かぶれの世界(新)

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熟年亭主の危機

2005-10-20 23:46:13 | テレビ番組
先週から始まったテレビドラマについて。NHKの「理想の生活」と朝日テレビの「熟年離婚」を合わせるとドラマの設定と展開が私の場合と似ている。「理想の生活」では長年の海外勤務を終えて定年退職後実現したいと願っていた三世代一緒の生活を家族の共感を得られず、悲惨にも木っ端微塵に砕かれる。女房は出て行った息子の部屋で寝るようになる。我が家も事情は似たようなもので驚いたがコメディタッチなのでまだ笑って済ませられるところがある。

しかし「熟年離婚」はシリアスな展開で見ると胸が痛くなる。私自身は主人公ほど徹底的ではなかったが、家族のことにもっと時間を使いたいと思っても、結果的には健康を害するほどの猛烈サラリーマンだった。私はそれが主人公のように全て家族のためとは言い切れないことは米国駐在時現地社員の生活などを通じて実感した。しかし、例えそうだとしても主人公(渡哲也好演)の苦しみを見ると我事の様にせつない。ドラマの狙いにまんまとはまったというところか。

この二つのドラマが同時に始まったのは偶然ではない気がする。定年退職が始まる2007年に向かって団塊世代亭主に覚悟せよというメッセージだ。退職後私が一日中家にいること自体が家内には我慢できなかった。30年そうやって来たのだから簡単に慣れろというほうが無理なのかもしれないが、私は、最初は傷つき理不尽だと思った。逆に言うと番組で妻や子供たちの態度を見て、亭主の期待が外れて打ちのめされるのは我家だけじゃなかったと妙に安心した。

このテーマをネガティブな話だけでは終わるのはつらい。ドラマは今のところマイナス面だけが強調されているが多分新たな展開が出てくると思う。理由はテレビドラマのパターンがある程度読めるからというだけではない。先週のタイム誌は世界の老齢化が進む中で如何に良く老いるかの特集記事があり、その中で冒険家の三浦雄一郎氏や95才の100m世界記録保持者、日野原医師など日本のスーパー老人を紹介していた。

世界一の長寿国の老人パワーはその実力も世界的なもののようだ。日本の老人が老齢化していく世界をリードする時代が来るかもしれない。調査の結果、日本人の7割以上は欧米より長く65才から70才位まで働きたいと答えたと報じている。私が子供の頃周りを見渡して年をとっても皆野良に出ていたが未だにその精神は失われていないようだ。もしかしたらこれは世界に誇るべき稀で凄い文化ではないだろうか。インタビューに答えて三浦氏が70才代のエレベスト登山挑戦を思い立った時「引退生活を引退する」という表現をしていたが、私も今引退生活をしているつもりはないと思うように努めている。■


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