ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

いい湯だな♪(1)

2009年11月10日 23時17分27秒 | Weblog
9月の5連休、八ヶ岳のメンバー4人でまたまたツーリングへと出かけた。
今回の目的はズバリ「温泉」と「米沢牛」!
されど温泉とは言っても、将に秘湯中の秘湯と呼ばれる「姥湯温泉」。
もちろん自分にとっては初耳の温泉名。
事前にネットで調べてみれば、「なんじゃぁここは!!」と思わず言ってしまいそうな山中奥深いところにある温泉だった。

当日は快晴。しかし日帰り往復としてはかなりの遠距離となるため、朝の6時30分に家を出発した。
7時にO氏宅で合流。先ずは2人で那須高原SAまで行き、そこで全員集合という形をとった。
O氏と会った朝は9月半ばの残暑の時季だったが、走れば風の冷たさが身にしみる。Gパンだけでは心許なく、防風防寒としてレインパンツを履かざるを得なかった。

できるだけ信号の少ないルートで走った。
先頭はO氏。さっそくデジカメを取りだし、レンズを後ろに向けパチリ!
それにしても、よくできるなぁといつも感心させられる。
実際にやったことはあるが、交通量が少ないことが条件だけでなく、ライダーグローブが薄手でなければ、あの小さなボタン、スイッチ類を操作することはできない。ましてやこの季節、走っていれば体感気温はかなり低い。手指の冷たさはそれなりのものだろう。
う~ん、やっぱ(俺には)できない。

以前にもこのブログで綴ったことはあるが、この写真が本当にありがたいのだ!
写真として思い出に残せるだけでなく、BGMとテロップ付きの写真、プラス動画も織り交ぜたDVDとなって生まれ変わるのであ~る。ジャジャ~ン!

土に触れるということ(2)

2009年11月09日 21時06分19秒 | Weblog
春に咲く花の8割ほどは、毎年同じだ。
パンジーとビオラを中心に、アイフェイオン、ムスカリ、キンギョソウ、チューリップ、アネモネ、クロッカス、ヒヤシンス、デージーなど。
どちらかと言えば手入れが楽な花を選んでいるが、それでも花が枯れれば茎の部分から切り取らなければ、新しい花の芽が出にくくなってしまう。
開花の最盛期にもなれば、これが結構面倒なのだ。

今回はパンジーを増やした。
プランターを含めれば、苗の数は80を超えたろうか。
それなりに出費もかさむのが悩みだが、やはり一面パンジーが咲き誇る花壇を想像すると、出費も痛くはない(少し痛い)。

花壇だけで約50個の苗を購入した。
耕した土にラインを引き、一定の等間隔で植えた。
穴を掘り元肥をまく。少し土をかぶせ、その上に苗を置く。そして隙間に土を入れて行くという作業工程を延々と繰り返した。
初めは軍手を使用していたが、途中からは素手で行った。
手指は汚れ爪は黒くなるが、決して嫌ではない。
素手で行うことで、直接苗に触れることができる。
より丁寧に扱うことができそうな気がしているからだ。

いつもながら迷うのが「配色」だ。
同じ色ばかりじゃ変化がない。春ならではのカラフルさがほしい。
いや、いっそジュビロカラーのサックスブルー系と、代表カラーのジャパンブルーで統一しちまおうかと、毎年悩んでいる・・・が、結局はやめている。
ひとつだけこだわりがあり、チューリップの周りには必ずブルー系のパンジーを植えている。
理由は簡単だ。
チューリップには「青」は無い。
カラフルなチューリップに対して青の花で縁取っているのだ。
更には花同士の高低差も利用できるしね。

本当であれば、憧れのイングリッシュガーデン・・・、金と時間と土地があれば一度はやってみたい。

土に触れるということ(1)

