かぶれの世界(新)

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母の一周忌

2017-07-09 14:45:36 | 日記
早朝から市の郷土美化運動の一環で一斉清掃(通称ドブさらい)に参加し、9時頃に実家に戻ると東京に戻る準備を済ませた家族が待っていた。昨日の母の一回忌に来た家内、末の息子、娘家族と大阪に住む妹だ。記念写真を撮ると家族は直ぐに車で立ち去った。妹も昼前には夫君の車で立ち去り、再び一人住いに戻った。先週は二つの台風、本物と母の一周忌、が来た。

嵐のような一週間だったが、一人になるとやっぱり元気という訳にはならない。40年以上前に死んだ父と連名の位牌が2日前にやっとできた。お寺や業者に聞いてこの地の習慣である盆提灯を、何故かJAバンクに頼んだ(JAの生活簡素化運動の一環だという)。天候が悪くギリギリの4日前になって墓掃除もした。

一周忌と新盆に関わる行事の日程と準備内容、費用が手探りでやっと明らかになった。法要、新亡打合会、灯籠入り、施餓鬼(檀家総会)、灯籠送りと続く。全国展開している業者によるとこの地は昔からの習慣を守って忠実に実行する珍しい所だという。全く習慣を知らない私が一人で準備するのは大変で気が重かった。

和尚は毎回見るたびに衰えが目立たつ。今回はお経と説教が終わると本堂からお墓に続く急坂を上るのが本当に大変そうだった。彼は78才になるそうで、私の葬式は出来そうもないと昨年母が死んだ時に軽口を叩かれたが、本当にそうなりそうな雰囲気だった。声は元気そうな奥さんも腰痛のような歩き方が気になった。

帰り際に和尚に挨拶に行くと吹き流しをどうするのか聞かれた。私は全く念頭になかった。彼は農協に行って頼んで見ろ、新亡打合せ前に必要と言われあたふたした。私のような土地の習慣に無知な物にはマニュアルが必要だ。誰も全プロセスを纏めて教えてくれない。会社勤め時代とは全く違う手探りのアプローチだ。

東京に住む家族は当然知らない話なのだが、一回忌の直前に実家に来て法要の当日に参加して戻って行くだけの彼等は、私には当事者意識のないお客さんの様に見えた。勿論、久しぶりに家族の顔を見て話し出来るだけで嬉しいのだが。特に娘夫婦の待望の赤ちゃんの成長ぶりを見るのは楽しみだった。可愛くてしょうがない。

とは言っても私から見れば折角家族葬にして家族だけの行事にしたはずなのに、家族の一員として参加してもっと手助けして欲しかった。私だけが実家を守る為に東京と田舎を行き来するのはやむ得ないのだが、久し振りに家族が顔を合わせる機会に、折角来てくれたのに孤独感を募らせるとは皮肉なことだ。

田舎に長期間住むとなるとそのコミュニティとの良い関係を保つのは必須であり今日早朝に一斉清掃に参加した。私が帰ってくるのを待って家族は直ぐに出立した。私には大事なことでも彼等は無関係な出来事の様に感じた。実際は今年亡くなった義母に線香をあげ、昼過ぎの帰りのフライトに乗る窮屈なスケジュールで、時間の余裕がなかったのだが。

私がそうやって一人ドタバタしている間に家内と妹が亭主の愚痴を交換したと聞いたものだから少しがっかりし、私もこのブログで愚痴を言った感がある。記念写真を撮った時、家内は私を「自分ファースト」と言い放った。もしそうなら何故私は家族の為だけにお金を使い、何度も海外旅行に連れて行き、美味しいものを食べさせてきたのか。もう全部やめたい。と愚痴を言った後、家族がいなくなったらやっぱり寂しい。また一人暮らしが続く。■
コメント
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