ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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「別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判 」を読んだ

2012年12月21日 00時59分31秒 | レバレッジリーディング

別海から来た女。

結婚詐欺の連続殺人事件、睡眠導入剤と練炭による連続殺人についての渾身のルポ。
この手の本は全く読まないオレだがRONZAのレビューで絶賛されていたので読んでみた。
たしかに佐野眞の渾身の作品、前半はロードムービータッチ、後半は法廷サスペンスタッチだ。だが怖ろしいことに、これはすべてノンフィクションであるということだ。

希代の女殺人鬼は小太りのブスだが、これが色仕掛けでコロコロオトコを騙すのだった、とこう書くと、フィクションとは言え、ちょっと峰不二子みたいな存在のように思えるかもしれないが、とんでもない、身の毛もよだつような実話であり、さらに怖ろしいことに、犯人には全く人間の心がないように見えるところだ。

サイコパス。良心がなく、良心の意味もわからず、平然と人を殺せる。自分の罪を恐れるどころか、自分が死刑になることすら、特に恐れていないような気配すら感じさせる。そういう人のカタチをした何かが一定割合居るというのは、本当に怖ろしいことだ。

「別海から来た女」というタイトルは非常に素晴らしい、よくできたものだ。別海とは北海道の地名で中標津のすぐ南、野付湾のあるところだが(ツーリングで言ったことがある)読後、再度この本のタイトルを眺めると、善悪のない「別の世界→別界」を連想させる。さらに良くできたタイトルだと感服する。

別海から来た女――木嶋佳苗 悪魔祓いの百日裁判
佐野 眞一
講談社


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