平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2014年5月4日 弱さではすまされないが・・

2014年05月10日 21時46分04秒 | Weblog
弱さではすまされないが・・

 テレビの映像には、傾いている客船から下着姿で救助船に乗り移る一人の憐れな男の姿があった。あれが、その船の船長だった。船内には、また、何百人もの人々が取り残されていることがわかっていただろう。下着姿だったから、寝起きだったのか、海に放り出されても動きやすいように準備していたのか、助けられた時、どうも一般人と言ったそうだ。
 一方、危ないから動くなと言われていた乗客たちは、その指示に従って、命を落とした。実に気の毒なことであった。キリスト者の多い国だから、乗客たちの中には、キリスト教徒もいたであろうが、祈りつつ、召されていった方々もいたかもしれない。また、船会社のオーナーが、キリスト教の異端の一派の指導者と聞いて、これもまた複雑な心境になった。
 そして、この船会社の従業員の多くがこの異端の信徒だったというから、胸ふさがる心地だ。その教えは、一旦救われた者は、罪を犯しても悔い改めなくてもよいということらしい。だから、この船長も乗客たちを見捨てて逃げてしまったのか、とテレビの出演者が言っていた。ああ、そうかもしれないが、しかし、それとは関係なく、彼自身、船長としての責任感も誇りもそのときにはなくなっていたのだろう。そして、咄嗟のことで自分が助かりたい一心だったのだろう。
 ひとの弱さを思わないではおれない。私もまた教会の舵を託されている者として、その責任を常に問われていることを改めて自覚しよう。


平良師