カタワレ時
黄昏時
映画『君の名は。』
昨日、10月1日は映画の日。
映画を1,100円で楽しめる、
小遣いの少ないオヤジにとってうれしい一日。
今回は、公開1カ月で興行収入100億円を超えた
(宮崎駿に続いて2人目の快挙!)という、
話題の映画『君の名は。』を観てきた。
映画『君の名は。』スペシャルガイドブック
↓映画『君の名は。』については、こちら↓
映画『君の名は。』公式サイト
※以下、映画のネタバレがありますので、
ご注意ください。
この映画のキーワードの一つに
「カタワレ時=黄昏時(たそがれどき)」
がある。
「黄昏時」とは夕方、
薄暗くなってきて人の顔が見えにくく(分かりづらく)なった時に
「あなたは誰ですか?」とたずねる頃という意味。
「あなたは誰ですか?」を意味する「誰そ彼(たれそかれ)」が
「たそかれ」になり、「たそがれ」になったそうじゃ。
この時間はまた、「逢魔が時(おうまがとき)」ともいう。
昼間は人間のための時間で、
夜は魔物のための時間。
夕方になると魔物が出てくるため、
その魔物に出逢ってしまうかもしれないという、
ちょっと怖い時間帯。
アメリカで放映されたSFテレビドラマシリーズ『トワイライトゾーン』も、
「昼」でも「夜」でもなく、
その間にあってあいまいな時間の「黄昏時」を、
「怪異が起こる時間」として名づけられたそうじゃ。
映画の中では、古典の授業で、
「黄昏時(たそがれどき)」は
「この世ならざる者に出会える時間」
という説明をされとったのう。
三葉(みつは)が住む糸守町では、
「黄昏時」のことを「カタワレ時」とも呼んでいた。
「カタワレ時」は、「誰そ彼」と同じ意味の
「彼は誰時(かはたれどき)」
からできた言葉と解釈することもできる。
「かはたれどき」から
「かたわれ時」に変化して、
「カタワレ時」になったというわけじゃ。
が、この糸守町独自の方言とされる「カタワレ時」に、
重要な意味が隠されとった!
実は、この映画を見る前、
男子高校生・瀧(たき)と女子高生・三葉(みつは)
の体が入れ替わって起こるドタバタ劇という、
映画『転校生』(1982年、監督:大林宣彦)的なイメージを持っとった。
確かに前半はそんな展開じゃったが
後半、予想外の展開が待っていた!
ある日を境に、
ふたりの体が入れ替わりがなくなり、
連絡が取れなくなってしまう。
それをきっかけに瀧が調べてみると、
相手の三葉は3年前、
千年に一度の周期で訪れる彗星の落下によって
町の一部が吹き飛ばされるという事故で亡くなっていた
という衝撃の事実が!!
彗星自体じゃのうて、
彗星から割れた(分かれた)破片が地上に落下して、
事故が起きたんじゃがの。
「黄昏時」のことを、
糸守町独自の方言で「カタワレ時」という。
彗星が「割れる時」という意味で、
「カタワレ時」言葉が使われとったようじゃ。
瀧は、その彗星の落下事故に巻き込まれる前の、
今から3年前の三葉と入れ替わりをしていたということになる。
実は、三葉は神社の娘(巫女さん)で、
祖母も母親も、少女時代に入れ替わりを体験しとる
という設定になっとるんじゃ。
なぜそんなことができたかというと、
彗星からの災害を予知して、それを回避するため
だと思われるんじゃの。
…災害からの回避?
