ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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映画「チェンジリング」の感想ですが、実話という免罪符で。

2009年03月24日 21時16分20秒 | 映画レビュー
クリント・イーストウッドの「チェンジリング」の感想をやっと書きます。

これは実話だそうで、戦前にロスで起こった誘拐事件を元に作らているようです。
主役は、アンジェリーナ・ジョリー。
しかも今回は強い母役。
セクシーなシーンも、アクションもなし、いわば文芸大作。大河ドラマに挑む宮崎あおいちゃん、というところでしょうか。
コンセプトは、アンジーを演技派と呼ばせるように、いい芝居をすることにフォーカスする映画を作る、ということだったのではないか。
なんか意地悪な言い方になってるかも知れないけど、そういうつもりではない。
でもアンジーは、陽気でスタイリッシュでセクシーで、アクションもこなす、というミスター&ミセススミスのときのような役柄がいいと思います。

とはいえ、確かに演技力はすごく、強く、政府や警察を敵に回してでも戦うタフさをよく表現していると思った。
それにクリント・イーストウッドらしい、渋く余韻の残るラストシーンも素晴らしい、そこに、先日書いたトランペットの曲がかぶってくるわけだが。

以下ネタバレなので、これから見る人は読まないでー。











ただ、ひとつ言いたいのは「実話」ということで誰も突っ込まないし小説より奇だからしょうがないが、プロット的に、子供の入れ替え、取り違えに、子供側の動機が弱すぎるし、子供が何ヶ月も別の子になり済ます理由が、あまりに弱い。だからこのミステリアスなストーリー構造は、いい役者、いい演技、いい演出があっても、どうもしっくりと来ない、なんかキツネにつままれたまま終わってしまうのであった。その辺の弱さが、どうも「実話」という免罪符で許されているように思えるんだが。


ところで、ジョン・マルコビッチの演技が、これまた素晴らしい。それとアンジーの瞳だ。


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