ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

コピーライター・ミュージシャン池谷恵司の公式ブログです。
私的メールマガジン「ほぼ週刊イケヤ新聞」のブログ版です。

松本人志の映画『大日本人』は大傑作なのか問題作なのか失敗作なのかよーわからんで

2007年07月03日 20時20分11秒 | 映画レビュー
大日本人
[監][企][脚][出]松本人志 
[脚]高須光聖 
[出]竹内力  UA  神木隆之介  板尾創路 

[制作データ] 2007松竹
[上映時間] 113分

僭越ながらいつも自信を持ってリコメンドしているこのコーナーですが今回はちょっと、弱気でして。果たして大傑作なのか、駄作なのか、大問題作なのか、再失敗作なのか、未だに判断がつかない不思議な映画です。ただ、見終わった後もいつまでもずっと気になる、ひょっとして、とんでもない禁忌をテーマにしていたのかも、などと背筋が凍ってしまったり。もちろん、妙におかしい喜劇としてみるのが最も素直なのでしょうが、ついいろいろ考えてしまう。やっぱり何かあるんだろうな、この映画には。

監督・主演の松本人志は、もちろんみなさんご存じのことと思います。私、あまりテレビを見ないのですが、それでも「天才」と称されていて、とても人気があることは知っていましたし、雑誌で映画評を連載しているのも時折読んでいました。でも、映画監督となると、テレビ的な「天才」ぶりがどの程度通じるのか疑問だったのですが、前述したように「何かある」事だけは間違いないし、いままで見たことがない映画だな、というのは事実でした。うーん、やっぱりこの人、天才なのかも。

映画のストーリーはこれからご覧になる方のためにまたまた、ちょっと書けませんが、予告編レベルとしてザックリと言えば、某新聞夕刊の4コママンガ、「地球防衛家のヒトビト」みたいなもの。ただ、絶対にあり得ない、という虚構の上であえてインタビュー形式を使って虚と実が入り交じるあたりは相当面白いです。映画中に素人のキャスティングも多く、不思議なリアリティを出しています。キャストといえば、歌手のUAが役者として出ていますがいつも関西弁しかしやべらないUAが標準語を流暢に話していて、やたらとセクシーでカッコよかった。UAは、歌も素晴らしいけど、ぜひまた映画に出てほしいです。

さて、本当に正直な感想を言えば、早く次の監督作品を見てみたい。そうでないと、どうもこの映画がいいのか、悪いのかよく分からないんですよ。この映画をすでにご覧になった方へ。どうですか、面白かったですか?

『大日本人』の公式ホームページは以下です。予告編もこちらでご覧いただけます。
http://www.dainipponjin.com/


「おとなを、休む日」では、お笑い芸人で同時に映画監督、という意味では大先輩にあたる世界でも評価の高い北野武の映画「座頭市」を紹介しています。そちらもぜひご覧ください。
http://www.holiday.yamaha.co.jp/concierge/cinema/017/index.html

ヤマハが提供している音楽配信・ダウンロードサービス「マイサウンド」でUAの楽曲がダウンロードできます。試聴も行えますのでぜひアクセスしてみてください。以前このメルマガでもリコメンドしましたがサックス奏者菊地成孔との競作「cure jazz」は本当に素晴らしいのでぜひお聴きください。一年聴いても飽きません。
http://mysound.jp/artist/detail/aL5S/


ちなみに菊地成孔さんは「おとなを、休む日」のインタビューコンテンツ「あの人の、休日」に登場しています。とても面白い内容なので、お時間ある時に、そちらもぜひご覧ください。
http://www.holiday.yamaha.co.jp/interview/041/index.html


アメトラ

ビクターエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

11
UA
ビクターエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

スカートの砂
UA, 田村玄一, 佐々木育真, 朝本浩文, 今剛, 大石幸司, 田鹿健太, 土生“TICO”剛, BIG BIRD, こだま和文
ビクターエンタテインメント

