故郷、そして帰郷・・
魯迅の「故郷」という短編小説がある。私の好きな作品だ。現在住んでいる都市部へ転居するために、故郷の我が家を売り払い、整理しに帰郷した主人公。そこで、少年時代は輝いていたが、大人になり、日々の暮らしに疲れ果て、木偶の棒のようになってしまった農夫の友人と再会する。
その彼に、必要なものは何でもあげようと言って、希望したものをあげたが、藁灰まで欲しいというから、そのつもりでいたら、翌日、その灰の中から茶碗などがでてきた。口の悪い近所の婦人は、それは、その友人が隠しておいて、藁灰と一緒に持ち帰ろうとしていたものだろう、というのだった。
主人公にとって、この友人は、少年時代の英雄だったのだが、その影は薄ぼんやりとなり、失意の中で故郷を後にするのだった。故郷は遠くにありて思うもの、とはよく言ったものだ。私にとっても少年時代の故郷の風景は、懐かしく、美しい。引退したら、故郷へ戻って伝道・・否、まず近くの海釣り公園かな。
しかし、その懐かしさは、おそらく風景もだが、両親や兄弟たち、友人たちといった人々がいたからなのだろう。さて、私たちキリスト者の故郷は天にある。いったい何が懐かしいのだろうか。既に召された方々との再会もあろう。神様の御元に戻るといった感覚はあるだろうか。まさか、行ってみて、やはり遠くにありて思うもの、でしかなかったなどということはないだろう。当然、天国に行けるものと思って語っている。
平良師
魯迅の「故郷」という短編小説がある。私の好きな作品だ。現在住んでいる都市部へ転居するために、故郷の我が家を売り払い、整理しに帰郷した主人公。そこで、少年時代は輝いていたが、大人になり、日々の暮らしに疲れ果て、木偶の棒のようになってしまった農夫の友人と再会する。
その彼に、必要なものは何でもあげようと言って、希望したものをあげたが、藁灰まで欲しいというから、そのつもりでいたら、翌日、その灰の中から茶碗などがでてきた。口の悪い近所の婦人は、それは、その友人が隠しておいて、藁灰と一緒に持ち帰ろうとしていたものだろう、というのだった。
主人公にとって、この友人は、少年時代の英雄だったのだが、その影は薄ぼんやりとなり、失意の中で故郷を後にするのだった。故郷は遠くにありて思うもの、とはよく言ったものだ。私にとっても少年時代の故郷の風景は、懐かしく、美しい。引退したら、故郷へ戻って伝道・・否、まず近くの海釣り公園かな。
しかし、その懐かしさは、おそらく風景もだが、両親や兄弟たち、友人たちといった人々がいたからなのだろう。さて、私たちキリスト者の故郷は天にある。いったい何が懐かしいのだろうか。既に召された方々との再会もあろう。神様の御元に戻るといった感覚はあるだろうか。まさか、行ってみて、やはり遠くにありて思うもの、でしかなかったなどということはないだろう。当然、天国に行けるものと思って語っている。
平良師