはこの方向が定着しより前進させていくよう論陣を張っていくべきである。■
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