タイトル---「敬天愛人」について。第1161号 24.02.24(金)
「敬天愛人」について
南洲翁の信条と言われる基本的な考え方である。敬天愛人が分かれば、西郷先生が分かる。西郷先生が分かれば敬天愛人が分かる。敬天愛人が分かれば東洋思想が分かる。又儒教にも、仏教にも、キリスト教にも相通ずるものである。この道は天地自然の道であると申されておる。即ち人間が作った道ではなく、人間が長い間に天地自然から学びとったもので、まさに天地の道理そのものである。したがって人間の本性に根ざした人の道を意味するものと考えることが出来る。それを行わなければ人間ではなくなるとも言えるものである。これが南洲翁の教えられた敬天愛人の道であるように思われる。(小野寺時雄著『南洲翁遺訓』)
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西郷隆盛の教えと言われる『南洲翁遺訓』も天地の道理を説いています。これは人間に必要な道徳的学問・人格学を説いているのです。だから人間学というのです。この『南洲翁遺訓』の生成の過程では、大変な労苦があったのです。西郷隆盛と胸襟を開いて語り合った菅実秀先生がいたからこそ、『南洲翁遺訓』刊行の運びとなったのです。
こういった厳粛な事実を食い物にして、功名を得ようとして『南洲翁遺訓』を改竄するようなことがあってはならないのです。こういう輩は歴史を都合のいいように私物化しているのです。遠からず天のいかりを受けることでしょう。