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芥川賞・直木賞(土井卓美)

2013年01月22日 12時35分58秒 | Weblog

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今年の発表された芥川賞・直木賞は例年と比べて少し話題性に富んでいたように思います。
芥川賞の受賞者がこれまでの最高年齢者であると同時に直木賞の方も23歳の新人会社員と前回候補に上がってから19年ぶりに受賞が決まったベテラン作家で、作品同様受賞者の顔ぶれも異色な組み合わせとなっていました。
文学界には実にいろんな賞がありますが知名度とインパクトの強さではこの両賞が群を抜いています。
芥川賞は純文学的な作品に、直木賞は大衆作品にといわれていますが確かに直木賞作家の作品の方が読んで面白いと感じます。
その境界線が何処にあるのか誰にも明確に答えるのは難しいのではないかと思いますが私はふと芥川賞は芭蕉的、直木賞は蕪村的といえるのではないかと思いました。

受賞が決まるとその作家の小説が書店の店頭に山積みにされて人々が買い求め、作家も作品も広く一般に知られるようになります。
これまでも私は発表があるまでその作家も作品も前もって知っていたということは殆どありませんでしたが今回は例外的な事例となりました。
「日経」の連載が始まるまでは受賞作家の「安部龍太郎」も作品のテーマとなった「長谷川等伯」や「松林図屏風」も全く知りませんでした。
しかし連載を読んでいるうちに、このブログでもかつて一度取り上げたように、作品の構成や表現力の確かさに作者の並々ならぬ実力を感じ、最後まで興味深く読み続けました。
その作品と作者が受賞したのですから今回の発表は何だかうれしい気持ちになりました。
その安部龍太郎が1月20日付日本経済新聞の40面文化欄に「直木賞を待つ」という一文を載せていますがその内容も誠に興味深いものでした。