沖縄の魔よけとまじない その④『貝』(2)「スイジ貝」

2007年11月09日 00時05分36秒 | 沖縄現地情報
 那覇市大道
「スイジ貝」とは、6本の鉤(かぎ)状の突起を持った大型巻貝で、類似のクモ貝(7本の鉤状突起を持つ)や小型のイモ貝とともに、その突起の部分が異形である事に加えて、殻口の部分が女陰に似ている事から呪力が信じられ、魔よけとして用いられたと見られる。
 那覇市桜坂
沖縄では、様々な魔よけに用いられている。多く見られるのは、シャコ貝と同様に、門に立てたり、紐で吊るしたりして、家・屋敷の魔除にしている。
 那覇市首里赤田
次に、スイジ貝が取り付けられる事が多い所は、フール(豚小屋兼便所)である。豚の分娩の時に吊るしたという所もあるが、多くの場合、豚コレラまたは豚疸毒といった豚の病気が流行した時に吊るした。
那覇市牧志
豚だけでなく、人間がモノモライにかかった時、患者自身がスイジ貝を軒先に吊るして、後を振り返らずに帰って来ると治ると言われた。
子供が夜泣きをする時は、スイジ貝をフールに吊るすと泣き止むとも言われた。
※山里純一著「沖縄の魔除けとまじない」より