沖縄の魔よけとまじない その⑤『植物』

2007年11月10日 00時05分42秒 | 沖縄現地情報
 
沖縄では、旧暦の8月「柴差し」の時に、魔よけとして「ススキ」と「桑の葉」を家々蔵々に刺します。
ススキには、「すくすくと盛生して他の雑草を圧していく」、「その葉が剣と似ている」の意味があり、強いものの象徴になっています。
 
桑の葉は、その木の呪力から来るもので、もとは、中国古来の聖樹とする信仰に基づきます。

ススキの葉を2~3本束ね、その葉の先を折り曲げて結んだもの(「ゲーン」と呼ぶ)に桑の葉を添えて呪物とするのが一般的なやり方です。それを門・家・屋敷の四隅、畜舎に立てて魔よけとします。

最近は、桑の葉を添えない物、桑の代わりにゲッキツ(月橘:ミカン科)の小枝を添えたものも見られます。
「ゲーン」は、その葉の先を十字に結ぶ事によって「アザカ」として魔よけになります。
 写真は、すべて津堅島です。
私は、このようなものを最初は、ススキの葉が枯れていて、何の呪いか不思議でした。少しずつ知るにつけて、沖縄の人々の「信仰心」の深さや「純粋さ」を理解出来るようになりました。本土では忘れられた心が沖縄にはまだ残っているのです。