2009年11月08日 22時36分03秒 | Weblog
我が家には畑はない。ささやかな庭があるだけ。
その小さな庭を年に二度、大がかりな草花の植え替えをすることが、自分にとっての年中行事の様になっている。
プランターを含め、除草、土の入れ替えやならし、プランターの数と花壇の面積からの苗や球根の数を割り出しての買い出しなどを含めると、丸三日はかかってしまう。
昼間に終わらなければ、プランター類だけは家の外灯とガスランタン、ヘッドランプを用いて夜に行っている。

嫌になることだってある。
「なんでこんなことやってるんだろう。もっとこぢんまりとやれば楽なのに。」
そう思いながら、ガーデニングの本を見ては「へぇ~こんな寄せ植えいいなぁ。」「そっか、段違いに花壇を造るにはこの手があったか。」などと、新しい工夫に興味をそそられている。

今年の夏は少しだけ花壇を拡張した。
拡張というのは大袈裟で、畳半畳ほどの面積分、縁取り用のブロックを延長したに過ぎない。
それでも一本だけコニファーが日陰になってしまうことから、それを切り根から掘り起こした。そして「水平器」を用いて高低のバランスを計り、ブロックをつないでいった。
ブロックがぶれないよう固定したり、新しい土を入れなじませたりと、たった半畳の花壇作りに半日かかってしまった。
炎天下での作業、「なんでこんなこと・・・」と思いながらも不思議な安堵感と嬉しさをもちながら作業を進めていった。
「腐葉土」を混ぜたり、深く掘って土を軟化させているとき。つまりは土に触れていると気分が落ち着くのだ。
そしてこれからここに苗を植え、水をやり、やがては花が咲く。その状態を想像すると、思わずニンマリとしてしまうのだ。
汗をかき、一人で土をいじりながらの一人笑い。なんて不気味な光景だろう。

春の花の苗植え作業。やっと今日で終わった。
腰が痛い(笑)。



平ヶ岳・・・その後の二人

2009年11月07日 00時34分24秒 | Weblog
後日談として綴る。

下山した翌日は、二人とも出勤。
さすが身体能力抜群のO氏。疲れも見せずまだまだ元気。
自分はと言えば、少々の疲労も残っているが、それよりは左膝の痛みがひどかった。
当然冷湿布などは何の意味もなく、固定して安静にしているのが一番。
だが、その冷湿布を、一見何の意味もないと思われる部位にしている人がいた。
O氏だ(笑)。
TA「お疲れさんでした! ん?どうしたんですかその冷湿布は?」
O氏「いやぁ~参りましたよ。『うるし』ですよ。どう治療しても2週間はかかるんですよね。痒くて痒くてたまらないんです。冷やすことで痒みが軽減されるんですよ。ワッハッハ!」

両肘の内側に冷湿布をし、ネットで固定していた。
この残暑、相当痒いんだろうと容易に想像できた。

さて自分のことになるが、下山後に一時的ではあったものの、体調が急変した。
いや、いい意味での急変だったのだ。
とにかく腹が減る。どんなに食べても腹が減る。24時間腹が減る。何が何でも腹が減る。
あれほど腹が減り、飯を詰め込んだのは20代の時以来だろう。
どう説明すれば良いのかわからないが、疲労の極限に近い状態まで体を追い込んだせいか、体内中の老廃物が汗と共に一気に体外へ流れ出てしまったような感じなのだ。
食べても食べても体は軽い。夜は熟睡できる。
「俺は今健康だ!」と叫びたいほど体調の良さがわかる。
しかし、その体調の良さも2週間ともたなかった。
もとより夜型人間。仕事の多忙さも重なり、「俺は今不健康だ・・・」と自覚できるようになってしまった。

それにしても、あの下山後の体調の良さは一体なんだったんだろう。
どう考えても登山が直接影響していることは確かだ。
サウナとは違って、体を動かすことによる大量の発汗が大きな要因なんだろうと考える。
であれば、年に一度の登山も決して悪くはないかも・・・。