映画の終盤、
ふたたび三葉と体が入れ替わった瀧は、
三葉を、そして三葉が住む糸守町の人たちを
生き延びさせようと奮闘する。
そんな中、瀧と三葉は、
3年の時を超えて
神社の御神体(ごしんたい)のある山の上で出会う。
ふたりがお互いに会うことができた時間こそが、
「黄昏時」という、
ほんの短い時間じゃった。
名前を忘れないようにと
お互いの手のひらに名前を書いている途中で
この時間は突然、
途切れてしまう。
瀧と三葉の奮闘のおかげで、
糸守町は最悪の被害からまぬがれることができた。
つまり、歴史を変えることができたんじゃ。
その反動か、お互いの名前を忘れてしまったうえ、
この時の記憶も薄れてしまい、
5年の月日が流れる。
「誰かを探しているかのような感覚」
だけを心の中に残したままで。
そんなある日の東京、電車のすれ違い様、
瀧と三葉は目が合ったとき何かを思い出し、
電車から降りたふたりはお互いを探し出す。
「黄昏時」とは夕方、
薄暗くなってきて人の顔が見えにくく(分かりづらく)なった時に
「あなたは誰ですか?」とたずねる頃という意味。
誰かわからない相手の姿が、
ぼんやりとしか見えない。
そこで、「あなたは誰?」とたずねる。
映画の中で、三葉のノートに
「おまえは誰だ?」
と瀧が殴り書きしたようなもの。
ふたりがお互いを探し出したとき、
口をついて出てきた言葉が、
映画のタイトルと同じ
「君の(あなたの)名は?」
だった。
↓監督の新海 誠氏については、こちら↓
Other voices-遠い声-
監督の新海 誠(しんかい まこと)氏の作品は、
『ほしのこえ』(2002年)
『雲の向こう、約束の場所』(2004年)
『言の葉の庭』(2013年)
と観てきたが、
今回のようなハッピーエンド!
の作品もえかったのう。
新海監督自身の手による編集で
映像と曲のタイミングが合わせてあって、
このあたりも今までになかったように思います。
最後になりましたが、
映画『秒速5センチメートル』が、
10月31日(月)をもって閉館するシネツインの
「さよなら興行」で10月15日(土)から上映されます。
この機会に、ぜひ!
↓シネツインについては、こちら↓
広島の映画館サロンシネマ、シネツイン、八丁座
今日は、バルト11で上映中の映画『君の名は。』を、
「カタワレ時(黄昏時)」をキーワードに話をさせてもらいました。
ほいじゃあ、またの。
黄昏時
映画『君の名は。』
昨日、10月1日は映画の日。
映画を1,100円で楽しめる、
小遣いの少ないオヤジにとってうれしい一日。
今回は、公開1カ月で興行収入100億円を超えた
(宮崎駿に続いて2人目の快挙!)という、
話題の映画『君の名は。』を観てきた。
映画『君の名は。』スペシャルガイドブック
↓映画『君の名は。』については、こちら↓
映画『君の名は。』公式サイト
※以下、映画のネタバレがありますので、
ご注意ください。
この映画のキーワードの一つに
「カタワレ時=黄昏時(たそがれどき)」
がある。
「黄昏時」とは夕方、
薄暗くなってきて人の顔が見えにくく(分かりづらく)なった時に
「あなたは誰ですか?」とたずねる頃という意味。
「あなたは誰ですか?」を意味する「誰そ彼(たれそかれ)」が
「たそかれ」になり、「たそがれ」になったそうじゃ。
この時間はまた、「逢魔が時(おうまがとき)」ともいう。
昼間は人間のための時間で、
夜は魔物のための時間。
夕方になると魔物が出てくるため、
その魔物に出逢ってしまうかもしれないという、
ちょっと怖い時間帯。
アメリカで放映されたSFテレビドラマシリーズ『トワイライトゾーン』も、
「昼」でも「夜」でもなく、
その間にあってあいまいな時間の「黄昏時」を、
「怪異が起こる時間」として名づけられたそうじゃ。
映画の中では、古典の授業で、
「黄昏時(たそがれどき)」は
「この世ならざる者に出会える時間」
という説明をされとったのう。
三葉(みつは)が住む糸守町では、
「黄昏時」のことを「カタワレ時」とも呼んでいた。
「カタワレ時」は、「誰そ彼」と同じ意味の
「彼は誰時(かはたれどき)」
からできた言葉と解釈することもできる。
「かはたれどき」から
「かたわれ時」に変化して、
「カタワレ時」になったというわけじゃ。
が、この糸守町独自の方言とされる「カタワレ時」に、
重要な意味が隠されとった!
