ほぼ週刊イケヤ新聞ブログ版

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スーパーサイズ・ミーを見た

2005年03月12日 09時16分21秒 | 映画レビュー
スーパーサイズ・ミー

2004年12月25日(土)公開
監督:モーガン・スパーロック
出演:モーガン・スパーロック
配給:クロックワークス=ファントム・フィルム
2004年/米
原題:SUPER SIZE ME
■公式サイト:http://www.supersizeme.jp/
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渋谷での打合せが終わり、その帰りがけにシネマライズに見に行った。
なかなか面白いドキュメンタリー映画だった。

この映画は、人は一ヶ月間、マクドナルドだけを食べて生きていけるかという
人体実験ものだ。マンハッタンに住むこの監督は、一日三食、マクドナルドだけを
食べ続けた。
もちろん実験前に3人の医師と1人の栄養士を用意し、
それぞれ実験前の正常値と実験中の数値を確認するようにしている。

実験前の医師たちは、子供じみた取るに足らない実験で
「体重やコレステロールは上がるだろう、ま、その程度でしょ」と
遊びにつきあうような感覚のようだった。

ところが二週間ですでに数値は危険値に達し、体重も増大。
「肝臓の値が悪い、こんな馬鹿げた実験はやめろ、死んでしまう」
とまで言わせた。
この医師の時の表情が、さすがドキュメンタリー。
映画そのものを壊すようなモーメントを持った発言が
リアルに挿入されるところが、とてもスリリングだった。
でも、それくらいカラダに負荷がかかるのだ、マクドナルドは。

四週間めに近づくと、上記の肉体的な問題に加え、
依存症を発症する。マクドナルドを食べていないときは、不安で
落ち込み、イライラする。そしてマクドナルドを食べると幸せになる。
担当医師(インド系の女医でいい味だしてる)が
「立派な依存症です」とい言っている。
これも恐い。アメリカではマックを毎日利用する人が相当数いる……。

ところで、映画には美しい女性が必要。
ドキュメンタリーでも。
ということがこの監督もわかっているようで、
自分の彼女をわりと映している。
これまた、映画女優的な美しさではまったくないのだが、
なかなかの美人で、かわいくいい感じ。
しかもシェフでベジタリアンと、この映画のヒロインにはうってつけ。
この彼女が、かわいい顔で
「マクドナルドを食べ初めて、彼はあまりセックスを
してくれなくなったの、(ちょっと照れ)ここのところ
いつも私が上なの。彼が疲れてしまうから」
なんていうところが、ちょっとグッときました。

とはいえ、明るいタッチでシリアスなテーマを追いかけているところ
そして巨大企業マクドナルドに対しまったくひるまない態度で個人が
のろしを上げているところが、とても良かった。

それからエンディングテーマのスーパー、スーパー、サイズミーって歌う
フォーキーなロックの曲も良かったな。

というわけで
<★★★★☆>4点(5点満点)

以下、webでの紹介文**************************************************
脂肪宣告!
それでも君は 食べ続けるのか?


果たして人は、ファーストフードだけで生きることができるのか? 監督自らが自分を特大にする実験に挑んだドキュメンタリー。肥満症に悩む女性が、ファーストフード店を訴えた報道を目にしたモーガン・スパーロック監督は、食事を30日間某大手ファーストフード店に限定し、自らを実験台に映画を作ることを思いつく。この実験の間、内科医、胃腸科医、心臓病専門医、栄養士に診察を依頼し、カラダの異変を数値で記録、また全米20都市を回って、学校給食の調理師、体育教師、弁護士などへの取材を敢行、食生活がどれだけ人間形成に影響を与えるか検証した。