平ヶ岳:ショートカットルート

2009年11月04日 23時49分18秒 | Weblog
我々二人が歩いたルートは、往路で平均約6時間。復路で約5時間ほどかかる。
もちろんこれには途中の休憩時間は含まれていない。
それが、なんと往路で2~3時間もあれば平ヶ岳山頂まで着いてしまうという魔法の楽々ルートがあるのだ!!!
ちょっと調べてみた。
このショートカットルート、通称「皇太子ルート」と呼ばれているらしい。
おそらくは、山頂で出くわしたおばさんの団体様御一行は、このルートを通っての登頂だったのだ。

このショートカットルート。かつて皇太子様が日本百名山の一つである平ヶ岳に登ると決まって、宮内庁から当時の環境庁と新潟県に「安全な登山道」を作るよう下知があり、そのためだけに作られたルートらしい。
しかも「見通しの良いこと」が至上命令だったらしい。
そして「たまご石」の迷惑極まる巨大看板(説明書き)も、そのために設置されたと言うことだ。
皇太子様は「登山」が趣味であることは私も知っている。
だがこの場合の「登山」とは、史上希に見る拡大解釈をし、「ハイキング」や「さんぽ」的な意味合いも含まれることに留意されたい。

ここからは私の推測として綴る。
当時の環境庁と新潟県にとっては、名誉なことなのか迷惑なことなのかは知らないが、「皇太子様に怪我があってはならない」「県の美しさをアピールしなければならない」「たまご石をよく知ってもらわなければならない」と、『税金』を湯水のように遣いショートカットルートを新設したのだろう。
「どうかお怪我だけはしませんように。もしお怪我でもされたら、私たちの首が飛んでしまいます。」
たった一人の為だけに『血税』を遣って道無きところに道を作る。
なんと素晴らしい人愛精神だろう!
そして皇太子様は、このショートカットされた、極めて安全で、極めて見通しと景色の良い登山道を歩き、軽~くほどよい汗をかき、わずか2~3時間ほどで登頂されたのだ。
また、たまご石の巨大看板の前では、景観の損傷などには負けず「知識」で心と頭を満たされたのだろう。
万が一の為に「ヘリコプター」を常時待機。登山のベテラン達が同行し、詳細な説明を受る。そして、「百名山とは、平ヶ岳とはこんなにも楽に登れる山なのか」と感動したに違いない。

こんな話しを知った。
とある山荘の主人へ宮内庁から下知があった。
「皇太子様のためだけに、新しいトイレと風呂を作るように。」と。
山荘の主人は一世一代の名誉とばかりに、多額の借金を顧みず、山頂には全く不似合いな豪華なトイレと風呂を新設したらしい。
素晴らしい!将に美談ではないか。
たった一人の為にこうまで尽くせるとは。

最後に一言だけ。
皇太子様。どうかもっと多くの山にお登り下さい。
あなたの知らないところで、あなたの為だけに『血税』で作られた、絶対に怪我をすることのない安全な登山ルートが、ほんの少しの汗をかくだけで登れる楽なルートが、後に下々の者のお役に立つのです。
でも、私はそのルートは利用いたしません。
私なんぞ、恐れ多くて足を踏み入れることなどできません。
膝の怪我ですか? 
いいんです。身から出た錆ですから。気になさらないで下さい。痛みと苦労をして得た、本物の感動を伴う登山が好きなだけです。
ザックの重量ですか?
いいんです。山水で湯を沸かし仲間と珈琲を飲むことが好きなんです。山水で米をとぎ、炊いた飯の美味さが忘れられないんです。下痢など当たり前ですから。
それに寒さを堪えてテントで寝ることがたまらなく好きなんです。
たぶんこれからもそんな登山しかできません。
何故なら、無駄な登山ルートを全国に作るために税金税金で搾り取られ、持ち金などありませんから。

 

登山用具(3)