実は、この映画を見る前、
男子高校生・瀧(たき)と女子高生・三葉(みつは)
の体が入れ替わって起こるドタバタ劇という、
映画『転校生』(1982年、監督:大林宣彦)的なイメージを持っとった。
確かに前半はそんな展開じゃったが
後半、予想外の展開が待っていた!
ある日を境に、
ふたりの体が入れ替わりがなくなり、
連絡が取れなくなってしまう。
それをきっかけに瀧が調べてみると、
相手の三葉は3年前、
千年に一度の周期で訪れる彗星の落下によって
町の一部が吹き飛ばされるという事故で亡くなっていた
という衝撃の事実が!!
彗星自体じゃのうて、
彗星から割れた(分かれた)破片が地上に落下して、
事故が起きたんじゃがの。
「黄昏時」のことを、
糸守町独自の方言で「カタワレ時」という。
彗星が「割れる時」という意味で、
「カタワレ時」言葉が使われとったようじゃ。
瀧は、その彗星の落下事故に巻き込まれる前の、
今から3年前の三葉と入れ替わりをしていたということになる。
実は、三葉は神社の娘(巫女さん)で、
祖母も母親も、少女時代に入れ替わりを体験しとる
という設定になっとるんじゃ。
なぜそんなことができたかというと、
彗星からの災害を予知して、それを回避するため
だと思われるんじゃの。
…災害からの回避?
映画の終盤、
ふたたび三葉と体が入れ替わった瀧は、
三葉を、そして三葉が住む糸守町の人たちを
生き延びさせようと奮闘する。
そんな中、瀧と三葉は、
3年の時を超えて
神社の御神体(ごしんたい)のある山の上で出会う。
ふたりがお互いに会うことができた時間こそが、
「黄昏時」という、
ほんの短い時間じゃった。
名前を忘れないようにと
お互いの手のひらに名前を書いている途中で
この時間は突然、
途切れてしまう。
瀧と三葉の奮闘のおかげで、
糸守町は最悪の被害からまぬがれることができた。
つまり、歴史を変えることができたんじゃ。
その反動か、お互いの名前を忘れてしまったうえ、
この時の記憶も薄れてしまい、
5年の月日が流れる。
「誰かを探しているかのような感覚」
だけを心の中に残したままで。
そんなある日の東京、電車のすれ違い様、
瀧と三葉は目が合ったとき何かを思い出し、
電車から降りたふたりはお互いを探し出す。
「黄昏時」とは夕方、
薄暗くなってきて人の顔が見えにくく(分かりづらく)なった時に
「あなたは誰ですか?」とたずねる頃という意味。
誰かわからない相手の姿が、
ぼんやりとしか見えない。
そこで、「あなたは誰?」とたずねる。
映画の中で、三葉のノートに
「おまえは誰だ?」
と瀧が殴り書きしたようなもの。
ふたりがお互いを探し出したとき、
口をついて出てきた言葉が、
映画のタイトルと同じ
「君の(あなたの)名は?」
だった。
↓監督の新海 誠氏については、こちら↓
Other voices-遠い声-
監督の新海 誠(しんかい まこと)氏の作品は、
『ほしのこえ』(2002年)
『雲の向こう、約束の場所』(2004年)
『言の葉の庭』(2013年)
と観てきたが、
今回のようなハッピーエンド!
の作品もえかったのう。
新海監督自身の手による編集で
映像と曲のタイミングが合わせてあって、
このあたりも今までになかったように思います。
最後になりましたが、
映画『秒速5センチメートル』が、
10月31日(月)をもって閉館するシネツインの
「さよなら興行」で10月15日(土)から上映されます。
この機会に、ぜひ!
↓シネツインについては、こちら↓
広島の映画館サロンシネマ、シネツイン、八丁座
今日は、バルト11で上映中の映画『君の名は。』を、
「カタワレ時(黄昏時)」をキーワードに話をさせてもらいました。
ほいじゃあ、またの。