このアイテムの詳細を見る

松本人志のシネマ坊主

日経BP出版センター

このアイテムの詳細を見る

松本坊主

ロッキングオン

このアイテムの詳細を見る

松本裁判

ロッキング・オン

このアイテムの詳細を見る

ユニクロのTシャツにECMのギタリストテリエ・リプタルのジャケットがあったけど、誰が分かるのかな。

2007年07月03日 13時21分54秒 | Photo&エッセイ
家の近所にユニクロがあって(下井草店)時々買い物に行くのだが先日そこで、懐かしいレコードジャケットが印刷されたTシャツを見つけた。

ECMというジャズレーベルがある。ドイツのレーベルで、マンフレッド・アイヒャーというプロデューサーが立ち上げた、ヨーロッパのレーベルだ。ECMとはEditon for Contemporary Musicである。新しい音楽のためのレーベルと、高く潔い志が素晴らしい。

設立当初から僕が知るようになった80年代くらいはジャズの中では明らかに異端だった。ジャズといえばBlue NoteやVerveなどが超老舗であって、ロイクであって、マイルス、コルトレーン、そのあたりの主流がかっこよいとされており、ECMはヨーロッパの気取ったクロくないレーベルだった。僕がECMが好きだったのは、パット・メセニーがここから出ていたからだ。

が、その後、現代ジャズの最高峰といえる、ま、世界遺産ですかね、キース・ジャレットのスタンダーズトリオがECMから出るようになって、気づいてみれば権威もクオリティも朽ちていった他のジャズレーベルにかわって、ECMはもっとも良心出来で本格的なジャズを提供するレーベルといわれるようになってきていた。

なんつうか、志ある革新系の市民運動か議員が、市長とかになってしまったような感じ。あ、問題あるだろうか、この発言。

さて、何が言いたかったかというと、80年初頭、僕が京都でバンドをやっていたときに同じバンドの先輩のギタリストに教えてもらったのが、ECMのヨーロッパのエレキギタリストであるテリエ・リプタルである。コンテンポラリーなジャズの中で、ディストーションが効いたギターを弾いていた。マイナーキーで増4度の音にややビブラートをかけるところが、哀愁を感じさせた。ちょっとサンタナ入っているかも。まぁいい、僕が影響を受けたギタリストの独りだ。
しかしテリエ・リプタルってのは、ECMの中にあっても異端で、名前からして北欧のギタリストなんですが、ま、出自はプログレでしょう。ディストーションのかかったストラトで、ガンガン弾くんですが、独特のフレーズと曲の空気感があって、ECM的だ。しかも冒頭の黄色いクルマの写真のジャケットはチェリストとの作品だったとおもう。

それにしてもデザインの素晴らしさは圧倒的ですね。非常に素晴らしい写真をたくさん使っていて、正直言って他の写真集よりもECMのジャケットが写真の勉強になった気がする、ジョエル・マイヤーウィッツとか、平気でジャケット写真に使っているからな。

下の写真のWAVESってのが、僕がまだ十代の頃、拾ってくれた京都のバンドのバンマスが、彼の下宿で聞かせてくれたレコードだ。増4度をかましたときに、ちょっとアーミングでひねりを入れるあたり、影響を受けてるなー。



未知への飛翔
テリエ・リピダル, ミロスラフ・ビトウス, ジャック・ディジョネット
ユニバーサルクラシック

このアイテムの詳細を見る


トゥ・ビー・コンティニュード
テリエ・リピダル, ミロスラフ・ヴィトウス, ジャック・ディジョネット
ユニバーサルクラシック

このアイテムの詳細を見る



ケティル・ビヨルンスタ, デビッド・ダーリング, テリエ・リピダル, ヨン・クリステンセン
ユニバーサルクラシック

このアイテムの詳細を見る


オデッセイ
テリエ・リピダル, スベイヌング・ホーベンシェー, ブリュヌルフ・ブリックス, トールビョーン・スンネ, スベイン・クリスチャンセン
ユニバーサルクラシック

このアイテムの詳細を見る