かぶれの世界(新)

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トランプ悪政、災い転じて福となす

2017-02-21 18:13:33 | デジタル・インターネット
午後CNNを見てたらあるコメンテーターが、フリン大統領補佐官(安全保障担当)の後任にマクマスター陸軍中将を起用したのは、トランプ大統領最高の決定だと一連の愚かな大統領令をあてこするような批評をして笑いを取った。確かにマクマスター氏の評判はすこぶる良い。これから米国の安全保障政策は正気を取戻しまともな方向に向かうと私は予想する。コメンテーターのワサビの利いた皮肉は面白かった。

今迄は選挙戦でトランプ氏を支援した連中が政治的バックグラウンドもなく突然補佐官となり、私に言わせれば危険な外交政策を打ち出してきた。だが、これからは問題が起こる度に共和党主流派が推す人材に徐々にとって代わられ政策を見直し、トランプ大統領の意思を汲みながらも無難なやり口に修復されていくだろう。マスコミは「混乱」と報じるが、私はこの人事を「災い転じて福となす」と映る。

既にペンス副大統領や国防・国務長官がEU、NATO、ロシアやイラクと会談し、トランプ発言が引き起こした不安や傷の修復に当たっている。今後はその前の段階のトランプ発言が徐々に抑制されたものになると予測する。というのはまともな側近が加わったからだ。マクマスター氏は上下関係の厳しい軍の中にあって、上官に対して遠慮せず正論を吐ける人だったという。多分、トランプ大統領に対してもそうする期待が報道に感じられた。

トランプ大統領が指摘するようなマスコミの偏向報道があるのかわからないが、彼が起用した補佐官など側近の中には根拠の疑わしい情報を平気で話すというのは間違いない。昨日もありもしないスエーデンのテロ事件をトランプ大統領がとりあげ、スエーデンから抗議を受けた。頓珍漢なやり取りをする漫才みたいだった。

普通なら大失態のはずだが、何故か彼等は平気なのだ。しかし、こういうことが続けば間違いなく大統領は信頼を失い機能しなくなる。最終的には選挙で功績のあった無能な側近たちをスタッフから外し、夫々の分野でマクマスター氏の様なプロが起用され、初めて新政権が本格稼働するだろう。問題はそれがいつかだ。

私はここに来て絶望的から少し楽観的になってきた。安全保障・外交については結果的に予想以上に適任者が起用され、舵取りを任されることになったからだ。取り敢えずの焦点はバノン首席補佐官の影響力がどの程度削がれるかだ。そういう観点からウォッチしていきたい。

やり口は最悪だが、トランプ大統領の政策の全てが悪いとは私は思うわない。彼が不法移民やNATOの軍事費負担、貿易赤字を問題視するのは当然だと思う。トランプ氏の指摘は正当なものもあり、日本も一方的に米国の恩恵を受ける現状が続けられるとは思えない。不平等是正の要求を突きつけられ、「困った、困った」と報じトランプ氏を悪者扱いするマスコミ報道はどうかと思う。安倍首相にはその時の覚悟がある様に私は感じる。

最後に、エキセントリックとも思えるトランプ大統領のやり口が存外うまく行くかもしれないと思うもう一つの根拠を示す。それは「全て優秀な人材からなる集団より、能力の異なる多様な人材集団の方が良い結果を出す」という全く違う分野での研究結果(カリフォルニア工科大学ページ教授)による。それは優れた結果を出す「集団的知性」を理論的に検証したもので、最近のクラウドソーシングの論理的背景になっている。

私には政治の世界でもこの異質なトランプ政権が結果を出すかもしれないという期待がある。逆の例は歴史の中で検証されている。名著「ベストアンドブライテスト」(Bウッドワード)の中で米国最高の人材が集められたというケネディ政権が、何故ベトナム戦争の泥沼の中に嵌って行ったか描かれている。バノンだとかコーンウェルとか常識のカケラもない人材が側近になったトランプ政権から今後何が出て来るだろうか。■
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