2009年11月03日 22時00分41秒 | Weblog
すべての道具、用具にはそれぞれ「ランク」があり、値が張ればそれだけ高性能高機能と言ってよい(物が多い)。
値が張る物でも、1シーズン前の物を購入すればそれなりの低価格で手に入れることができる。
しかし、時期や必要性、目的などの要因から、高価格でもどうしても購入しなければならない場合がある。
その一つが「テント」だ。
テントはある意味値段を無視しなければならない場合がある。
何故なら、最悪の気象条件を想定し、それに耐えうる代物を購入することが最低、そして絶対条件だからだ。
また、店舗に行き、実際に設営してみることがよりベターな登山への一歩となる。
細かなことを言えば、第一には「防水性」。他に「居住性」「耐風性」「保湿性」「設営、撤収の簡易性」「重量、コンパクト性」「通気性」。そして用途と目的に見合った物を実際の目で見て、購入前に自分で設営し、中で体を横たえてみることができれば最高だろう。

私が持っているテントは残念ながら登山用ではない。
軽登山程度なら問題はないが、あくまでツーリング用に買った物。
一人が寝て、荷物を置けば中はもう一杯状態。防水性の高い物を買ったが、できれば2人まで寝ることができる物の方が良かったかな・・・。
スペースの快適さを無視してしまったことで、テントの中での身動きにかなりの制限が生まれてしまったのだ。

さて、テントと同様に重要なアイテム。「登山靴」がある。
これだけは他のシューズで代用してはいけない。
山は歩くことから始まり、様々な条件下のルートが存在している。むしろ「悪条件のルート」と言ってよいかも・・・。
岩場(ガレ場)などでは、岩の角に足のかかとがぶつかっても痛くもかゆくもない登山靴。それなりに考えて作られているのだ。
今のトレッキングシューズは布製でも丈夫で軽量。しかも低価格で購入することができる。
二十数年前に新大久保駅前の「ICI石井スポ」で買った本格的な革製の登山靴は、完璧なまでの丈夫さはあるが、重く、しかも片手では買えない値段だった。
いい時代になったものだ。

自分の足のサイズ、幅、甲、くるぶし、かかと、親指と小指の外側など、ありとあらゆる箇所にできるだけ合った物を選び、店の専門スタッフのアドバイスを素直に聞き入れることが、快適な登山への近道だろう。
また、数回履いた物でも、使用前には実際に履いて数キロ歩いてみることが大切だ。
これは決して大袈裟な行動ではなく、「歩かなければ登山にならない」基本中の基本を忘れないために、そしてより安全に、より快適に山を楽しむためには必要なことだと考えている。

登山用具(2)

2009年11月02日 20時27分19秒 | Weblog
夏山の場合、基本的に衣服の数はそれほど多くは必要ない。
晴天の昼間ならTシャツ一枚あれば十分に過ごすことができる。(富士山などは別)
まぁ「うるし」などにかぶれやすい人は、Tシャツの上に長袖シャツを重ね着することをお勧めするが(笑)。
自分の場合、細身の体でありザックが肩に食い込む。そのため少しでも肩への負担を軽減するためにシャツは2枚着ていたが、「着ないよりはまし」的だったろうか。
だが、いくら夏山とはいえ日数分のシャツ+予備のシャツだけは必要だ。
汗をかいてシャツが濡れるのは必然だし、ましてや山の天候は急変する。どしゃ降りの雨などあっという間にやってくる。
いくらすぐ取り出せるところに雨具をしまっておいたとしても、間に合わないこともあるだろう。
体が濡れれば当然体温を奪われ、疲労は倍増。直接肌に触れるものだけに、汗以外でシャツを濡らすことだけは絶対に避けたいものだ。

今回は予備のTシャツ一枚、トレーナー、ウィンドブレーカーを持って行った。
それはそれで正解だったが、できれば薄手の「フリース」を一枚持って行くべきだった。
明け方の冷えを甘く見ていたのだ。
とは言っても、前述のシュラフの一件があってのことだが。

衣類ついでにもう一つ。
あって重宝する物がある。荷物にはならないし、ポケットに入れて歩くことも可能な代物。
「バンダナ」だ。
頭にかぶって「日よけ」。ちょっとの雨なら「帽子の代用」。たたんで巻きつければ「汗止め」。もちろん手ふき。三角巾。止血用等々、将に万能タイプの布きれと言える。
3~4枚あっても決して邪魔にはならないしね。

おっと、大切なアイテムを忘れていた。
私もO氏も、ある意味かなりのこだわりを持っているアイテム。
「ナイフ」だ。
一昔前と比べればかなり購入しにくくなった代物で、昨今では大きな社会問題にもなってしまっている。実に悲しいことだ。

ナイフとは、男にとって大なり小なり憧れの一品だと思う。
手にしただけで少年が少し大人になったような気持ちになることができる。
キャンプなどで調理に使ったり、ロープを切ったり、木を削るなどしたら、それこそ冒険映画の主人公になった気分を味わうことができる(かな?)。
また、このナイフを研ぐことが実に楽しいのだ。
研ぎ方のHOW TOをネットや書籍で調べ、たとえ自己流になってしまったとしても、それはそれで自己満足できる。
私の場合、3種類の砥石を使用しており、ナイフを研ぐついでに台所の包丁や果物ナイフも研いでいる。
そう、これが自己満足ってやつ(笑)。
購入の度に、自分の住所氏名などを店に知らせなくてはならない。すでに何度も記帳してきたが、女房に言わせれば「またナイフ? 同じような物ばかりじゃない。」
おっと待ってくれ! これが微妙に違うんだな。
食物用に使うにしても、肉類用、魚をさばくため用等々があり、工具専用として使うものもあるんだな♪
女性にこの魅力が分かるかな?

登山用具(1)

2009年11月01日 20時12分27秒 | Weblog
今回の平ヶ岳へのアタックでは、多くの反省すべき点が残った。
自分の体力等は一応置いておいて・・・(笑)。
先ず第一に各アイテムだ。
過去における登山では、バーナーやランタンなどは仲間が所有していたため、あらためて自分が購入する必要がなかった。
現在使用している物は、家族でキャンプに出かけるために購入した、いわば「ファミリーキャンプ」向きで、車やバイクで出かけるには特に荷物にはならない物だ。
しかし登山となるとかさばるだけの代物。
やはり山には山の物。3シーズンであるなら、できれば「オールインワン」と呼ばれている小型軽量タイプがベストに近いだろうか。
ランタンに関しては、カートリッジガスタイプではなく、小型でも強力な光源を持つ「LED」を持って行った。これが抜群の効力を発揮!
手に触れても熱くなく、小型軽量で驚くほどの明るさを得ることができた。

次にシュラフ。
これには少々腹の立つ出来事がある。
自分は3シーズンタイプと夏専用タイプの2種類を所有しているが、今回は夏も終わりということで、3シーズンタイプを持って行くはずだった。
当初もう一人一緒に登る予定の仲間がおり、そいつは全くの初心者。それ故に、私の3シーズンタイプのシュラフを貸してやった。自分は夏専用の物でいい。着込んで寝れば何とか大丈夫だろう。
だが、そいつが仕事の都合で行けなくなり、それなら貸してある3シーズンタイプを持って行こうと連絡をしたが、全く連絡がとれなかった。
メールをしても、留守電を入れても返事がない。
それでしかたなく夏用のシュラフを持って行くことになったのだ。
寒さで何度目が覚めたことか。事実を言えば熟睡などできなかった。
下山後に本人に会うことができ、メールや留守電のことを聞くと「あっ、入ってましたね。すみません。」と一言。
この時ばかりはあまりに腹が立ち怒鳴りつけてやった。
「バカ野郎!笑いながら謝ってるんじゃないよ。出発の一週間も前から連絡してるのに気がつかないわけないだろう。何とぼけてんだ。行けないのなら行けないでしかたない。でもな、貸してある俺の荷物をおまえから受け取れない為に、俺がどれだけひどい目に遭ったかわかってるんか。この時期の2000メートルの山がどれだけ冷えるか。命に関わるんだよ。おまえ山をなめてんじゃねえぞ!!!」
それ以来、そいつとは挨拶以外に会話を交わしていない。
夏山とはいえ、生命に関わってくることだけに俺は未だ心からは許していない。
笑いながら謝ることが許せないのだ。